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第3回柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会 開催

2016/05/26

平成28年5月19日(木)、厚生労働省共用第6会議室において、第3回柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(以下、カリキュラム検討会)が行われた。

尚、カリキュラム検討会は、碓井貞成氏(公益社団法人全国柔道整復学校協会長)、釜萢敏氏(公益社団法人日本医師会常任理事)、北村聖氏(東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授)、樽本修和氏(帝京平成大学教授・一般社団法人日本柔道整復接骨医学会)、長尾淳彦氏(明治国際医療大学保健医療学部教授・公益社団法人日本柔道整復師会)、成瀬秀夫氏(東京有明医療大学柔道整復学科長)、西山誠氏(国際医療福祉大学教授)、福島統氏(公益財団法人柔道整復研究試験財団代表理事)、細野昇氏(呉竹医療専門学校長)、松下隆氏(一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院外傷センター長)が構成員となっている。座長は北村氏が務めた。

初めに、厚生労働省より第2回カリキュラム検討会で出された主な意見と、それらを踏まえたカリキュラム改善の事務局案が説明された。また、細野構成員と碓井構成員から、各自提出した資料の説明が行われた。

 

カリキュラム検討会概要

総単位数・時間の引き上げについて

座長は、〝現行のカリキュラムの総単位数と履修時間は、85単位・2480時間となっている。1単位の目安は15時間以上30時間未満で、教える内容によって適宜増減させている。総単位数の引上げに伴う追加時間は、事務局は345時間、細野構成員は270時間を提案しており、75時間の差がある〟として、厚生労働省提出案と細野構成員提出案の各項目における追加時間の提案を比較し、差がある部分について意見を交換する形式で議論を進めた。

柔道整復術適応
座長:
「柔道整復術適応」の部分については、自分が面倒を見られる疾患なのかそうでないのかを、正確に判断することが重要視されている。この能力は病気の知識があることとは別であり、しっかり教えなければ大きな事故に繋がりかねない。事務局案では「診断と適応」「各部位の外傷、疾患の適応」で2単位・60時間、「臨床所見からの判断」で2単位・60時間としている。一方、細野構成員の案では、「病態や検査所見、検査所見上の鑑別点」で1単位・15時間、「柔道整復施術適否の臨床的判定」で1単位・15時間とされている。これについて意見を伺いたい。
福島:
病態や疾患についてはもともと学習しているので、事務局案では多すぎるのではないか。
松下:
医科の内科診断学も実習に近い形で行っているが、とても重要だと考えている。60時間ずつは必要ではないにしても、重要なことでありそちらに教育がシフトしなければならないということを示す必要がある。
長尾:
柔道整復術の適否判定では、画像を読む能力としてエコーなどで臨床的にどのような状態であるかを見極める能力も必要だ。来られた患者さんに対し、柔道整復術の適否を見極められるようになるような講義に絞ったほうが良いのではないか。
成瀬:
医療過誤を防ぐためにも柔道整復術の適否の判断ができるようにしっかり教育することが重要。鑑別診断と同時に、柔道整復術の適応についても科目としてしっかり教育し、また医接連携も踏まえたうえで画像診断もできるようになるべきだ。
座長:
柔道整復術適否は、本当に必要性を感じられているというご意見が多い。専門基礎分野の「病態や検査所見、検査所見上の鑑別点」で2単位・30時間、専門分野の「柔道整復施術適否の臨床的判定」で2単位・30時間としたい。内容としては、専門基礎分野は座学中心で整形外科の先生が臨床推論というのはこういうことだという考え方を、参加型のものを含めて学習する。専門分野は現場での症例とその対処についてグループワークを行うことを中心とする。総単位数は97とし、大事な項目はしっかり学習し、その代わり時間をかけなくていいところは削っていく。

 

保険の仕組み・職業倫理
座長:
「保険の仕組み」と「職業倫理」について、事務局案は1単位・15時間ずつ、細野構成員の案は併せて15時間としている。保険については、学生のうちに施術にいくらかかるのかを教えた方が良いのか、それとも純粋に有効率や副作用だけ教えておいて現場に出てから学べばいいのか。
長尾:
「保険の仕組み」については、受領委任払い制度を理解すれば良いだろう。お金の話は臨床研修の中で、接骨院での流れを実際に見れば体得できると考えている。
碓井:
卒後すぐに開業してしまう柔道整復師が増えていることに問題を感じている。学校で保険について教えすぎると開業を促進してしまうリスクもあるのではないか。
成瀬:
学生は保険が使えるというと、医科と同じだと考えているところがあるので、療養費や受領委任払い、私たちの立場について教育している。倫理を学習することは大切だが、保険の仕組みと倫理のそれぞれに15時間ずつも必要かどうかは疑問だ。
松下:
医師も医療経済を知らずにやっていけば自分たちの仕事にも支障が出る可能性が高いため、現在は医療経済についても学んでいる。受領委任だけではなくて、医療経済が今どうなっていて危機的な状況だから真剣に考えなければと教えるのはいいと思う。
樽本:
受領委任払いの方法を教えるだけではなくて、医療系の養成校として医療経済も含めて15時間としたほうが良い。
座長:
「保険の仕組み」は、細かい点では受領委任払いはどういうものであるか等、大きな点では今後の医療情勢と柔道整復がどうあるべきかを考える。「保険の仕組み」としては、医療経済並びに保険の仕組み、そして「職業倫理」は、職業倫理・プロフェッショナリズムなどとするのはどうか。座長としては事務局案を採用し、各1単位・15時間ずつとすべきと考える。

ここからは、事務局案・細野構成員案の提案内容を基に、項目ごとに議論が進められた。

 

 

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