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これだけは知っておいて【第24回:安心と安全】

2016/11/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

  

「安心・安全な○○」という言葉をよく耳にします。聴き慣れたフレーズです。
柔道整復師業界においてもよく使われています。安心と安全を混合せずに客観的な事実を確認・検証することが必要です。

「安心」読んで字の如く「心が安らぐ」ことです。
人それぞれの判断に委ねられるもので自ら理解・納得したという主観的な感情が「安心」です。
「当院は多くの優秀なスタッフがおりますから大船に乗ったつもりで任せてください」と説明されると「ひとり施術所より多くのスタッフがいる方が安全だろう。早く治るだろう。」というあまり根拠のない安心感を患者さんは持ちます。
「大船」という言葉にも小さい船よりも安全ですよ!ということが含まれていますが果たしてそうなのでしょうか?大きいから沈まないという保証はありません。

 

「安心」が主観的であるのとは反対に客観的な事実であるのが「安全」です。
「科学で証明される客観的事実」「科学的評価によってもたらされるもの」が「安全」です。

一旦「安心」という概念が崩れると主観的な感情ですから「科学で証明される客観的事実の安全」を積み重ねても主観的感情が納得しなければ「不安」となり「安心」とはなりません。

ただ、「安心」の感情を得るには、こつこつ「安全」の証明を積み重ねることと「信頼」の絆を強める以外ありません。
私たちの業界は「法令遵守」が当たり前で自らの行いを律するために「倫理綱領」を定めています。
柔道整復師としての質の高い医療を提供するためには深く広い知識と確かな整復・固定技術は勿論のこと高い倫理観が不可欠です。
深く広い知識や確かな整復・固定技術は「柔道整復安全」の基礎です。高い倫理観が「柔道整復安心」の基礎となるものと思います。

 

皆で「安心・安全な柔道整復」を構築して行きましょう!

 

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