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第9回関東地区保険者会議 開催

2013/02/16

平成25年2月7日(木)、柔道整復師センター(東京都中野区)にて第9回関東地区保険者会議が開催され、かねてより「患者と柔整師の会」が提案している『柔道整復師施術料療養費請求・受領委任払制度の改善実現の為の方策案』(第三次案)について議論が交わされた。

当日飛び入り参加の大島九州男参議院議員から最初に挨拶があり、昨年から協議されている柔道整復療養費の算定基準の見直しについて〝皆さんもご存じの通り、会計検査院から指摘を受け、厚生労働省は長期・頻回・多部位に逓減をかける方向で動いていたようです。しかし長期・頻回・多部位の定義も曖昧だったために柔道整復師の方々から指摘を受け、昨年6月には改定が行なわれませんでした。今年2月に改定するという話もありましたが、年末に政権が変わり、厚生労働省担当者が政務三役と話す機会を持てないため、改定を諦める可能性もあるという噂も耳にしております。今後また皆さんのご意見を聞かせていただきながら、しっかりとした制度構築に向けて、微力ではありますが努力をさせていただきたいと思います〟と改定が滞っている現状について説明した。

 

続いて本会議の主催団体である「患者と柔整師の会」の今城康夫代表より〝私達患者と柔整師の会は、柔道整復診療制度の改革の第一歩として、全国の保険者、柔道整復師、患者等の意見を聞き、療養費受領委任払制度改革第二次試案を作成し、多くの方々に賛同をいただいてきましたが、昨年8月より実現可能な第三次案を作成致しました。本日は第三次案実施推進に当たり、皆さんのご意見、ご提案をいただき、6月開催の協議会で発表したいと考えています。現在の制度には多くの問題があり、改善の必要があると認識しております。是非、柔道整復診療制度の改革に行動を起こし、患者を痛みや機能障害から救ってください〟と強い想いを述べた。

 

本論では、以下の4点について保険者から意見を聴取する形で進められた。

登録システムについて
支払審査システムについて
患者照会
審査基準

 

登録システムについて

まず司会進行役の本多清二氏から登録システムについて、△登録された柔道整復師に対し団体的な規律を加えて厳格なレセプトの提出ができるようにする、△登録は更新制で、有効期間内に問題が起こっていない柔道整復師は更新できるが、問題を起こしてしまった柔道整復師は再教育あるいは条件を付けて再登録させる、△柔道整復師の資格取得時期や開業年数等の一般的情報を登録させることによって審査の情報量を増やすという狙いもある ―  など、登録システムの概要と目的について説明されたのち、保険者からの意見を募った。

保険者からは、

不正請求をして登録を取り消された場合、その情報は保険者には伝わってくるのか。その番号を使ってまた請求をされると登録されているものと誤認してしまう。
個人請求者も多いが、最近新しい団体組織もかなり増えてきている。そのホームページを見ても団体自体の業務が見えにくいところが多く、登録したところで保険者はどこまで信用して良いのか。
審査がきちんとされていれば登録が取り消されていようとなかろうと問題はない。きちんと審査して頂ければ我々保険者も安心して参加できる。

 

本多氏は〝柔道整復師業界の中には大小問わず団体がどんどん増えている。私共の考えている審査支払機構は団体と契約を結び、その会員は審査支払機構に登録されることになる。もちろんその組織がどういうものなのかきちんと審査し、そしてそれを全部インターネット上で公開して、登録が取り消されていればインターネット上で確認できるという透明度の高い登録制度を作っていきたい。また、登録情報から柔道整復師の他にどんな資格を持っているのか、どういう患者を多く扱っているのかを見れば、治療の内容・方法も大体わかる。そのように保険者にもう少し客観的な資料を提供できれば厳格な審査が可能になるのではないか〟と、登録システム設置の意義を語った。

 

支払審査システムについて

支払審査システムについて、本多氏は〝事務的負担の軽減と二重払いの危険回避の為、支払業務を一本化して簡素化したい〟とし、具体的には △請求する保険者の審査の厳しさに応じて請求方法に差がある柔道整復師が見受けられるが、審査を統一化することでその傾向を掴むことができる、△あくまで保険者が審査をする前に行なう「事前審査」という位置づけであり、保険者の審査に代わるものではない、△支払いについては柔道整復師一人につき口座は一つのみとする、△柔道整復師からのクレームは審査機構が受け、保険者には柔道整復師から直接問合せがないようにする ―   と仕組みを説明。登録システムと併用することで保険者の手を煩わせている問題を大幅に解消できることを示した。

これを受けて保険者は、

現状の柔道整復師団体の審査では、審査済みとされていても単月でしか審査していない為、実際に長期でかかっている患者に照会してみたらヘルニアだったということもある。どういった審査をしているのかと疑いの目を向けてしまう。その辺を含めた審査をしていただけるのであればとても助かる。
レセプトの記載内容を充実させて審査ができるようになれば有益だが、様式がマチマチなままでは難しいだろう。審査機構だけでなく全体の請求様式に係る問題になってくるが、実現されれば我々保険者としては非常にメリットは大きい。
療養費請求が再委任されるケースも増え、どういう人にお金を振り込んでいるのかわからないことも多い。確かめるにはいちいち振込先を訪問するしかないが、一健保としてはできない。何とかしなければいけないと感じている。

と審査の悩みを明かし、申請書様式統一などの課題がありながらも、支払審査システム実現への期待を滲ませた。

 

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