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これだけは知っておいて!!

第88回   【「公益財団法人柔道整復研修試験財団」のこと】

2014/01/16

明治国際医療大学   教授   長尾 淳彦

昨年(平成25年)12月25日で公益財団法人柔道整復研修試験財団が設立され25年が経過した。この組織が健全に機能しているから我々柔道整復師の資格は国家資格として存在し、皆に認知されているのだと再認識している。

柔道整復師の資格を持つもの、関係者は試験財団のことをよく知ることだと思う。

同財団発行の設立25周年記念誌「25年のあゆみ」から設立の経緯を抜粋させていただいた。

 

1.財団法人設立の経緯

(1)柔道整復師法の改正

柔道整復術については、戦前は按摩術営業取締規則(内務省令)の附則により、同規則の準用という形で規制されてきたが、昭和21年末からは、柔道整復術営業取締規則(厚生省令)が制定され、初めて独立の法律の成立をみた。現行憲法の施行に伴い、同省令が失効することとされたので、昭和22年12月、あん摩等の規則をあわせ、かつ、医業類似行為に関する規定も含んだあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法が制定された。

その後、昭和28年に、それまで、学校、養成施設における修業年限を一律4年以上としていたのを改め、高等学校卒業者については2年以上としたほかは、特に制度の変更は行われなかったが、昭和45年、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律」から、柔道整復師に関する法制が分離され、「柔道整復師法」単独法が成立した。

その後、医療技術の高度な進歩、発展に伴い、臨床検査技師、放射線技師、PT,OT及び看護婦といった医療職種の殆どが高度の教育制度へと変革したことを背景に、昭和63年、柔道整復師法が改正された。

昭和45年、63年の改正はともに柔道整復師団体等の強い要望により、議員提出法案として成立したものである。

1)昭和63年改正の内容

養成年限を中学校卒業後4年以上から高等学校卒業後3年以上としたこと
免許権者を都道府県知事から厚生大臣としたこと
試験の実施者を都道府県知事から厚生大臣としたこと
試験及び免許登録事務を厚生大臣が指定する者「指定試験機関、指定登録機関」に行わせることができるようにしたこと

2)施行時期

改正法は、平成2年4月1日から施行されることになったが、試験及び免許登録事務の時期については、平成4年10月1日となった。

 

(2)法改正にあたっての動き

柔道整復師の前進を図り社会の人達や厚生省に認めていただくためには、柔道整復師の人格と技術、そして社会人としての資質を高めなければならず、そのためには、どうしても学制改革が必要であった。

資質の向上のためにはまず、良い学生をつくらなければならないと考え、小倉八郎氏(当時社団法人日本柔道整復師会会長)、高山精雄氏(当時全国柔整学校協会副会長)、金城孝次氏(当時社団法人日本柔道整復師会副会長)らは、厚生省に対し、都道府県試験ではなく、国家試験とすることを要望した。後に自民党社会部会において、故橋本龍太郎氏(元厚生大臣)が、「君たちが自主的に厚生省に代わって試験を行えるような財団を作るならば、議員立法で通そうではないか。」と言われた。

昭和63年5月の法改正の後、社団法人日本柔道整復師会と全国柔道整復学校協会が車の両輪となり、同年7月21日に財団法人設立準備委員会が発足した。

平成元年11月28日午前11時から、厚生省大臣室において、戸井田三郎厚生大臣から設立許可書が交付。

平成元年12月25日に設立登記。