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「日整元会長・原健氏に聞く!」

2010/09/16

柔道整復がWHOに登録されたことも、2000年介護保険制度が創設されるにあたって逸早く機能訓練指導員としての位置付けや介護支援専門員(ケアマネジャー)受験資格に加えられたことなども、その当時の(社)日本柔道整復師会会長・原健氏をはじめとした日整執行部のご努力の賜物であった。

原会長は、山積する難問に対して真摯に取り組む会長として業界内外に知られ、パワーあふれる業界トップリーダーであった。その時から僅か7年経過しただけではあるものの業界は様変わりした感がある。様々な課題は解決されたのか、今の方向性は正しいのか、当時を振り返って現在の業界をどのように思われているのか、率直にお聞きしてみた!

 

スペシャルインタビュー「日整元会長・原健氏に聞く!」
(社)日本柔道整復師会 顧問  原 健 氏

原先生は、日整の会長を1999年から2003年までの2期務められましたが、約7年経った今、その頃の業界と現在の業界を比較しますと、どのような違いがあると感じていらっしゃいますか?何が、良い方向に向いて、何が後退しているのか、又その原因は何かお聞かせください。

現在の業会(社団)、過去の業会の比較は私が判断をするまでもなく異状な状況にあるのは皆さん思われていることでしょう。ただ言えることは組織の発展の基本原則はお互いが切磋琢磨することと同時に、会員1人1人の知恵、更には力と力を結びつけることが全体の信頼に繋がることを忘れてはなりません。会の執行部はこれでいいと言うものではなく、常によりよき道、よりよき方法を求める姿勢が大切であること、また、会員の声を聞き、地域住民の柔道整復師に対する期待感をしっかりと把握することを忘れることなく頑張っていただきたいと思います。

 

養成校が激増したことに伴い開業者も激増し、都市部に限らずその影響は地方にも波及しているようです。中には勤務柔整師を志す人もいるようですが、やはり柔道整復師の魅力は、なんといっても開業権があることだと思います。現在の雨後の竹の子状態をどのように思われますか?柔道整復の現状を、どう感じておられますか。

養成校の乱立については手のうちようがないとして、厚労省や日整でも静観の様子でありますが、私は柔道整復師としてのモラルの欠如は、柔道整復師の道義的道徳的精神を忘却する業会として羞恥心を感じる思いがいたします。今、マスコミ等で政府認可、民間認可の営業認可問題を議論されていますが、この問題を軽視してはなりません。

 

近年マスコミに著しく不正請求問題が取り上げられたこと、民主党政権に交代してから、事業仕訳でも取り上げられたこと等により、業界内部では臨床経験をあまり積んでいない開業柔道整復師の保険取り扱いに線引きしようとの動きがあります。その一方で、卒業したばかりの柔道整復師からすると、柔道整復の大学を出て相当な勉強をし、ある程度の知識を持っている、臨床経験こそ少ないが一部の長年やっている柔道整復師よりも勉強や研究も熱心に行っているという意見もあります。このことに対して原先生はどのようにお考えでしょうか?

柔道整復師の療養費や自賠責の不正請求がマスコミにタイムリーかつセンセーショナルに取り扱われておりますが、不正の件数が柔整師のみ飛びぬけて多いとは認められません。医師や歯科医師で不正請求が発覚いたしております。むしろ他業種の方が不正金額については高額であると思っておりますが、業界としてこの問題は慎重に行動すべきだと思っております。次に大学出身の柔整師の取り扱いについてですが、大学出身者であるから特別な待遇をする必要はないと思います。古くは中学出身者で柔整師の資格を持っておられる方もあります。柔整師資格はその取得にどのような経緯があっても総て同一であります。学者になるのであれば異なりますが、臨床家は皆同じです。臨床経験こそが柔道整復師の命であります。資格についてのランクはつけるべきではありません。特に国家資格と民間資格について、法治国家である日本で法的に認められない民間資格の違法性を深刻に受け止めるべきであります。

 

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