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未来健康共生社会研究会・第2回公開シンポジウムを開催!

2014/03/16

その後、いま脚光を浴びている神奈川県知事・黒岩祐治氏が登檀し『かながわの挑戦「ヘルスケア・ニューフロンティア」』と題して講演。

昨年、ハーバード大学で未病の講演を行った。健康と病気の間には未病が位置づけられ、健康か病気かに2分されるものではなく、全体としてはグラデーションのようになっている。超高齢社会を乗り越えていくためにはこの未病を治していく。私は健康・医療戦略会議のメンバーであるが縦割り行政には中々理解を得られなかった。であれば神奈川でやっていこう。「医食同源」、父親の末期がんの闘病体験をしたことで、有胃気即生、胃に気があれば生きられる。父親の肝臓がんが完治した。

神奈川県は、今後、全国を上回るスピードで高齢化が進むと見込まれており、来る超高齢社会に備えた健康長寿の社会づくりが急務となっている。そこで、神奈川は、超高齢社会に対応するフロントランナーとして、「ヘルスケア・ニューフロンティア」と称する世界のモデルとなる取り組みを進めている。これは、「最先端医療・最新技術の追求」と「病気の手前の状態である『未病』を治す」という2つのアプローチを融合させることにより、健康寿命日本一を目指すものである。

昨年は、シンガポールにおいて、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進に向けて、「歴史的快挙」とも言える大きな一歩を踏み出した。京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区における国家戦略を強化し、企業等の海外展開のサポートなどを行うGCC(一般社団法人ライフイノベーション国際協働センター)は、シンガポール科学技術研究庁、国立シンガポール大学および国立シンガポール医学大学との間で、ライフサイエンス分野での相互協力に関する覚書を締結。

今年は、米国やシンガポールとの連携に加え、新たに欧州との具体的な連携も検討していく。「未病を治す」取り組みとしては、県民の皆さんがライフスタイルを見直し、健康づくりを進めていくための取り組みを加速させる。「医食農同源」を中心とする食による健康づくりや各地域で実施される健康体操などを支援し、運動習慣のきっかけづくりを行う。ICTなど最先端の技術を活用して未病の状態をモニタリングし、未病を「見える化」する等、神奈川から未病産業を創出するとともに、東西医療の融合に向けた漢方の産業化にも積極的に取り組んでいく。

また、神奈川の西部は、豊な自然や多くの温泉など多彩な魅力にあふれており、この地域資源を活かし、県西地域を「未病を治す」実践の場とすることで、地域の活性化を図る取り組みを進めているところである。最先端の技術と企業を融合させる等々、アクティブなプレゼンを行った。

 

この日、体調を崩してこられなかった和田雄志氏(公益社団法人未来工学研究所理事)の代理で小野直哉氏(公益社団法人未来工学研究所特別研究員)が『健康共生関連産業の市場と育成』と題して講演を行った。

講演要旨は、未来健康共生社会に向かう背景として、①我が国が世界最先端の長寿国となり、シニア層が社会のマジョリテイを形成しつつあること②「社会」が成熟化するにつれ健康価値の重要性がますます高まりつつあること③健康対策に関して、病院中心の「医療モデル」から、「生活モデル」、「社会モデル」へと軸足がシフトしつつあること、などがあげられる。未来健康共生社会の社会的な潮流について、65歳以上が3千万人、今世紀はシニアの世代といっても過言ではない。

2020年をピークにアジア全体が老いていく。健康志向の方の割合が高い。健康共生社会を支える産業は、従来の医療・介護・福祉といった限定的市場から、「衣・食・住」から「移動」、「余暇」などを含めた、あらゆる生活関連産業に波及しつつある。このような潮流は、中国、韓国をはじめとするアジア周辺諸国などでも同様(いわゆる「老いるアジア問題」)であり、日本の取り組み動向が各国から注目されている。人間の健康と、環境の共生~「エコヘルス」の時代で超高齢社会ニッポンの主役はシニアである。介護対象者とそこそこ元気な普通の高齢者の比率は1:5で、介護対象は490万人(16%)、そこそこの高齢者は2458万人(84%)で、介護対象者は顕在化しているが、そこそこ元気な人は内在化していて見えにくい。市場構造は、医療介護福祉市場規模は50兆円である。

近い将来、アジア海外市場展開も視野に。コンソーシアムの展開分野は「健康共生社会」を形成する未来型産業コンプレックスでありベースとなる主な産業の市場規模としては自動車(製品出荷額)50兆円、住宅(居住関連支出)40兆円、衣料(アパレル小売)10兆円、食品(生産・加工・流通)100兆円、国内旅行(消費額)24兆円、生命保険(新規契約)70兆円、計300兆円が見込まれる。

またアプリケーション・サービスイメージとして食分野では機能性温州ミカンジュースや神奈川県立保健福祉大学の「栄養ケアステーション」、衣料分野ではNTTドコモと東レが共同開発したバイタルセンサー付き下着やRazor Racer TMのアスリート強化系ウエア、住宅分野では国交省と厚労省がコラボしたサービス付き高齢者向け住宅(全国で14万戸)、㈱コミュニティネットの別荘型シニアコミュニティ(ゆいま~る那須)、移動分野ではホンダの歩行アシストやWhillのパーソナル・モビリティ、旅行・リゾート分野ではHISハウステンボスのヘルスケア・リゾート、未来工学所アイデアの養生クルーズ(クルーザー内でヘルスケア、ヨガ、機能性食品グルメ、「洋上で養生」)等、幅広く紹介。

 

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