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国会議員に聴く!水戸まさし参議院議員インタビュー!

2013/04/01

―日本では超高齢化社会が急速に進行し、逼迫する医療保険財政を考えた時、柔整は保険医療の面でも十分な費用対効果において活躍が期待されると考えます。"柔整は、高度診断機器、薬物を用いることなく医療先進国、日本で非医師として尚存在し続けており、その事から柔道整復学は世界的に多くの人々を救い得る有用な学問となる可能性を秘め、「国際化」の可能性も大きい。西洋医のみが医師で医療行為を行なうとする時代は過ぎ、伝統・相補、代替医療の一つとして、柔道整復は保険医療分野の改革に更に貢献が期待される"とある柔整師が話しておりました。しかしながら"発展途上国では人口の6~8割が経済的理由で西洋医学の恩恵を受けていない"と言われております。医療先進国と途上国における伝統・相補、代替医療は、双方とも経済的理由で必要であるものの、その役割や捉え方に違いがあるように感じます。日本の柔道整復は世界の民族医療に〝柔道セラピー〟として仲間入りしましたが、医療先進国、日本において、なお存続している柔道整復は医療先進国ばかりでなく発展途上国においても有用性が高いとしてモンゴル国等で柔整師がJICAの草の根活動で国際交流を通して医療支援と医療指導を行っております。水戸先生は、こういった意見や活動をどのように思われますか?

大変結構なことだと思います。柔道整復師の医療技術、日本の文化を海外輸出することは非常に良いことだと思います。JICAを通じて正式に柔道整復師の方々が、医療がいきわたっていない国々に対して医療支援と医療指導を行っていることは日本国のポジションが上るのではないでしょうか。ただ、規制緩和の一貫として柔道整復師養成校の乱立による柔整師数の急増問題が背景にありますので、柔道整復師の人材がしっかり育成されているかどうかという話も行政機関がちゃんとしていかなければなりません。こういったことを言うと怒られるかもしれませんが、質の高い技術と能力、そしてある程度経験を積んだ柔道整復師さん達をどんどん海外に派遣していけるように、統合医療の観点からも進めていくことは良いことだと思います。

 

―阪神淡路大震災や東日本大震災の時にも柔道整復師の方々はもの凄く活躍されてきました。災害医療に対して力を発揮できる医療者として、被災地をはじめ認識が深まっていると思います。今後、大きな災害があると予測されている中で柔道整復師の存在は重要と思いますが。

その通りと思います。医療機器が何もなくても治療を行えるということは、今後どんなに大きな災害が起きたとしても力強いことであり素晴らしいです。直ぐに医療技術を提供できるということは、願ったり叶ったりですし、今増え続けている柔整師さん達にとっても国民から期待されている重要な職業であると認識され、職業に誇りを持つことが出来ると思います。

 

―柔整は、日本で歴史的に十分な貢献をしてきた一方で、制度としてみますと、目をつぶってきてあげたといえば、聞こえは良いのですが、むしろ余りに、曖昧な立場や環境を強いられた中で活躍し存続してきのではないかとも思えます。今後の日本において、パンク間近といわれている医療経済の中で、医師以外の者による医療行為、医業の活躍が必要であると考えられますし、医療経済にも良い影響があるのではないかとも思います。しかしながら、周囲から見て問題点もあろうかと思います。そこで水戸先生から見て、柔整(伝統・民族医学)の問題点はどこだと思われますか。また、制度として、充分な活躍を期する意味で、改革が必要だと思われますがお考えをお聞かせください。

繰り返しになりますが、やはり制度の不備もあったため、不正請求がはびこってしまうことに対してのチェックも出来ないといったことが保険者の疑心暗鬼を生んでしまっていると感じております。非常に良質で良心的な柔道整復師さん達もそういう目で見られるかたちになってしまうということは、不本意なことだと思います。もちろんこれは柔道整復師さん達だけの話ではなく、あらゆる分野にも共通の話なんでしょうけども、レベルの高い良質な人たちを如何に確保していくか、そういう人たちが如何に活躍していけるかを考えるならば、先ほども話しましたように、不正請求を排除し受領委任払い制度をどう継続していくかに尽きると思います。ちゃんとした支払機関を設置するなど、保険者との信頼関係をどのような形で再構築していくかとしての仕組みづくりをもう一度原点に戻ってやっていくことでしょう。

 

―日本が世界で最も早く超高齢化社会を迎えることになり、それをどのように乗り越えていくべきかの模索が続いていると思われます。これから日本国民はどのようにして健康生活を維持し、長寿社会を存続させるべきでしょうか?一方で、貧しい者こそ、病気になります。病気になっても医療が受けられない社会になりつつあるのではないかと危機感を募らせております。健康保険非加入者の増加や生活保護受給者の問題も気になります。水戸先生は日本の社会保障や医療をどのようにしていくことで国民が幸せになれるとお考えですか。

難しい問題です。医療費は一定の規模で必要ですけれども、地域格差は小さいほうが良いに決まっています。しかしながら、ある程度のことはやむを得ないということも認めていかなければならないと思っています。地域に根差した医療の仕組みづくり、かかりつけ医を中心として、その人に合ったような施術や治療が必要です。地域社会の中で住民が希望すれば統合医療も受けられるような仕組みが出来上がれば良いと思います。全国一律同じような網をかけるのではなく、我々は道州制を目指していますから道州がいいのか都道府県が良いのかは別としましても、それ位の規模で地域性を加味した中での医療制度の在り方を夫々の地域毎に考えていく必要があると思います。極論になるかもしれませんが、全国津々浦々診療報酬が、同じ点数でいいのかという話に必ずなってきます。しかし、これが最終的に医療費の高騰を抑えることにも繋がってくるかもしれません。医療システムの中で、ある程度地域としての自主性、独自性を所謂点数を含めて考えていく必要があると思います。医療行為の中でも技術的なものというのは殆ど評価されてこなかったということもあります。なるべく社会的な弱者を減らしていく。そのためには経済を元気づけていこうということになります。

 

●水戸まさし議員プロフィール

昭和37(1962)年7月生まれ。昭和56年3月、神奈川県立湘南高校卒業。昭和60年3月、慶応義塾大学商学部卒業。サラリーマン生活を経て政治家秘書。平成7年4月、神奈川県議会議員当選。以後平成19年4月まで連続3期当選。平成19年7月、参議院議員初当選。

主な役職:国土交通委員会委員、税理士・行政書士・保護司など兼務
著書:『等身大のニッポン-希望と楽観主義を携えて-』
趣味:サッカー観戦、水泳
特技:出会った方の「顔を忘れない」
好きな食べ物:チョコレート
家族構成:妻・長女・長男・次女の5人家族

 

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