柔道整復師と介護福祉【第11回:災害医療と柔道整復師】
2015/09/16
災害医療と柔道整復師の役割
災害医療とは、大規模災害(地震、火災、津波など)等により、対応する側の医療能力を上回るほど多数の医療対象者が発生した時に行われる医療です。医療体制及び避難場所の準備、食料支援の確保、PTSDのケア、ボランティアの組織、災害派遣医療チームの連携など、すべてを包括した医療提供者を指します。
3・11東日本大震災
被災県、宮城、岩手、福島において、柔道整復師の団体は災害救護ボランティアとして、生活不活発病の改善、予防を目的に医療提供者として活躍しております。また、他県の社団団体も救護派遣をされている実績があります。
生活不活発病(廃用性症候群)
ヒトは持っている機能を使わないと、その機能が低下してしまう生物です。これは若い人であっても同じです。例えば、病気等で3日間程度、安静状態で生活した後、会社や学校に行こうとすると、初めのうちは、身体がだるくて辛いという経験をした人もいるのではないでしょうか。生活不活発病(廃用症候群)とは、このような状態がさらに進んだ状態ということができます。
高齢者で寝たきり場合、加齢による衰弱や、脳血管疾患の後遺症などが原因と勘違いしがちですが、実は寝たきりの高齢者の多くは廃用症候群が原因にあります。
この廃用症候群による寝たきり症状は、適切な生活習慣の改善と、軽運動ならびに社会活動、交流を通して多くの場合改善することが可能なのです。


被災地による生活不活発病の好事例―石巻市

仮設住宅

仮設住宅風景

運動教室風景