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柔道整復師国家試験対策【第2回:必修問題対策】

主要ポイント編 国家試験対策

前回の12月に引続き2回目の国家試験対策をお送りします。今回も皆様にとって有益な情報となればと思います。さて、今年度の国家試験まで残す所、約2週間となってきました。受験生の皆様におかれましては、不安な日々をお過ごしのことと思います。

今回は前回もお知らせしたように、必修問題対策についてアドバイスさせて頂きます。ご存知のとおり、柔道整復師国家試験の必修問題は30題出題され、合格には、24題以上の正解が必要となります。正解率80%という比較的高いハードルのように思えますが、これまでの問題の出題傾向からしてその問題は決して難易度の高いものではなく、むしろ難易度の低い問題がほとんどですので、あまり過剰に意識しすぎないようにして頂きたいと思います。各教科の基本的(基礎的)な部分がしっかりと把握出来ていれば全く問題はありません。しかしながら、『基礎的な部分』が充分身に付いていないのであれば、残りの期間でこの『基礎的な部分』の把握に努めて下さい。そこで、今回はこの必修問題に出題されるであろう『基礎的な部分』を如何に把握していくかを軸に必修問題対策を述べていこうと思います。

必修問題対策1『必修問題の出題基準(範囲)の把握』

柔道整復師国家試験における必修問題は出題範囲が決められています。まず、この出題範囲を各教科把握して下さい。教科によって、ほぼ全範囲のもの、ある程度範囲が絞られている教科にわかれています。解剖学、生理学、一般臨床医学はほぼ全範囲となっています。残りの柔道整復学、病理学、衛生学、リハビリテーション医学、整形外科学、外科学、関係法規、運動学はある程度の範囲が絞り込まれています。特に、この範囲が絞り込まれている部分はしっかりと把握して下さい。ここでその範囲をすべて述べることは割愛しますが、医歯薬出版から柔道整復師国家試験の出題対策が出版されていますし、皆さんのそれぞれの学校にもおいてあるのではないでしょうか。年によってはこの出題基準通りに出題されない場合も過去には見受けられますが、そこは気にしないで良いと思います。これら必須問題の出題範囲の把握は非常に大切になります。

必修問題対策2『出題範囲の基礎的な知識の確認・把握』

次に、基礎的な部分の把握についてです。合格のボーダーラインにいる人達はこの部分が最も徹底出来ていません。この時期に、やみくもに様々な問題をやり込んでいる人達にこの傾向は見られます。国家試験を確実に突破する為には、基礎的な部分の正答率を限りなく100%にすることが重要です。合格のボーダー付近の人たちの特徴は大きく2パターンあります。

具体的にどういうことかというと、今基礎的な問題60題、応用的な問題が40題の計100題の模擬試験を実施したとします。A君、B君も合計70題正解していましたが、その内訳は、A君は基礎的な問題60題、応用問題10題の正解、B君は基礎的な問題45題、応用問題25題の正解だったとします。このような場合、A君は確実に本番の国家試験は合格すると僕は太鼓判を押します。しかしながら、B君には合格するという太鼓判を僕は押せません。むしろ一か八かの勝負になると言います。理由は、A君の正解70題は、基礎的な問題の取りこぼしが0の70点、一方B君の正解70題は、基礎的な問題の取りこぼしが15題もある70点です。つまりは、A君は基礎的な問題なら確実に点数が取れる。B君は基礎的な問題も確実に取れるとは言えず、7割の確率で取れるということになります。従ってB君は、A君よりも不合格の要素が強くなってしまいます。

このB君の傾向の人達が最も注意を要する人達になります。実際、このパターンの人達はかなり見受けられます。具体的に言うならば、皆さんがこれまでに実施して来た学校や業者の模擬試験で一般問題の正解数は合格基準を満たしていながら、必修問題の正解数が合格基準をなかなか満たさないといった人達は全てこの傾向にあります。この人達は基本的に、基礎の徹底がなっていません。ご自身がこの傾向にある人は残りの2週間は少し勉強方法を見直したほうが良いかと思います。今一度、ユーザーの皆様におかれては、基礎の徹底が出来ているかどうか確認してもらいたいと思います。

では、具体的にどうするかを述べます。

簡単に言うならば、出題範囲内の基礎的な問題を徹底的にやり込むことです。本番まで期間も少ないですから、材料となる問題は国家試験の過去問題がベストであると思います。できれば、過去の問題をいくつかピックアップしている過去問題集よりは、これまでの過去問題全てを手に入れて実施することを推奨します。過去国家試験は22回実施されています。まずは第18~第22回分、次に第13~17回、次に第10~12回と最低過去12回分の基礎的な問題をやり込んで下さい。またそうでない応用的な問題や少し細かめな問題は無視して構いません。むしろこの割り切りも必要です。

恐らく私の経験からして、第10回以降の基礎的な問題をやり込んでコンプリートしておけば、合格に必要な部分は全て盛り込まれていることになると思います。そして、やり込むとはどういうことかというと、各問題を解く上で、四者択一のひとつひとつにyes,noがしっかりと理由を付けて言えるようにしていくことということになります。これが大切です。たまたま、答えの1つを知っていた正解は次に活かされません。その問題に出ている設問1つ1つまで把握して解けるようになることが、過去問をやり込むということになり、確実に基礎を網羅しながら実力を上げる方法となります。この方法で私自身、これまで最後に何人も合格ラインに引き上げてきました。是非とも実施して下さい。

中には国家試験の問題を見ても、すべてが基礎的な問題に見えてしまって問題の餞別が出来ない方もおられると思います。そういう方は、先生や友人にお願いして、過去問題の中で、基礎的な問題、そうでないものをスクリーニングしてもらって下さい。期間が短い中で大変であると思いますが、今以上に合格に近づくと思いますし、必修問題に対する不安要素もなくなっていくことと思います。

長々と書かせて頂きましたが、必修問題の対策としては『必修問題の出題基準(範囲)の把握』と『出題範囲の基礎的な知識の確認・把握』として、方法をアドバイスさせて頂きました。受験者の皆様に少しでもお役に立てば幸いです。

残り約2週間で出来ることはそれぞれ限られていると思います。自分自身の精神的肉体的状態を把握し、その中で出来ることを今一度スケジューリングして本番に臨んで頂きたいと思います。皆様が合格されることを切に祈っております。

西村 雅道

プロフィール

西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。

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