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柔道整復師国家試験対策【第13回:病理学 ―概説~循環障害編―】

主要ポイント編 国家試験対策

今回で13回目となる国家試験対策講座。今回と次回で病理学の主要ポイントをお送りします。
今回は、概説、内外因、退行性病変、循環障害です。

概説・内外因

1)一般染色法は何か

ヘマトキシリンエオジン染色

2)膠原線維染色は何か

ワンギーソン染色
アザンマロリー染色

3)アミロイド染色は何か

コンゴー赤染色

4)鉄(へモジデリン)染色は何か

ベルリン青染色

5)病原体染色には何があるか

グラム染色 
チールネルゼン染色 

6)酵素抗体法の種類を上げよ

ABC法、PAP法

7)染色する標本を固定する際の使用薬は

パラフィン

8)標本組織を保存する際に使用する物は

ホルマリン

9)特発性(本態性の意味は)

原因不明

10)原発性、続発性の意味は

原発性=一時性  続発性=二次性

11)器質性、機能性の意味は

器質性=形態的 機能性=非形態的機能性

12)内因には何があるか

年齢 性別 内分泌異常 遺伝異常 体質

13)周産期、新生児期に発症し易い疾病は何か

妊娠異常 分娩障害(羊水吸引症候群 肺ガラス膜症)

14)小児期に発症し易い物は何か

感染症(麻疹・風疹) 白血病 小児がん(腎芽腫 肝芽腫 神経芽細胞腫)

15)成長期に発症し易い物は何か

骨関連腫瘍(骨肉腫)

16)壮年期に発症し易い物は何か

生活習慣病(高血圧症 動脈硬化症 糖尿病 癌 高脂血症)

17)男性に好発し易い疾病は何か

動脈硬化症、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、胃癌、肝癌、食道癌、肺癌

18)女性に発症し易い疾病は何か

自己免疫疾患、膠原病、胆石症、鉄欠乏性貧血、骨粗鬆症、甲状腺癌、胆嚢癌

19)先進国と、発展途上国における発症し易い疾病は

先進国:生活習慣病  
発展途上国:感染症

20)欧米で発症し易い物は何か

大腸癌 乳癌

21)日本で発症し易いのはなにか

肺癌 子宮癌

22)成長ホルモンの分泌低下、亢進による疾病をあげよ

低下:下垂体性低身長症
亢進:巨人症 末端肥大症

23)抗利尿ホルモンの分泌低下による疾病は何か

尿崩症

24)多種下垂体ホルモンの分泌低下により疾病は何か

シーハン症候群

25)甲状腺ホルモンの分泌低下、亢進による疾病をあげよ

低下:クレチン病・粘液水腫  
亢進:バセドウ病

26)アルドステロンの分泌が亢進する疾病をあげよ(別名も)

原発性アルドステロン症(コーン症候群)

27)コルチゾルの分泌が低下、亢進する疾病をあげよ

低下:アジソン病
亢進:クッシング症候群

28)カテコルアミンの分泌が亢進する疾病をあげよ

褐色細胞腫

29)インスリンの分泌が低下する疾病をあげよ

Ⅰ型糖尿病

30)外因には何があるか

栄養障害 温度障害 放射線障害 病原微生物 化学物質

31)蛋白質が不足することで起きる物は何か

飢餓性浮腫 飢餓性萎縮

32)ビタミンA欠乏により起こる物は何か

夜盲症 眼球乾燥症 皮膚角化症

33)ビタミンB1欠乏により起こる物はなにか

脚気

34)ビタミンB12欠乏により起こる物はなにか

悪性貧血

35)ビタミンC欠乏により起こる物はなにか(成人と小児で)

成人:壊血病
小児:メラーバロウ病

36)ビタミンD欠乏により起こる物はなにか(成人と小児で)

成人:骨軟化症
小児:くる病

37)ビタミンE欠乏によって起こる物はなにか

不妊症

38)ビタミンK欠乏によって起こるものはなにか

低プロトロンビン血症 出血傾向

39)放射線の感受性の高い細胞の特徴は

再生能力や増殖能力が高い
低分化で幼弱な細胞

40)その法則を何と呼ぶ

ベルゴニートリボンドーの法則

41)放射線の感受性の高い細胞にはなにがある

造血細胞 表皮細胞 生殖細胞 胃腸上皮細胞

42)放射線による障害には何がある

放射線腸炎 不妊 放射性皮膚炎 白血病

43)環境ホルモンには何がある

ダイオキシン PCB DDT

44)職業病的に発生する疾病と関連化学物質

塵肺症:粉塵
珪肺症:珪素

45)公害病の疾病と関連化学物質

水俣病:水銀
イタイイタイ病:カドミウム

46)医原病の疾病と関連化学物質

アザラシ肢症:サリドマイド  スモン:キノホルム

47)退行性病変にはどんな病変がある

萎縮 変性 壊死

48)萎縮とは何か

細胞が量的または質的に小さくなり容積が縮小する

49)萎縮を分類せよ

生理的萎縮 貧血性萎縮 廃用性萎縮

50)生理的萎縮の代表例

老人性萎縮  胸腺の退縮

51)圧迫萎縮の代表例

水腎症

52)廃用性萎縮の代表例

固定による筋委縮

53)神経性萎縮の意味と代表例

神経障害の結果、その支配筋が委縮する
猿手 鷲手 下垂手

54)内分泌性萎縮の意味と代表例

ホルモン分泌低下によって、その標的期間が委縮する
乳房 子宮 精巣 卵巣

55)変性を分類せよ

タンパク質変性 脂肪変性 糖原変性 石灰化

56)蛋白質変性の種類を上げよ

顆粒変性(混濁腫脹・硝子的変性) 
空砲変性(水腫様変性) 

57)硝子滴変性の代表例

ネフローゼ症候群

58)空胞変性(水腫様変性)の代表例

浸透圧性ネフローゼ

59)硝子変性の代表例

瘢痕組織

60)フィブリノイド変性の代表例

悪性高血圧 膠原病

61)アミロイド変性の代表例

結核 関節リウマチ サゴ脾 ベーコン脾

62)糖原変性の代表例

糖原蓄積病

63)脂肪沈着の代表例

脂肪肝 アルコール中毒

64)痛風時の代謝異常は

尿酸(プリン体)

65)カルシウム代謝異常による疾病

胆石症 腎結石

66)色素物質には何がある

リポフスチン、メラニン

67)消耗性色素は何か、また沈着し易い場所は

リポフスチン
肝 脳 骨格筋 心筋

68)メラニン過剰、減少疾患

過剰:悪性黒色腫・色素性母斑
減少:白皮症

69)鉄代謝異常用語と疾病

ヘモジデローシス・ヘモクロマトーシス
青銅糖尿病

70)銅代謝異常による疾病は

ウィルソン病

71)溶血性黄疸はどんなビリルビンが上昇するか、また代表疾患

間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)  
新生児黄疸、核黄疸

72)閉塞性黄疸ではどんなビリルビンが上昇するか、また代表疾患

直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)
先天性胆道閉塞症 胆石症 膵癌

73)肝細胞性黄疸を認める疾病は

デュビンジョンソン症候群、クリグラーナジャー症候群、ウィルス性肝炎

74)壊死を分類せよ

凝固壊死、融解壊死、壊疽

75)壊死の主病変は何か

凝固壊死

76)脳軟化症を説明せよ

脳梗塞巣の融解壊死

77)壊疽を分類し、代表例をあげよ

乾性壊疽:ミイラ化  
湿性壊疽:ガス壊疽

78)アポトーシス時の変化と特徴

核の断片化  
炎症反応陰性、細胞縮小

79)死の判定基準は

心音、呼吸、脈拍、瞳孔反射の消失

80)死後変化をあげよ

死冷、死後硬直、死斑、自己融解、血液凝固

81)脳の生理的老化現象には何があるか

細胞縮小、アルツハイマー神経原線維変化、老人斑、リポフスチン沈着

循環障害、進行性病変

1)充血時の局所変化には何があるか

腫脹、発赤、温度上昇

2)肺うっ血時に認められる物は

心不全細胞、褐色硬化

3)肝うっ血時に認められる物は

にくずく肝

4)下肢のうっ血時に認められる物は

静脈瘤(表在静脈性)

5)門脈血のうっ血による門脈圧亢進症で認められる物は

メズサの頭、食道静脈瘤、直腸静脈瘤、腹水、脾腫

6)吐血、下血、喀血を説明せよ

吐血:消化器系、口
下血:消化器系、肛門

7)タール便より示唆されることは何か

上部消化管出血

8)破綻性出血の代表例

外傷性出血、動静脈瘤破裂、肺結核性空洞

9)漏出性出血の代表例

慢性うっ血、細菌感染症

10)出血性素因を3つあげよ

血液凝固因子欠乏、血小板減少、血管壁の脆弱性

11)血栓形成要因を3つあげ、代表例を答えよ

血管壁障害、血流異常、血液成分の変化

12)血栓の形成を順番に述べよ

血小板血栓、フィブリン血栓、白色血栓、赤色血栓、混合血栓

13)血栓は動脈と静脈どちらに形成され易いか

静脈
骨盤、下肢:血液停滞、うすいから炎症、機械的影響受け易い、うっ血し易い

14)塞栓の種類ともっとも多い塞栓を答えよ

血栓塞栓
動脈塞栓:脳、腎、脾

15)虚血性梗塞の代表例

心筋梗塞、脳梗塞、腎梗塞、白色梗塞、充血帯

16)出血性梗塞の代表例

肺梗塞、腸梗塞、卵巣嚢腫の捻転症

17)浮腫の成因

血管透過性の亢進、毛細管圧の上昇、膠質浸透圧の低下、リンパ管の閉塞

18)進行性病変の種類をあげよ

肥大、再生、化生、創傷治癒、移植

19)真肥大とは何か、例も答えよ

実質細胞の肥大 骨格筋の肥大、心肥大

20)仮性肥大とは何か、例も答えよ

実質細胞以外の肥大
進行性筋ジストロフィー症、偽肥大

21)代償性肥大を認める部位は

腎臓

22)生理的再生を認める(強い)部分はどこか

表皮、胃腸粘膜、毛髪、造血、生殖(不安定細胞 安定細胞 永久細胞)

23)永久細胞とは何か、また例も挙げよ

再生能力のない細胞(中枢神経細胞、筋細胞)

24)化生の種類と例を挙げよ

扁平上皮化生:子宮頸部、気管支、尿路
腸上皮化生:胃粘膜

25)化生の原因はなにか

慢性炎症、(慢性刺激)

26)創傷治癒の流れを答えよ

血腫(凝血塊)、肉芽組織、瘢痕組織

27)肉芽組織の構成要素をあげよ

毛細血管、線維芽細胞、炎症細胞

28)肉芽組織から瘢痕組織に変化する際に、消失するもの、出現する物を答えよ

線維芽細胞、毛細血管、膠原線維

29)異物処理法には何があるか

排除、器質化

30)被包時に認められる物は何か

異物型巨細胞

31)移植の種類を答えよ

自己移植、同種移植(同系移植、異系移植)、異種移植

32)最も生着率の高い移植は何か

自己移植

33)拒絶反応を起こす免疫反応は、何免疫か

細胞性免疫が主

34)脳死判定基準

深昏睡、瞳孔固定、脳幹反射消失、平坦脳波、自発呼吸消失

いかがでしたか?概説内外因退行性病変で81項目、循環障害、進行性病変で33項目のポイントをお送りしました。病理学必修問題1題、一般問題13題の計14題出題されます。病理学の問題難易度は低い傾向が続いております。最低でも9題は獲得しておきたい教科です。また、必修問題は出題基準では、炎症、内因・外因となっておりますが、過去には、腫瘍や免疫の部分からの出題もありますので、今回と次回度お送りする部分をしっかりと把握しておいてください。ほぼ、丸暗記になってしまう部分ですが、合格には必須ですのでしっかりと取り組むようにしてください。次回は残りの炎症、免疫、腫瘍、先天性異常をお送りします。

国家試験まで残り2週間です。頑張ってください。健闘を祈ります!

プロフィール

西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
北斗総合整骨院院長 (一社)日本整体協会NSTインストラクター、柔道整復師、鍼灸師、、柔道整復専科教員、医科学修士 
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。

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