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柔道整復師国家試験対策【第29回:衛生学 その1】

分野別問題 国家試験対策

皆様今日は。6月、7月は衛生学公衆衛生学をお送りします。
難しい部分ですので、何回も繰返し実施し、知識を刷り込むようにして下さい。

問題

問題1WHO憲章の前文の健康の定義について誤りはどれか。

  1. 万人の基本的な権利である。
  2. 単に病気でないとか病弱でないということではない。
  3. 身体的にも精神的にも社会的にも完全に良好な状態を言う。
  4. 人種や宗教によっては異なる場合もある。

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解答 4

正しい選択肢はこのようになります。

4.人種や宗教・政治的信条あるいは社会的状況のいかんを問わず、万人の基本的な権利である。

※参考です。両方とも覚えましょう。

WHO憲章の前文より
「健康は身体的にも精神的にもspiritual(霊的、魂)、社会的にも完全に良好な状態を言い、単に病気でないとか病弱でないということではない。」
「到達しうる限りの最高の健康水準を享受することは人種・宗教・政治的信条あるいは社会的状況のいかんを問わず、万人の基本的な権利である。」

問題2健康の定義として引用されるのはどれか。

  1. ヘルシンキ宣言
  2. ジュネーブ宣言
  3. WHO憲章前文
  4. オタワ宣言

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解答 3

下記はキーワードとして覚えてください。

ヘルシンキ宣言
医の倫理、インフォームドコンセントを唱えた。

ジュネーブ宣言
同じく医の倫理を唱えた。

オタワ宣言
ヘルスプロモーション(先進工業国に対して、疾病予防から健康増進への概念)を唱えた。

問題3誤っているのはどれか。

  1. 健康診断は第一次予防である。
  2. リハビリテーションは第三次予防である。
  3. 予防接種は第一次予防である。
  4. 早期治療は第二次予防である。

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解答 1

健康診断は第二次予防です。
※以下参考です。全て覚えるべきです。

問題4人口動態統計に含まれないのはどれか。

  1. 出生
  2. 離婚
  3. 死亡
  4. 転入

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解答 4

人口統計については以下の通り二つあります。

  1. 人口静態統計(国勢調査)
    5年に一度10月1日午前0時現在の人口数、氏名、年齢、世帯、住所、職業の事実を直接全世帯について実施する。総務省が行う。
  2. 人口動態統計
    1年間に発生した出生、死亡と死因、死産、婚姻、離婚を調査する。
    ※届出用紙→市区町村→保健所→都道府県庁→厚生労働省

となっており転出、転入は人口動態統計に含まれません。

問題52気圧、121℃、20分の加熱による消毒法はどれか。

  1. 乾熱滅菌法
  2. 焼却滅菌法
  3. 煮沸滅菌法
  4. 高圧蒸気滅菌法 

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解答 4

消毒法には理学的消毒法と化学的消毒法があります。これは理学的消毒法について問う問題です。

これをよーく覚えてください。
ちなみに、低温消毒法は決して「低温=0℃以下」ではないということを頭に入れてください。

問題6ゴムやプラスチックの消毒に適するのはどれか。

  1. クレゾール
  2. ホルマリン
  3. オートクレーブ
  4. エチレンオキサイドガス

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解答 4

化学的消毒法について問う問題です。以下の表を覚えましょう。

エチレンオキサイドガスは熱や圧迫力による弱い器具などに用います。逆に熱や圧迫力に強いものはオートクレーブ(高圧蒸気滅菌法)を選択します。

問題7誤っている組み合わせはどれか。

  1. EBウイルス ― 伝染性単核症
  2. インフルエンザウイルス ― 普通感冒
  3. レトロウイルス ― 成人T細胞白血病
  4. 単純ヘルペスウイルスⅡ型 ― 外陰部感染

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解答 2

インフルエンザウイルスは上気道炎、気管支炎を起こします。
以下のことは他教科でも重要になるので覚えましょう。

  1. EBウイルス ― 伝染性単核症
  2. レトロウイルス ― 成人T細胞白血病
  3. 単純ヘルペスウイルスⅡ型 ― 外陰部感染

問題8不活化ワクチンはどれか。

  1. 百日咳
  2. ポリオ
  3. 結核
  4. 破傷風

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解答 1

不活化ワクチンを使用する感染症は幾つかあります。以下覚えましょう。

不活化ワクチン
細菌では腸チフス、パラチフス、百日咳、コレラ、ペスト
リケッチアでは発疹チフス
ウイルスではインフルエンザ、日本脳炎、狂犬病、

参考
生ワクチン→ポリオ・麻疹・風疹
トキソイド→ジフテリア・破傷風

問題9空気の正常成分で最も多いのはどれか。

  1. 窒素
  2. 酸素
  3. 二酸化炭素
  4. アルゴン

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解答 1

空気の異常成分と正常成分について覚えておきましょう。すべて大事なものです。

①空気の正常成分

窒素 78%
※潜函病(急激な減圧による)の原因。

酸素 21%
※酸欠、酸素中毒、高山病(低圧環境にて)の原因。

二酸化炭素 0.03%
※二酸化炭素は室内換気の指標となる。

アルゴン 0.94%
※異常成分ではない。

②空気の異常成分(大気汚染物質)

一酸化炭素
ヘモグロビンとの親和性が高い。(酸素の300倍)

硫黄酸化物
主に工場から排出。酸性雨の原因物質、四日市喘息の原因物質。

窒素酸化物
ディーゼル車から排出。酸性雨の原因物質、光化学オキシダントの原因物質。

光化学オキシダント
二酸化窒素や炭化水素に紫外線があたって光化学反応が起きた際時に生成される二次汚染物質。光化学スモッグ現象の原因物質。

塵埃
空気中に浮遊する固形物。10ミクロン以下のもの=浮遊粒子状物質(SPM)

問題10次のうち誤った組み合わせはどれか。

  1. 温室効果ガス ― CO2
  2. フロンガス ― オゾン層破壊
  3. 酸性雨 ― 一酸化炭素
  4. 化石燃料 ― 再生不可能

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解答 3

酸性雨は硫黄酸化物、窒素酸化物が硫酸イオン、硝酸イオンとして雨に溶けて降水されます。
以下、そのほか重要なものです。

  1. 一酸化炭素
    ヘモグロビンとの親和性が高い(酸素の300倍)、中毒で死亡することも。
  2. 硫黄酸化物
    主に工場から排出 酸性雨の原因物質、四日市喘息の原因物質。
  3. 窒素酸化物
    ディーゼル車から排出 酸性雨の原因物質、光化学オキシダントの原因物質。
  4. 光化学オキシダント
    二酸化窒素や炭化水素に紫外線があたって光化学反応が起きた際時に生成される二次汚染物質。光化学スモッグ現象の原因物質。
  5. 塵埃
    空気中に浮遊する固形物 ※10ミクロン以下のもの=浮遊粒子状物質(SPM)
  6. 二酸化炭素
    地球温暖化(温室効果ガス)
  7. フロンガス
    オゾン層の破壊

問題11誤っているのはどれか。

  1. 不快指数の測定にはアウグスト乾湿温度計を用いる。
  2. 感覚温度には気温、気湿、気流がある。
  3. 放射熱の測定にはカタ寒暖計を用いる。
  4. 修正感覚温度は放射熱が入る。

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解答 3

放射熱の測定…黒球温度計を用います。その他気温・気湿、気流もチェックです。

以下参考
「温熱の4要素→気温、湿度、気流、放射熱 =温熱感覚に関係する。」

気温 →温度計
湿度 →湿度計 ※2つ合わせたのが乾湿温度計
気流 →風速計(カタ寒暖計)
放射熱→黒球温度計

  • 気温、湿度、気流を考慮した総合的な温熱尺度 (放射熱は入らない。)
    =ヤグロウの感覚温度(実効温度、有効温度)
  • 感覚温度に放射熱を考慮した場合 (乾球温度のかわりに黒球温度を用いる。)
    =修正感覚温度(湿球黒球温度指数)

不快指数 (暑さによる不快度)
不快指数=0.72×(乾球温度+湿球温度)+40.6→ 75で一般に不快 80で半数以上が不快

問題12 ヤグロウの感覚温度に含まれないのはどれか。

  1. 気温
  2. 放射熱
  3. 湿度
  4. 気流

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解答 2

ヤグロウの感覚温度=気温、湿度、気流の3つです。
放射熱の要素が入らないことに注意してください。
ちなみにヤグロウ感覚温度に放射熱を考慮した場合を修正感覚温度といいます。

問題13温熱の4要素に当てはまらないのはどれか。

  1. 気温
  2. 湿度
  3. 放射熱
  4. 不快指数

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解答 4

温熱の4要素は「気温、湿度、気流、放射熱」です。
ちなみにこれらの測定方法は以下の通りです。覚えましょう。

測定
気温 →温度計
湿度 →湿度計
気流 →風速計(カタ寒暖計)
放射熱→黒球温度計

  • 気温、湿度、気流を考慮した総合的な温熱尺度 (放射熱は入らない。)
    →修正感覚温度(湿球黒球温度指数)を用いる。
  • 感覚温度に放射熱を考慮した場合 (乾球温度のかわりに黒球温度を用いる。)
    →修正感覚温度(湿球黒球温度指数)
  • 不快指数とは「暑さによる不快度」のこと。
    不快指数=0.72×(乾球温度+湿球温度)+40.6→ 75で一般に不快 80で半数以上が不快

問題14国民生活基礎調査に関係がないのはどれか。

  1. 有訴者率
  2. 受療率
  3. 通院者率
  4. 生活影響率

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解答 2

国民生活基礎調査は世帯訪問により有病(率)・医療、福祉、年金などを調べるものです。
有病率(有訴者率+通院者率+生活影響率)が含まれます。

有訴者率
病気や怪我で自覚症状のある者を人口千対に対する割合です。

受療率
人口10万に対するする推定患者数
患者調査(3年に一度行われる)で判明されます。

問題15次のうち母子保健の水準を示す指標でないのはどれか。

  1. 幼児死亡率
  2. 死産率
  3. 出生率
  4. 妊産婦死亡率

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解答 3

母子保健の指標には以下のものがあります。内容も簡単に覚えましょう。

ちなみに出生率(粗出生率)は健康指標です。

問題16平成16年の乳児死亡原因で最も多いのはどれか。

  1. 奇形
  2. 呼吸障害
  3. 心血管障害
  4. 乳幼児突然死症候群

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解答 1

乳児死亡についてです。死亡原因を覚えましょう。

乳児死亡原因
1位は奇形
2位は呼吸障害、心血管障害
3位は乳幼児突然死症候群

ちなみに乳児死亡率は乳児死亡数/出生数×1000で表します。

※下記は参考です。

問題17市町村で行う母子保健事業に含まれないのはどれか。

  1. 母子保健手帳の交付
  2. 健康診査
  3. 訪問指導
  4. 養育医療

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解答 4

母子保健法による母子保健事業内容は市町村と保健所でどちらが何を行うか、覚えましょう。

問題18学校保健の常勤の担当者はどれか。

  1. 学校医
  2. 学校歯科医
  3. 校長
  4. 学校薬剤師

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解答 3

学校保健関係職員は以下二つに分かれます。覚えましょう。

問題19学校保健で保健管理、保健指導を行うのはどれか。

  1. 校長
  2. 保健主事
  3. 養護教諭
  4. 学級担任

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解答 3

学校保健関係職員について問う問題です。記載されている各職員の役割を覚えましょう。

問題20平成17年の学校保健における罹患状況で最も多いのはどれか。

  1. 近視
  2. う歯
  3. 肥満
  4. 風邪

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解答 2

学校保健の健康状況統計による分布についての問題です。下記の内容はよーく覚えましょう。

罹患状況
1位はう歯 ※減少傾向 2位は近視 ※増加傾向 3位は肥満

死亡原因
不慮の事故 悪性新生物 自殺 心疾患

体格
身長、体重は大きく向上 体力、運動能力は低下傾向

プロフィール

西村 雅道

医学博士 柔道整復師 鍼灸師
一社)国際整体協会 和整體学院 インストラクター
和整體学院臨床センター センター長

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