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柔道整復師国家試験対策【第35回:外科学その1】

分野別問題 国家試験対策

国家試験まで残り約2か月半ですね。
ここからが勝負です。今月からは二回に渡り外科学をお届けします。
基本的な部分ですのでしっかりと履修してください。

問題1出血性ショックによるのはどれか。

  1. 心筋梗塞
  2. 食道静脈瘤破裂
  3. 感染性心内膜炎
  4. 心タンポナーデ

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解答 2

ショックの分類は新しい教科書では少々変更があります。
しかし、必修出題基準では従来通りの分類なのでこちらも頭に入れておいてください。
以下を覚えましょう。

問題2 機械的損傷はどれか。

  1. 気圧
  2. 高熱
  3. 光線
  4. 電気

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解答 1

機械的損傷と非機械的損傷についてです。
機械的損傷の方が少ないのでそれを完璧に覚えて、それ以外は非機械的損傷というように覚えましょう。

問題3創傷治癒遅延因子にならないのはどれか。

  1. 糖尿病
  2. 高カルシウム血症
  3. 黄疸
  4. 抗炎症薬投与

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解答 2

創傷治癒遅延因子には局所的因子と全身的因子があります。
以下の通り覚えましょう。

創傷治癒を遅延させる因子

問題4 癌(悪性上皮性腫瘍)に最も多くみられる転移はどれか。

  1. リンパ行性転移
  2. 血行性転移
  3. 漿膜転移
  4. 管腔を経由する転移

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解答 1

腫瘍発育形式の問題です。
発育形式は連続性と非連続性とがあります。
以下の表を覚えましょう。

問題520歳男性。交通事故にてER(緊急救命室)に搬送されてきた。レントゲン撮影の結果左第7・8肋骨に骨折がみられ、さらに出血によるショックを引き起こしていた。四肢体幹部に創傷は見当たらない。考えられる損傷はどれか。

  1. 肝破裂
  2. 腎損傷
  3. 脾損傷
  4. 腸管穿孔

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解答 3

出血性ショックと左肋骨骨折から一番可能性が高いのは脾損傷です。
以下も覚えましょう。

問題6手指の消毒に適さないのはどれか。

  1. ホルマリン
  2. イソジン
  3. ヒビデン
  4. 逆性石鹸

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解答 1

ホルマリンは室内消毒などに用いられてきました。手指にはまず使いません。
以下参考です。

問題7誤っている組み合わせはどれか。

  1. 丹毒は急性漿液性炎症である。
  2. 毛のう炎の原因菌はブドウ球菌である。
  3. 面疔は顔面に限局して発生する。
  4. ひょう疽は切開排膿が無効である。

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解答 4

ひょう疽は切開排膿しなければ、指尖に圧迫壊死が起こります。
以下参考です。

  1. 丹毒
    • 特徴
      皮膚や粘膜の表層の急性漿液性炎症である。
    • 原因菌
      溶血性連鎖球菌
    • 好発部位
      眼、鼻腔周囲、下腿、外陰部に多い。
  2. 毛嚢炎
    • 特徴
      毛嚢に限局した急性化膿性炎症である。
      ※眼瞼にできた場合は麦粒腫といい、いわゆる「ものもらい」となる。
    • 原因菌
      ブドウ球菌
  3. 面疔
    • 特徴
      顔面に発生した癤をいう。※髄膜炎や敗血症を起こしやすい。
    • 原因菌
      ブドウ球菌、連鎖球菌(まれ)
  4. ひょう疽
    • 特徴
      指趾の急性化膿性炎症をいう。
    • 症状
      内圧上昇により、神経、血管、骨の破壊を起こすこともある。拍動性の激痛あり。
    • 治療
      切開排膿が原則 ※抗菌薬は効きにくい。

問題8輸液の目的にならないのはどれか。

  1. 電解質バランスの維持
  2. 酸塩基平衡の調整
  3. 血球成分の補給
  4. 栄養成分の補給

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解答 3

輸液の目的の目的には以下のようなものがあり、補足として※印も覚えましょう。

維持輸液 →水分・電解質を補充

補充輸液 →異常喪失分の補充

栄養輸液 →栄養分の補給

水分・電解質バランスの維持、膠質浸透圧の維持、酸塩基平衡の調整、栄養成分の補給、血液成分の補給、血球成分を補給するのは輸血です。

問題9 肝移植の適用にならない疾患はどれか。

  1. 先天性胆道閉塞症
  2. 肝硬変症
  3. C型肝炎症
  4. 先天性代謝障害

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解答 3

少し臓器機能が低下したぐらいでは移植は行われません。
その臓器が機能しなければ生命の危機に立たされない限り、適用にはならないのです。
C型肝炎は適応外です。(その後、肝硬変から肝癌へ移行するのであれば適応になることもあります。)以下も覚えましょう。

各種代表的臓器移植

問題10 伝達麻酔はどれか。2つ選べ。

  1. 静脈麻酔
  2. 硬膜外麻酔
  3. 直腸麻酔
  4. 神経ブロック

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解答 2・4

麻酔の分類です。この時期にこれをわからないのは危険です。
早急に覚えましょう。

問題11誤っている組み合わせはどれか。

  1. 表面麻酔 - 眼科手術
  2. 浸潤麻酔 - 抜歯
  3. 脊椎麻酔 - 胸部の手術
  4. 神経ブロック - 顔面神経麻痺

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解答 3

局所麻酔の適応についての問題です。覚えましょう。
脊椎麻酔と硬膜外麻酔の大きな違いは、硬膜外麻酔は硬膜外腔に麻酔剤を注入するために脳幹麻痺が生じないことです。(くも膜下腔に注入する脊椎麻酔は生じてしまいます。)
そのため上部脊髄の手術をする際は硬膜外麻酔を行います。

問題12 機械的止血法はどれか。2つ選べ。

  1. 結紮法
  2. 電気凝固法
  3. 骨蝋(コツロウ)
  4. 冷却

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解答 1・3

止血法は3つに分類されます。
物理的は非機械的処理により止血し、化学的は薬品による止血です。
それら以外は機械的止血法と覚えましょう。

問題13親子や兄弟間で行われる移植はどれか。

  1. 自家移植
  2. 同系移植
  3. 同種移植
  4. 異種移植

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解答 3

移植の種類です。

問題14 外出血で誤っているのはどれか。

  1. 鼻出血はキーゼルバッハ部位で多い。
  2. 喀血は暗赤色が多い。
  3. 食道静脈瘤破裂による出血にはブレークモアチューブを用いる。
  4. 上部消化管からの下血は黒色である。

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解答 2

吐血では酸化されるため暗赤色であるが、喀血はそうでないため鮮紅色です。

問題15慢性頭蓋内圧亢進症でみられない症状はどれか。

  1. 頭痛
  2. 外転神経麻痺
  3. うっ血乳頭
  4. 体温上昇

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解答 4

頭蓋内圧亢進症には急性と慢性があります。
一般臨床などでよく出題されるのは慢性頭蓋内圧亢進症の方です。
外科では急性も覚えましょう。体温上昇は急性頭蓋内圧亢進症の症状の一つです。
以下を覚えましょう。

問題16二次救命措置に含まれないのはどれか。

  1. 低体温処置
  2. 薬剤投与
  3. 心電図の使用
  4. AED(自動体外式除細動器)の使用

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解答 4

二次救命処置とは、病院など設備の整った環境で有資格者により行われる救命処置です。
この意味で、現場に居合わせた人が行う一次救命処置と異なります。
以下は参考です。

二次救命処置の例

  • アドレナリン、ノルアドレナリン、ジキタリスなどの投与。
  • 心電図の使用 →心停止、不整脈、心機能の回復状態がわかる。
  • 計測・記録 →血圧、中心静脈圧、血液ガスなど。
  • 低体温処置 →脳組織などを省エネする。
  • 集中治療 →救命される率が向上する。

AEDの使用は資格がなくても可能な処置です。

問題1740歳男性。突然、雷に打たれたような激しい頭痛を生じたとともに、嘔吐と項部硬直が現れ意識を失った。考えられる疾患はどれか。

  1. 脳血栓
  2. 脳塞栓
  3. 一過性脳虚血発作
  4. くも膜下出血

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解答 4

雷に打たれたような突然の頭痛はくも膜下出血の際に生じる著名な症状です。
ちなみに脳血管障害には出血性と閉塞性があり、両者の特徴を覚えましょう。
もちろん一般臨床に通じるものです。

出血性脳血管障害

閉塞性脳血管障害

問題18意識清明期がみられる頭部外傷はどれか。

  1. 頭蓋底骨折
  2. 急性硬膜外血腫
  3. 慢性硬膜下血腫
  4. 脳挫傷

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解答 2

頭部外傷にはいくつかありますが、急性硬膜外血腫はその中でよく出題されるものです。
覚えましょう。

プロフィール

西村 雅道

医学博士 柔道整復師 鍼灸師
一社)国際整体協会 和整體学院 インストラクター
和整體学院臨床センター センター長

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