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柔道整復師国家試験対策【第44回:総合問題演習 その7】

国家試験対策 総合演習問題

問題1次のうち浅腓骨神経支配の筋はどれか。

  1. 第3腓骨筋
  2. 長腓骨筋
  3. 前脛骨筋
  4. 後脛骨筋

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解答 2

下腿筋の神経支配は次のとおりです

問題2神経性下垂体から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。

  1. 成長ホルモン
  2. プロラクチン
  3. オキシトシン
  4. バソプレシン

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解答 3・4

下垂体は腺性下垂体(前葉、中間部、隆起部)と神経性下垂体(後葉)が、合わさって出来たもので、各々からホルモンが分泌される。

腺性下垂体
成長ホルモン・プロラクチン・甲状腺刺激ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン・性腺刺激ホルモン・メラニン細胞刺激ホルモン

神経性下垂体
オキシトシン・バソプレシン

問題3 腕神経叢の鎖骨上部の枝でない神経はどれか。

  1. 長胸神経
  2. 鎖骨下神経
  3. 胸背神経
  4. 腋窩神経

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解答 4

腕神経叢はC5からT1の前枝によって作られ、神経幹や神経束を形成し、鎖骨上部と鎖骨下部へ分布する神経を出している。

〇鎖骨上部の枝(上肢帯へ分布する枝)
肩甲背神経、長胸神経、鎖骨下筋神経、肩甲上神経、肩甲下神経、胸背神経 など

〇鎖骨下部の枝(上肢へ分布する枝)
筋皮神経、正中神経、尺骨神経、橈骨神経、腋窩神経 など

問題4縦隔中部に存在する器官はどれか。

  1. 心臓
  2. 気管
  3. 食道

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解答 2

縦隔とは左右の肺に挟まれた胸腔の中央部分で、上部、前部、中部、後部の4つに分けられている。

問題5血清中に、A抗原(A凝集原)に対する抗体を持つものはどれか。2つ選べ。

  1. A型
  2. B型
  3. AB型
  4. O型

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解答 2・4

A抗原に対する抗体
⇒ α抗体(抗A凝集素)  B型・O型血清に存在する

問題6 二酸化炭素運搬に関与しないものはどれか。

  1. 重炭酸イオン
  2. ヘモグロビン
  3. 血漿タンパク
  4. 酸素分圧

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解答 4

二酸化炭素の運搬

  1. 重炭酸イオンとして
  2. カルバミノ化合物(血漿タンパク・ヘモグロビン蛋白と二酸化炭素の化合物)
  3. 血漿中に溶解

問題7精神的安静状態にて出現する脳波はどれか。

  1. α波
  2. β波
  3. θ波
  4. δ波

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解答 1

安静閉眼時出現する脳波は、α波である。

β波・・・覚醒時出現
θ波・・・うとうと状態・小児の基礎律動
δ波・・・深睡眠・深麻酔時に出現

問題8股関節について誤っているのはどれか。

  1. 恥骨筋の作用は股関節の屈曲と内転である
  2. 大腿骨頭靭帯は股関節の内転のみで緊張する
  3. 大殿筋の作用は股関節の伸展と外旋である
  4. 縫工筋の作用は膝関節の屈曲と外旋である

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解答 4

縫工筋の作用は股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節の屈曲・内旋

問題9次の内で背屈に作用しないものはどれか。2つ選べ。

  1. 前脛骨筋
  2. ヒラメ筋
  3. 短腓骨筋
  4. 第3腓骨筋

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解答 2・3

背屈=前脛骨筋、長母指伸筋、第3腓骨筋、長指伸筋
底屈=長・短腓骨筋、後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋

問題10抗原提示細胞はどれか。2つ選べ。

  1. 樹状細胞
  2. リンパ球
  3. マクロファージ
  4. 好中球

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解答 1・3

抗原提示細胞
⇒ 非自己を認識しリンパ球へ提示する
  樹状細胞・リンパ球

問題11抗体について誤りはどれか。

  1. 蛋白質である。
  2. 重鎖と軽鎖からなる。
  3. 4種類存在する。
  4. 免疫複合体となる。

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解答 3

抗体
⇒ 重鎖と軽鎖のポリペプチドからなる蛋白質(免疫グロブリン・γグロブリン)
  重鎖の構造上の違いから五種類(G、A、M、E、D)からなる。
  抗原と結合し、免疫複合体となる
  (免疫複合体となると、抗原の組織有害性はなくなる)

問題12 有機物質の浄水処理過程で生成される発癌物質はどれか。

  1. トリクロロエチレン
  2. 遊離残留塩素
  3. カドミウム
  4. トリハロメタン

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解答 4

  1. 有機溶剤であり、合成原料、洗剤、溶剤で使用され、地下水汚染が問題となっている
  2. 浄水場での消毒の際に塩素と水が反応してできる水中に溶存している有効塩素
  3. 4大公害裁判の1つイタイイタイ病の原因物質

問題13 屋内の空気汚染において重い中毒にかかる危険性があるのはどれか。

  1. 窒素酸化物
  2. 一酸化炭素
  3. 二酸化炭素
  4. メタノール

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解答 2

一酸化炭素は不完全燃焼時に発生し、ヘモグロビンと強く結合するため、酸素の利用を妨げる空気中のCOが5000ppmでは死亡する。

問題14 くも膜下出血について誤りはどれか。

  1. 病因は脳動脈瘤破裂によるものが多い
  2. 発症のピークは高齢者である
  3. 前駆症状を認めない
  4. 再発傾向が強い

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解答 2

クモ膜下出血 ⇒ クモ膜下腔に生じた出血

  1. 脳動脈瘤破裂によるものが最多
    次いで脳動脈奇形,もやもや病の順に多い
  2. 40~50歳の女性に多く発症する
  3. 激烈な頭痛が突然出現するため、前駆症状はない
  4. 再発傾向が強い(2週間以内)
    再発すると死亡率もあがる(60~70%)

問題15認知症においてもっとも早期に出現するものはどれか。

  1. 見当識障害
  2. 記憶障害
  3. 記憶障害
  4. 失語・失行・失認

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解答 3

認知症
⇒ 原因不明に生じる大脳の萎縮と神経細胞の萎縮・消失
  初発症状として記憶障害がみられる(発症から数年は近時記憶障害)

1,4 → 中期にみられる症状

3 → 記憶障害が進行していくと伴に計算力,判断力,認知力低下がみられる
        最終的には人格が消失し、植物人間状態となる

問題16 消毒薬の条件として誤っているのはどれか。

  1. 人体に対する毒性は低いものが良い
  2. 即効性・持続性に優れたものが良い
  3. 幅広い微生物に効果を持つものが良い
  4. 効果が望めるならば価格はいくら高くても良い

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解答 4

勿論、効果が高くて安価であることに越したことはない。

問題17麻酔前投薬の目的について誤っているのはどれか。

  1. 催眠
  2. 筋緊張保持
  3. 気道分泌抑制
  4. 鎮痛

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解答 2

麻酔前投薬の目的→①催眠・鎮静、②気道の分泌抑制、③鎮痛
*あくまでも麻酔の目的とは異なるものである、②は唾液や痰が合併症の原因となるため。

問題18骨腫瘍について誤っている組合せはどれか。

  1. 骨肉腫-10代-ALP上昇
  2. 骨髄腫-50代-多発性骨打ち抜き像
  3. 前立腺癌骨転移-酸フォスファターゼ上昇-四肢骨に転移
  4. 神経芽細胞腫骨転移-尿中VMA上昇-幼小児に発症

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解答 3

癌の骨転移(高齢好発)では体幹骨(特に脊椎)に転移する例が多い
⇔それに対して原発性骨腫瘍(小児好発)は四肢骨に好発する

他に性別の原発巣(男性では肺、女性では乳房)は覚えておいて下さい。

問題19先天性筋性斜頚について誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 両側性が多い
  2. 自然治癒はほとんどみられない
  3. 頭部は患側に屈曲する
  4. 患側への回旋制限がみられる

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解答 1・2

頭部は患側に曲がり、顔面は健側に回旋し、回旋制限は患側でみられます
(自分でやってみるとよくわかるはずです)

殿位分娩で頭部がひっかかって胸鎖乳突筋に血腫や短絡が発生して起きる病態ですが、一側性で多くが自然治癒します

問題20都道府県知事の権限について正しいのはどれか。

  1. 施術の対象が明らかに不適の場合は、必要な指示ができる。
  2. 上記1.の指示について、柔道整復師の団体は意見を述べることができる。
  3. 必要があると認めたときは、警官による立入検査をさせることができる。
  4. 県庁所在地の市又は区にあっては市長又は区長が行うことができる。

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解答 1

2.
柔道整復師の団体ではなく、医師の団体。
3.
犯罪捜査の為の立ち入り検査ではなく、また立入を行うのは都道府県の職員である。
4.
保健所を設置する市又は特別区にあっては市長又は区長である。

問題21施術所の届出について正しいのはどれか。

  1. 開設届は開設前10日以内に届出なければならない。
  2. 施術所の所在地の保健所長に届出る。
  3. 廃止する場合も同様の届出でよい。
  4. 親の死亡により相続する場合は、30日以内に変更届出を行う。

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解答 3

1.
開設届は開設後10日以内である。
2.
施術所の所在地の都道府県知事!
4.
相続する場合は変更届ではない。廃止して開設である。
名簿がどうとか余計なことは考えない。

問題22誤った組合せはどれか。

  1. カバット・ノット法——PNF
  2. フェイ法———————感覚刺激
  3. ボイダ法 ——————脳性麻痺
  4. ブルンストローム———脳卒中

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解答 2

中枢神経系障害に対する運動療法には以下のものがあります。

フェイ法
ボバース法…片麻痺・脳性麻痺に用いる
ボイダ法…脳性麻痺に用いる
ルード法…感覚刺激によって筋収縮を引き出したり抑制する
カバットノット法…PNF(固有受容性神経筋促通法)
ブルンストローム法…脳血管障害から生じる共同運動パターンを中心に組み立てて行う訓練法よりも片麻痺回機序が有名
フレンケル体操…深部感覚障害による失調に対する体操

問題23廃用症候群に含まれないのはどれか。

  1. 静脈血栓症
  2. 失禁・便秘
  3. 起立性低血圧
  4. 関節強直

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解答 4

廃用症候群には以下のものがあります。

骨格筋系
骨格筋萎縮、関節拘縮、骨粗鬆症

循環系
静脈血栓症、褥瘡、起立性低血圧

排泄系
失禁・便秘、尿路結石

その他
心理的荒廃

問題24 顎関節前方脱臼において、骨頭を前方に固定するものはどれか。

  1. 咬筋
  2. 側頭筋
  3. 内側翼突筋
  4. 頬骨筋

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解答 1

下顎頭を固定するもの→外側靱帯、咬筋、外側翼突筋

問題25顎関節前方脱臼の整復法はどれか。

  1. ヒポクラテス法
  2. コッヘル法
  3. シモン法
  4. クーパー法

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解答 1

顎関節前方脱臼整復法→口内法(ヒポクラテス法)、口外法

問題26 顎関節前方脱臼の症状で誤りはどれか。

  1. 閉口不能となり、咀嚼、談話困難となる。
  2. 上顎歯列は下顎歯列の前方に転位する。
  3. 頬は扁平となり、関節窩は空虚となる。
  4. 耳の前方に陥凹した関節窩を触れる。

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解答 2

下顎歯列が上顎歯列よりも前方に転位する。

問題27肩関節烏口下脱臼について誤りはどれか。

  1. 肩関節に過屈曲が強制され発生する。
  2. 脱臼肢は外転・内旋位に弾発性固定される。
  3. 筋皮神経損傷を合併する。
  4. 反復性脱臼に移行しやすい。

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解答 1

1. 発生機序…
①手掌を衝き転倒した際に肩関節過伸展が強制された場合
②肩関節過度外転により大結節が関節窩の上縁または肩峰に衝突して槓杆作用の支点となり発生する場合
③投球などの自家筋力による場合

2. <烏口下脱臼の症状>
①肩関節は30°外転し上腕軸は外転・内旋位を呈する
②三角筋の膨隆は消失し肩峰は角状に突出し三角胸筋三角は消失
③肩峰下は空虚となり骨頭は烏口下に位置する
 <鎖骨下脱臼の症状>
烏口下脱臼の症状に以下の症状がみられる
①外転度はさらに大きくなり時には水平位になる
②上腕は短縮してみえる

3. 腋窩神経
固有知覚領域→三角筋部外側
運動→肩関節外転(三角筋・小円筋)
 筋皮神経
固有知覚領域→前腕外側
運動→肘関節屈曲(烏口腕筋・上腕二頭筋・上腕筋)

問題28 肘関節前方脱臼で合併しやすい骨折はどれか。

  1. 肘頭骨折
  2. 鉤状突起骨折
  3. 小頭骨折
  4. 外顆骨折

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解答 1

鈎状突起、上腕骨小頭、上腕骨外顆は後方脱臼時に骨折しやすい

問題29肩鎖関節脱臼の第二度の特徴はどれか。

  1. 関節包や肩鎖靱帯の部分断裂
  2. 関節包や肩鎖靭帯、烏口鎖骨靱帯の完全断裂
  3. 関節包や肩鎖靱帯の完全断裂
  4. 不安定性が著明

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解答 3

1度→関節包や肩鎖靱帯の部分断裂
3度→関節包や肩鎖靭帯、烏口鎖骨靱帯の完全断裂  不安定性が著明

問題30肩関節後方脱臼はどれか。2つ選べ。

  1. 肩峰下脱臼
  2. 棘下脱臼
  3. 腋窩脱臼
  4. 関節窩下脱臼

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解答 1・2

このままです。
腋窩脱臼と関節窩下脱臼は下方脱臼

問題31肘関節後方脱臼について誤りはどれか。

  1. 関節包の前面が損傷される
  2. 肘関節部に過伸展力が働いて発生する
  3. 肘関節は直角位に弾発性固定される
  4. 合併症に骨化性筋炎がある

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解答 3

  1. 肘関節伸展位で手掌を衝いて転倒した際に肘頭が肘頭窩上方に衝突し槓杆作用の支点となり上腕骨遠位端部を前方に押し出し関節包の前面を損傷して脱臼する
  2. 1参照
  3. 肘関節は軽度屈曲(30~40°)位に弾発性固定される
  4. 脱臼により上腕の筋組織内に血腫を多量に形成し吸収されなかった場合に発生する

<肘関節後方脱臼の合併症>

  1. 骨化性筋炎
  2. 神経損傷…①正中神経②橈骨神経③尺骨神経
  3. 血管損傷…橈骨動脈
  4. 骨折…①上腕骨内側上顆②上腕骨外顆③尺骨鈎状突起④橈骨頭

プロフィール

西村 雅道

医学博士 柔道整復師 鍼灸師
一社)国際整体協会 和整體学院 インストラクター
和整體学院臨床センター センター長

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