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これだけは知っておいて【第46回:柔道整復における「冷やす」を考える】

これだけは知っておいて 特集

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

柔道整復師が業を行う接(整)骨院には、運動器(骨、関節、靭帯、腱、筋)の外傷性のケガの患者さんが多く来院する。

外傷性のケガには、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷がある。
これらの初期治療には、RICE処置を行います。

Rest(安静)
受傷後、引き続き運動を行うとケガを悪化させる。受傷したら直ちにその部位の使用を中止し安静にする。
Ice(冷却)
後述
Compression
(圧迫)
受傷すると周囲の組織から受傷部位に血液や体液が流れ込み腫脹が出ます。その腫脹をスポンジや弾性包帯で圧迫します。強く巻きすぎないように注意する。
Elevation(挙上)
受傷部位を心臓より高く持ち上げ重力の働きにより腫脹を抑える。

患部を「冷やす」という処置。いわゆるアイシングである。
実際の接(整)骨院での「冷やす」処置は、外傷が起こると患部の代謝レベルが上がり、2次的低酸素症の状態となり、2次的外傷性損傷を拡大させる。一時的に患部とその周辺の細胞の代謝レベルを下げ、2次的外傷性損傷を最小限に抑える目的で行われる。

療養費の支給基準には、「冷罨法料」という算定項目があり、氷や氷嚢、アイスパック、冷湿布などで患部を冷やすと算定できる。

骨折、不全骨折は受傷日から7日間、脱臼は受傷日から5日間、打撲、捻挫、挫傷は受傷日又は翌日の初検時1回算定出来る。料金は1回80円である。
これまでの氷や氷嚢での処置は、その都度、負傷部位に合わせての氷入り袋を作成しな ければならず、漏れ出た水滴の処理や患部にあてがう氷嚢などの保持固定も大変な作業である。

アイシングの効果、利便性はもちろんのこと、患者通院調査などで見られる「冷罨法を 行いましたか?」に対して、患者の記憶に残るなど接骨院の「冷やす」機器の常備が必要と考える。

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