これだけは知っておいて 【第63回:第28回柔道整復師国家試験の結果から】
明治国際医療大学 教授 長尾淳彦
令和2年3月1日に実施された第28回柔道整復師国家試験の結果が発表された。
受験者数5,270(昨年6,164)名、合格者数3,401(4054)名、合格率64.5(65.8)%であった。
第26回柔道整復師国家試験の合格率58.4%が近年の最低合格率であったが平成26年度からは65%前後の合格率で年間4,000名前後の有資格者が誕生している。
平成4年度が柔道整復師国家試験第1回目であり、一学年の定員が1,050名の総量規制であった時代である。その時の受験者数1,066名(既卒も含む)、合格者数963名、合格率90.3%であった。
平成10年の柔道整復師養成施設設置の裁判を経て、千名単位で受験生が増えた年度は、平成14年度の第11回柔道整復師国家試験、受験者数2,454名、合格者数2,108名、合格率85.9%で翌15年は受験者数3,000名、合格者数2,215名、合格率73.8%、16年は受験者数4,122名、合格者数2,902名、合格率70.4%、17年は受験者数5,127名、合格者数3,755名、合格率73.2%、19年は受験者数6,702名、合格者数5,069名、合格率75.6%、21年は受験者数7,156名、合格者数5,570名、合格率77.8%が受験者数、合格者数のピークであった。
平成30年度からの新カリキュラム導入により養成施設の定員や充足数の減が起こっており新カリキュラム養成施設完成年度の令和3年、大学完成年度令和4年の合格者数がどの程度になるかが興味あるところである。
制度の沿革に合わせて受験者数の増減があるのはわかるが年々合格率が下位で推移していることは柔道整復師の質が担保されていないことを表している。
今回は出題数や若干の区分の変更も行われたが、大きな問題も発生せず、実施された。
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