これだけは知っておいて 【第69回:「ウィズコロナ」の接骨院経営 そのⅢ】
明治国際医療大学 教授 長尾淳彦
新型コロナウイルス感染症が未知の感染症で世界中に感染拡大して、早10か月が経とうとしている。
その間、柔道整復師業界も4,5,6月は患者さんの不要不急の外出・来院控えにより、一時期は来院数減少が著明でしたが、この9月、10月は回復傾向となっているはずです。
柔道整復師業界は運動器疾患で発熱患者の来院が元々少なく、検温とマスクの着用を徹底的に行えば患者さんは安心して来院されると思います。
ただ、それは短期的なもので今後、業界が考えていかなければいけないことは数多くあります。
不要不急の外出自粛は解除されましたが、いまだ患者さんの疑問の気持ちは★印です。
★「接骨院に行って感染しないだろうか?」
→「ここの新型コロナ対策は安心できる」
★「この程度の痛みなら我慢したほうがいいのでは?」
→「我慢せず治療してよかった」
★「この程度の痛みで受診したら接骨院に迷惑なのでは?」
→「早期に治療をしてよかった」
接骨院側は患者さんの★印を解消するために疑問の気持ちを→「」にする努力が必要です。
来院を迷われているまたはためらわれている患者さんに具体的メッセージを具体的方法で送ることが大切です。
『当院は、感染症拡大防止策のため、施設内では「検温などの健康観察」「ベッド・椅子などの消毒」「医療機器・運動器具の毎回消毒」「常時の換気」「予約制あり」スタッフは「施術ごとの手洗いと消毒」「スタッフの健康管理」「マスクの着用」』などを記載した院内掲示板を設置することも安心を与えます。
「当院は新型コロナ対策をこのようにしています→具体例」
「このまま放置したら症状が悪化するので再度治療計画を作成しましょう」とホームページ、はがき、電話などで患者さんを励ます具体的行動が必要です。
再度、感染拡大の波の来る前のこの時期に徹底的に新型コロナ対策を講じて安心して患者さんが来院出来る環境を作ることが必要です。
また、患者さんと施術者が触れ合わないと出来ないこと。患者さんと施術者が触れ合わなくとも出来ることを区別して「良質な柔道整復施術」を提供出来る環境を業界全体で考えるべきであると思います。
その中で柔道整復施術でしか出来ないこと、接骨院という施術所でしか出来ないことを今、試行錯誤して考えていかなければ柔道整復師は生き残れないと思います。
この数か月で新型コロナウイルス感染症が終息することは考えられませんし、新たな感染症も出現する様相です。生き残れるか柔道整復師業界は試されています。
再度申し上げます。社会構造が変化していく今だからこそ柔道整復イノベーションを起こすチャンスです。
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