これだけは知っておいて【第86回:接骨院経営を考察する そのⅡ】
明治国際医療大学 教授
長尾淳彦
本稿2月1日号「接骨院経営を考察する そのⅠ」で現在の柔道整復療養費の料金で接骨院経営の収支がどのようになっているかシミュレーションしてみた。
1日の来院数が25名平均の施術所でも柔整療養費だけでは経営的には苦しい。
そこで、柔道整復師が自身の施術所で柔道整復師の資格で行える柔整療養費以外の収入プログラムを考えてみた。
2月1日号「接骨院経営を考察する そのⅠ」資料
従業員数 | 柔道整復師2名(施術管理者1名・勤務柔道整復師1名) 受付並びに事務(施術管理者の妻)1名 |
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施術時間 | 午前9時―12時(3時間) 午後4時―8時(4時間) 計7時間 |
週の内訳 | 月・火・木・金(午前・午後)/水・土(午前のみ) 日祝休み |
月の内訳 | 午前・午後・・・15―16日間 午前のみ・・・・8日間 日祝・・・・・・5―6日間 |
1日の平均患者数 | 午前10名/午後15名 計25名 うち新患2名 |
25名の部位数の内訳 | 1部位・・・5名 2部位・・・15名 3部位・・・5名 |
負傷 | 捻挫、打撲、挫傷 |
柔整療養費料金
1部位 | 610円 <内訳> 後療料505円 温罨法料75円 電療料30円 |
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2部位 | 1,220円 <内訳> 後療料505円×2=1,010円 温罨法料75円×2=150円 電療料30円×2=60円 |
3部位目 | 366円 <内訳> 後療料505円×2 温罨法料75円 電療料30円 =610円×0.6 =366円 |
3部位 | 1,220円+366円=1,586円 |
施術時間 | 午前9時―12時(3時間) 午後4時―8時(4時間) 計7時間 |
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週の内訳 | 月・火・木・金(午前・午後)/水・土(午前のみ) 日祝休み |
売り上げ
1日の売り上げ | 合計29,280円 <内訳> 1部位610円×5名=3,050円 2部位1,220円×15名=18,300円 3部位1,586円×5名=7,930円 |
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月の売り上げ | 合計656,320円 <内訳> 29,280円×15日=439,200円 14,640円×8日=117,120円 その他(労災、自賠責など)100,000円 |
柔整療養費以外で柔道整復師として行えることを施術時間外、施術日外に実施した場合
月、火、木、金 (午前、午後施術時間の間の午後1時―3時の2時間) | 合計144,000円 自費での運動器機能訓練教室 @1,800円×5名=9,000円 ×16日間 |
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水、土の午後、日祝日 | 合計151,200円 自費での運動器機能訓練教室 @1,800円×7名=12,600円 ×12日間 |
合計 | 295,200円 |
支出
支出 | 合計600,000円 <内訳> テナント料・・・160,000円 水道光熱費・・・40,000円 人件費・・・・・320,000円 (勤務柔道整復師200,000円、受付120,000円) 材料費・・・・・30,000円 諸経費・・・・・50,000円 |
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残金 | 56,320円+機能訓練教室295,200円=351,520円 |
健康保険料、労災保険料、雇用保険料、退職金積立、電療機器入替積立などを351,520円から算出しないといけないが施術時間外の休み時間や休日の有効利用を積極的に行うと経営的には相当楽になる。
ただ、施術所の構造設置基準における「専用の施術室」で自費での機能訓練教室の開催が可能なのかの確認も必要である。
柔道整復師法のみならず、医療法における基準もあり、法令で定められた基準のほか、保健所で定める指導基準もあるので注意が必要である。
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