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これだけは知っておいて【第88回:原 健 元日整会長が我々に託した「5つの課題」】

これだけは知っておいて 特集

明治国際医療大学 教授
長尾淳彦

2002年、WHO(世界保健機関)総会で当時の日整原健(はら たけし)会長が「柔道整復」について発表し、「Judotherapy」を世界が認知してから20年が経とうとしている。

当時、原会長は柔道整復を世界に広めるには、そして、日本で盤石な地位を築くのには下記の「5つの課題」を挙げられている。

  1. 日本の医療体系の中での柔道整復の位置づけについての検証
  2. 柔道整復の安全性についての検証
  3. 臨床研究と治療過程についてのプロトコル:臨床データの収集
  4. 施術提供者が教育を受けその水準を維持しているかの検証
  5. 治療効果について他の医療との費用対効果の検証

上記の課題について

  1. スポーツ大会や災害時は「医療関係者」としていろんなボランティア活動に参画出来る。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症時の「医療従事者」の中に柔道整復師は入っていません。きちんとした位置づけを関係省庁と業界全体で行なわなくてはならない。
    「医業類似行為者」の分類でも「法的な資格制度のある医業類似行為者」「法的な資格制度のない医業類似行為者」が一般に知られているが「医業類似行為者」という「まやかしもの」のような名称は改称するように働きかけなければならない。
  2. 様々な「安全性」について業界としてガイドラインを示さなければならない。
  3. プロトコル:外傷に対してステージ別に標準治療が定められており、その定められた標準治療法のことをいう。「いつでもどこでもどなたでも」が平準された柔道整復を受けられる環境を整備しなければならない。
  4. 資格を取得した後の知識や技術のグレードアップを常に念頭に置き学習しなければならない。
  5. 正しいプロトコルにより、治療内容や治癒過程などを検証し経済的比較をして柔道整復の優位性を示さなければならない。
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