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調査票の実態【第13回:4課長通知は受診抑制ではない!】

特集 調査票の実態

本ページにおける「調査票の実態」では、様々な受診者調査手法を解説しております。 保険者によって行われる同法は、受診者調査・受療調査・アンケート・受診照会などなど呼ばれておりますが厚生労働省保険者向け通知である例の4課長通知(平成24年3月)における目的は、民間調査業者である返戻屋の営利追及保護ではなく、柔道整復の受診抑制でもありません。
その骨子は

  1. 被保険者等に対する柔整療養費の医療通知の実施の徹底
  2. 多部位、長期又は頻度が高い施術を受けた被保険者等への調査
  3. 保険適用外の施術に対しての被保険者等への周知徹底
  4. 外部委託及び返戻の留意事項

であり、保険者サイドにおける適正化(柔道整復師サイドの適正化は主に実施され済みであることも踏まえて)として通知発令されました。しかし実際の柔道整復現場では、明らかに行き過ぎた調査や返戻が横行することとなり、1年後(平成25年3月)に厚労省事務連絡が発出され、保険者サイドにおける適正化とは、「被保険者及び施術所等の負担の軽減」、「支給決定までの迅速化」及び「手続きの公平さ」であることを再掲しています。

これらを踏まえて今回の照会文書記載内容をご覧になって読者の皆様は、どのように思われるでしょうか?回答は、受診者本人に限られ当該の柔道整復師の先生への相談すら否定がなされているような記述が示されています。(柔道整復師による記載は拒まれ、理由を問わず柔道整復師への記載依頼までをも“禁止”されています。)

平成11年10月20日厚労省保険局保険課保険課長補佐通知(内翰)では、患者等が回答を行うにあたって、柔道整復師に問い合わせることは差し支えなく、これを否定するような表現も適切でない。と明示されています。
平成25年6月に厚労省担当者より、「被保険者からの回答が無いことを理由に返戻や、それを以って不支給にすることはよろしくないと考えている。」
平成25年11月22日の厚労省事務連絡では、「健康保険がつかえません・原則全額自己負担などの表現は適当でないと考えられる。」とあります。

では、今回の記載である「施術費を負担しないことがあります」は該当しないのでしょうか?

領収書(正しくは「領収証」)については、平成22年6月30日厚労省保険局医療課事務連絡において、患者本人から不要の申し出があった場合には領収証の発行義務は免除されると定められています。領収書や施術録・問診票(予診票など)の写しの提出、或いは同意書の提出までをも求められていますが、これではまるで柔道整復の受診は不適正だと言わんばかりです。損傷の程度によっては、医師に準じた応急手当までをも許された柔道整復受診について、これほどまでもの手順を経なければ申請書の正当性が見出せないとの強権的保険者判断の現れなのでしょうか。

施術内容回答書(資料2枚目)では、質問の1.は容易に回答できます。

ですが、質問2.は①~⑨までの中から選択することになっていますが、どの選択肢も受診動機として認められない記載ばかりです。結局、受診の根拠となった急性又は亜急性の外傷性の原因記載を求められることになります。柔道整復師は初検時相談支援として、負傷や損傷に至った機序等を説明することにより対価が得らえることになりますが、その内容は必ずしも負傷原因に限る必要はなく日常生活における諸注意や施術方法の説明などでも良いことから、負傷や損傷に至る機序について、すべての受診者が十分な理解を得ているわけではありません。

例えば、齲歯(虫歯)受療者がその原因となるであろうミュータンス菌等について、正確に把握しておられるのか?或いは単純な感冒症状の受療者が、その原因となるウイルスや細菌について、具体的な感染経路や感染機序を把握しておられるのか?4課長通知で示される保険者サイドの適正化とは、被保険者に柔道整復を正しく認識せしめ且つ疑わしい請求例について受診者照会を行い、疑義ある場合には当該の柔道整復師にも問い合わせを行い疑義の早期解消に努めることであるはずです。

柔道整復師の先生方も、必要かつ妥当な判断により適正な治療と算定を旨として適正な柔道整復を実践する必要がございます。保険者においては、被保険者・被扶養者である加入者の柔道整復に係る健康管理の必要性を理解され、両者が歩み寄りを行うことにより本来の国民保護が担保できることになる筈です。

保険者におかれては、柔道整復療養費特例受領委任が80年もの長きにわたり認可され続けている理由をもとにした適正化対策を!
柔道整復師の先生方は、社会的信頼を基本として受領委任取扱いが許されている経緯を!

それぞれ十分に理解され、柔道整復レベルでの国民健康保持増進に向けて、相協力した対応を願ってやみません。

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