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ご高診願い・紹介状の書き方について【第7回:医師への対診・紹介例⑦】

ご高診願い・紹介状の書き方について 特集

§ ○○クリニック △△先生 ご侍史

患者:64歳 男性
自家農園で収穫作業中に腰部の捻転を生じて負傷されました。
甚だしい腰部疼痛は軽減致しましたが、下肢のシビレ症状や腱反射の消失を認めておりご指導を賜りたく存じます。宜しくお願い申し上げます。
(糖尿病を有しておられ比較的高血糖が継続しているとのことでございます。)

MRI検査にて第4・5腰椎椎間板ヘルニアを認めます。これによる第5腰神経、第1仙骨神経麻痺を認めます。手術療法をすすめました。糖尿病性の場合には、腱反射の低下は両側性が多いように思います。

§ 医療法人△△会 ○○病院 整形外科部長 ○○先生ご侍史

患者:35歳 女性
家族介護を続けておられ、起床動作介助の際左手首を捻って以来、同部の疼痛及び同側上肢のシビレと前腕伸筋部中央に腫瘤状の腫脹を認めております。柔整加療にて介護動作可能となりましたがシビレ症状が残存致しております。
ご高診賜わりますようお願い申し上げます。

左手関節炎及びガングリオン、頚肩腕症候群
成長期における骨折のためか尺骨茎状突起の変形を認めますが、来院時、症状は軽減されており本人の話より上記病名の可能性を考えます。経過観察させていただきます。

§ 県立△△病院 整形外科医長 ○○先生

患者:63歳 女性
孫と数回、滑り台で遊戯された翌日、殿部と腰部の疼痛を自覚し来院されました。
腰部の疼痛状況から骨損傷を疑います。ご指導宜しくお願い致します。

L1圧迫骨折
先生のご指摘通り骨折がありました。椎体高は5ミリ程度の減少でダーメンコルセットによる治療でよいと思います。コルセットできあがりまで自宅での安静臥床を指示しております。ご紹介ありがとうございました。

§ 医療法人△△会 ○○病院 心臓血管外科 □□先生 御机下

患者:65歳 男性
路上歩行中に足元が滑り膝関節を負傷されました。同負傷による症状は好転いたしておりますが下腿全体に静脈瘤様症状と浮腫が見られます。どうか宜しくお願いいたします。

下腿の浮腫は静脈瘤によるものと考えられます。比較的重症の静脈瘤を認めますので通院 による静脈硬化療法をすすめ了解されましたので、当科にて治療を開始いたします。遠方にもかかわりませず、ご紹介誠にありがとうございました。

§ ○○県立病院 整形外科 外来担当医殿

患者:38歳 女性
自動車のドアに指を挟み負傷されました。爪下血腫、指全体の腫脹から強度の内出血や骨折を案じております。ご高診いただきますようよろしくお願い申し上げます。

いつもお世話になります。爪下血腫は非常に高度なため3カ所の穴をあけドレナージして、しばらくはシーネ固定としました。骨折は否定的です。症状が安定すれば貴院での治療をしていただくよう指示しております。今後ともよろしくお願い致します。

§ △△病院 整形外科部長 ○○先生ご侍史

患者:17歳 男性
バイク走行中に転倒し左肩を強打され負傷いたしました。数日間自宅にて様子を見られてからの来院ですが、鎖骨外端部で骨折を愚考いたします。ご指導賜りたくお願い致します。

鎖骨遠位端骨折により当科で手術させていただきます。できればもう少し早く紹介いただいた方が幸いです。

最後の例は、受診者が負傷から数日を経て柔道整復師を受診されていることがうかがえます。
ですが医科の担当医は、もう少し早く紹介を望む返信をされています。依頼文とは言えこのような齟齬を生じる場合があるようです。簡潔明瞭に誠意を込めた文面作成が大切です。

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