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(社)福島県整骨師会平成25年度後期研修会

2013/12/16

平成25年11月23・24日の両日、郡山ビューホテルアネックスにおいて、(社)福島県整骨師会平成25年度後期研修会が開催された。
1日目の23日は、午後3時から保険研修会が開かれ、(社)福島県整骨師会保険部長・村上英一氏が「保険請求に関して」と題し研修を行った。
続いて4時から国民健康保険中央会顧問・田中一哉氏が「柔整業界の現状に思う」と題して講演を行った。

 

講演の前に遠藤会長から〝柔整保険の取り扱いに対して保険者は、今までになく厳しい目で見てきております。何故このようになったのでしょうか?今後のことを立て直すには、保険取扱いの範囲、基本的な問題が多々ありますが、中味を振り返ることも非常に大切です。柔整師は国民・県民に必要とされているのか、今後また必要とされていくのか、柔整師医療として医療の中に必要とされるのか、また保険者は我々柔整師をどのように見ているのか、しっかりと見つめていかなければなりません。会の組織も見つめ直さなければいけない。一人一人、自己を見つめ直さなければならない〟等挨拶し、講師の紹介を行った。

 

田中一哉氏は〝柔整業界の現状を私なりに思っていること、医療保険者の世界が如何なっているのか、非常に大きな問題が背景にあるということを話したい〟として本論に入り、〝私は30数年業界のことに携わってきた経緯がありますが、いろんな課題・問題点というのはこの10年あまり変わらない。変わっていないということは解決していないということにもつながる訳で、皆さん方の業界の人たちが、動いているとしても動いていないとしても良い方向に動いているのであれば、それはそれで良いがどうもそうではないんじゃないかという気がして仕方がない〟と述べ、その問題点と解決に向けての考えを示した。

〝「養成校の急増により質の低下を招いている」という問題については、教官の質の確保と研修体制をしっかり構築することによって、業界の評価に繋がってくる。「医療保険者の信頼が失われている」ことについて、健保組合、今は市町村国保も患者調査を義務的にやり始めているところに異常性を感じる。例えば回数制限等の問題に対し、実態は違う、現実にはそうではないと検証できるものをキチンと作り上げて、変えていく努力をしなければならない。これは出来ると思いますし、施術範囲だって出来ると思っています。ある時、医療課長に柔整の施術範囲というのは変えなければ駄目だ、実態とあっていないじゃないかという話をしましたが、その通りだと思う、どんな風に変えたらいいかを教えて欲しいと言われました。行政自らがそういうことはやらない。皆さん方のほうでやっていく。保険者との関係は、全国レベルでものを考えないで、県レベルで身近なところの保険者、県内の市町村国保の組織、組合健保の県連合の人達、或いは協会けんぽの方達と日常的に情報交換を行う場を持って、お互いのことが分かり合える世界を全国に作る。日本の国民皆保険制度を支えている社会保険制度、医療保険制度の財源はみんなの保険料、被保険者から保険料を徴収して運営しています。社会保険の基本原則は、保険者は自立するということです。健保組合は、健康な20代から50代位の人しか雇いません。病気になったら退職します。そういう健全財政を保障されながら行っています。一方、国民健康保険は市町村に住所を有する人は全部国保に入る。除外規定で被用者保険に入っている人は除くとある。要するに国保は被用者を選べず、自立できない組織で、これが国民皆保険のベースになっています。若い人が多くお年寄りが少ない社会であれば、どうってことはなかったが逆三角形の様になってくると、国保はもたなくなる訳です。国の財政も厳しいからお互い保険者同士が何とか助けあえないだろうかとして、昭和58年に老人保健制度を作ったが、保険者は自立するという社会保険の原理をあの時点で崩してしまった。しかも先行きの見通しがないからと作ったのが後期高齢者医療制度と前期高齢者医療制度で、ちっとも楽になっていないし、これから先の見通しも分かっていない。健保組合にしてみると、何がなんでも自立していくためには、結局、自分のところに流れてきたレセプトを点検する以外にない。本来は、医療費40兆円の中の5千億円はなんていうことは無いがそこをやらなければいけないくらい大変になっているのが健保組合です。保険者はそういう財政状況にある訳で、決して保険者が悪い訳でも皆さん方が悪い訳でもない。結局そういった状況を何時の間にか作ってきた。従って実態をキチッと把握して、医療保険者の方々と折衝される場合には、保険者の立場を理解して話をされると何らかの道が生れてくるかもしれません。 日本の医療体系の中、しかも高齢者が増え続ける地域社会の中で、貴方達の存在というのは地元にとって非常に大事、医療保険者にとっても非常に大事、いつも言うことですが、自分の住んでいる地域の人たちの顔が見え、家庭が見え、人間関係をキチッと構築すること、人間としての魅力をしっかり持つことです。もう1つ、厳しい言い方ですが、柔整師という職業はそんなに儲かる仕事だと思いません。地域の方々から「先生有難う!」の言葉、これが何事にも替えがたい財産だと思います〟と結んだ。

 

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