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これだけは知っておいて【第44回:柔道整復師の運動療法について】

2018/09/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

柔道整復師の運動療法について
(柔整運動療法、柔整機能回復療法、柔整運動後療法)

骨折・不全骨折・脱臼における治療は、整復・固定を行い、一定期間の安静を要す。
その間、関節は動かさないので筋肉は痩せ筋力は低下する。それに伴い、関節の動きも協調性や巧緻性を失いスムーズな関節運動は行えない。折れた骨が付いても外れた関節が整復されても、健常であった本来の機能に回復しないと日常生活への早期復帰も出来ない。再発のリスクも高まる。

柔道整復師の骨折・不全骨折・脱臼における機能の回復療法は、柔整治療の特徴である一人の柔道整復師が患者の初検から治癒に至るまで診るという一貫的治療の特色を活かしている。

患部の状態を見て触って動かして現状に即して漸進的かつ計画的に行ってきたという実績と経験がある。

単に筋力強化のための器具や機器だけに頼ることなく、患者個々の状態に合わせた「徒手による関節可動域の獲得」、「徒手抵抗運動による筋力強化」、「徒手による多関節同時運動」などオーバーロード、特異性、可逆性、適時性等のトレーニングの原理原則に沿って、筋収縮の様式(isotonic contraction 等張性筋収縮(concentric contraction 短縮性筋収縮、 eccentric contraction 伸張性筋収縮)、isometric contraction 等尺性筋収縮)も考慮して行ってきた。
(器具や機器不要論ではなく柔道整復師の手による機能の回復も重要であるということ)

患者安全の観点から治療を行っていく上でその方針やリスクにおいても対面で一貫的という特徴を活かして患者への指導が出来る特徴がある。

また、整復後の固定材料についても、早期の機能の回復が出来るように患部の状況・状態把握と交換しやすいように出来る限り低コストの材料であるのも柔整治療の特徴である。

柔道整復師の機能の回復療法は、病院などで行われているチーム医療体制でのリハビリテーションや運動療法とは異なる一対一で最初から最後まで管理ができる柔道整復術の独自性を活かした機能の回復体制である。

 

柔道整復師の治療(機能の回復療法)の特徴
1.
一人の柔道整復師が一人の患者を初検から治癒に至るまで診る一貫性治療である。
2.
常に一対一で行う対面による治療である。
3.
常に対面による治療であるから患部の機能の回復度の進捗状態を常に把握出来る。
4.
常に対面による治療であるからリスクのマネージメントがきめ細かく出来る。
5.
信頼関係の構築により患者のモチベーションが向上する。
6.
柔道整復術の歴史的背景の中から生み出された「独自性」がある。
(長期のキャスト固定で放置するのでなく固定装具を工夫して患部の状況・状態を常に把握(色・腫れ等)し、血行循環障害や変形骨癒合などのリスクを管理できる。骨折固定時の固定具内部に綿花や簾を材料とし血行循環確保するカナル療法などはその典型。)
7.
材料など低コストであるが機能的である。

 

柔道整復師の運動療法(機能の回復療法)は整形外科分野における理学療法士等が行う「運動療法」と同一ではない。「独自性」を持ち柔道整復術に則した機能の回復療法である。

前述した骨折・不全骨折・脱臼における低コストで機能的な固定装具は機能の回復療法を行う上で一人の柔道整復師が一人の患者を初検から治癒に至るまで診る一貫的治療であるがゆえに出来ることである。常に一対一で行う対面による治療であるから出来ることである。柔道整復師の長い年月の中から培われた「オーダーメイド」「独自性」ある柔道整復術治療環境の下で行われる療法である。

 

 

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