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これだけは知っておいて
【第53回:柔道整復師の学術大会での上手な発表の仕方とルール】

2019/06/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

日本柔道整復接骨医学会学術大会や日本柔道整復師会の各地区学術大会、都道府県社団の学術大会での発表が盛んに行われています。

日本柔道整復接骨医学会学術大会の口頭発表時間は8分間、質問時間2分間の合計10分間です。
日本柔道整復師会の学術大会発表時間もおおむね10分間です。

1年間かけて準備をした成果の過程を含めて10分間前後でまとめるのは大変な作業です。

 

1. 起承転結をメリハリつけて構成する

「何を伝えたい、何が言いたい」を明確にする。
発表タイトルと発表内容がマッチしないことの無いように大学や養成施設の先生や発表慣れしている人等、いろんな人の目を通して構成することを勧めます。

 

2. スライドはシンプルに

文字がびっしりと詰まったスライドはフロアの聴衆にとって読みづらく、読んでいる途中に次のスライドに移り理解されない場合があります。
抄録集に書かれていることを丸写しにしたスライドを棒読みするのではなく、スライドも「何を伝えたい、何が言いたい」を明確にするとよい。
スライド1枚あたり8行を目安に作成されることを勧めます。

 

3. 時間厳守

発表の制限時間を守れない人が多い。一人の発表の1分延長は大したことはありませんが人数が多いほど後ろ倒しとなり最終的に大幅な遅延を招きます。
発表時間の厳守はもちろんのこと、会場入りも発表予定時間の10分前までを厳守。

 

その他
論文の同時投稿、二重投稿はダメ

学術界には「同一論文を2つ以上のジャーナルに投稿してはならない」というルールがあります。同一論文の重複投稿だけでなく、研究の内容が酷似していたり、研究成果を巧妙に複数に分けて発表するサラミ法も厳密にいうと重複投稿違反です。

なぜ、同時投稿、二重投稿はダメなのかは、学術誌は同分野の査読者により厳しく審査された論文を掲載するというステータスがあります。もし、既に他の学術誌に紹介された論文を掲載するようなことになれば後掲載の学術誌の審査過程についての信頼が崩れます。
また、論文の出版権という観点からも論文を投稿してアクセプトされた時点で掲載学術誌の独占的な出版権を認めたと見なされます。論文の著作権は著者に帰属しますが出版権は学術誌にあります。こうした法的問題をふくんでいますので十分注意をしてください。

 
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