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これだけは知っておいて 【第70回:柔道整復師と骨折・脱臼の整復固定と超音波観察装置】

2020/12/01

明治国際医療大学 教授 長尾淳彦

柔道整復師の業としての神髄は、非観血的に骨折・脱臼の整復固定が出来るということです。

今から100年前の1920年柔道整復術が公認されたのは、「柔道整復師は骨折・脱臼の整復固定治療が出来る」「柔道整復師はきちんと治す」「柔道整復師は不正をしない」という柔道整復師という職業に対しての国民の信用と信頼があったからです。時代の変化に対応し、柔道整復師としての原点回帰をすべき時期として認識しております。

鑑別的に手術しなくてもよい骨折・脱臼の治療は自宅近くの通いやすい「接骨院」が患者さんの選択肢の一つにならなければなりません。

そのためには、確かな鑑別の能力、骨折・脱臼の整復固定の技術を持ち合わせていなければなりません。

柔道整復師の施術現場における超音波観察については、平成15年9月9日に厚生労働省医政局医事課長通知が「柔道整復師が施術に関わる判断の参考とする超音波検査については、柔道整復の業務の中で行われることもある」との見解を出しました。
また、平成22年12月15日の厚生労働省医政局医事課事務連絡でも「柔道整復師が施術に関わる判断の参考とする超音波検査は施術所で実施しても関係法令に反するものではない」ことが示されております。

平成30年4月からの柔道整復師学校養成施設カリキュラムの一つに、「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」があります。2単位30時間を使い、柔道整復術の適応で得た知識を活用し、臨床所見から判断して施術に適するケガと適さないケガを的確に判断できる能力を身に付け、また、安全に柔道整復術を提供するために医用画像を理解するためのカリキュラムです。

施術に適するケガと適さないケガを的確にきちんと判断できる能力が身に付けば、適さないケガに関しては適切な対応すなわちそのケガに適した医療機関への紹介が行えます。

柔道整復師が患者を診る上では、医療面接(問診)、視診、触診そして徒手検査法等を駆使して、病態の把握と治療計画を組み立てます。超音波観察装置(以下、エコー装置)の使用はその組み立ての補助手段です。すべて「患者安全」「医療安全」の観点からのものであります。

公益社団法人日本柔道整復師会では、「柔道整復師のエコー装置使用時のガイドライン」や「薬機法の承認を得ていないエコー装置の使用について(注意喚起)」などについても以前より「患者安全」「医療安全」の意味合いから発信しております。

学術団体との協調 認定制度として一般社団法人日本柔道整復接骨医学会では今後、「患者安全」「医療安全」の観点で研究発表が行われ、柔道整復師がエコー装置取扱い時のガイドラインやエコー装置の取扱いの施術所認定制度も視野に入れての活動が行われます。

また、柔道整復師や大学教員らの会員で構成されている一般社団法人日本超音波骨軟組織学会でも「患者安全」「医療安全」のためのエコー装置使用活動を行っています。

柔道整復師のエコー装置については、現在、療養費等保険点数の加算はありませんが将来的には「認定」された施術所や施術管理者には加算出来るようにしたいと思っています。

そのためには、徹底的な法令を遵守した取扱いが大切です。

前述したように柔道整復師の施術を行う上での基本である医療面接(問診)、視診、触診そして徒手検査法等を駆使して、病態の把握と治療計画を組み立てること。そこに鑑別や治療の進捗の補助となるエコー装置による検査を導入すれば、より信頼性の高まる治療が出来ると思います。

柔道整復師業界の4団体(全国柔道整復学校協会、柔道整復研修試験財団、日本柔道整復接骨医学会、日本柔道整復師会)が「患者安全」「医療安全」という同じベクトルでその確立に向かっています。この機を逃して柔道整復師業界の「改革」「適正化」は無いと思います。正しいルールの中で「安心安全な柔道整復術」「療養費受領委任の取扱い」が行われなければなりません。

まず、柔道整復師として骨折・脱臼の治療における基本がきちんと出来ることを最優先に考えるべきです。

 

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