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これだけは知っておいて
【第75回:ICTなど知らない.わからないでは済まされない柔道整復師業界】

2021/06/01

明治国際医療大学 教授 長尾淳彦

PC、スマホ、iPadなどの一般的なインターネット環境はコロナ禍以前より普及してきたが最近はテレワークやキャッシュレス化などスマート社会の推進によりすごい勢いで形になってきている。特にスマホは24時間どこにでも持ち歩ける情報端末となりました。

病院、医院、歯科医院、薬局など医療分野では予約や処方も遠隔的に出来るようになってさらにその利便性と確実性が確保されてきている。AIが発達してくるとさらにその傾向は著明となる。

しかし、今回の高齢者に対してのワクチン接種の予約や確認方法の理解不足やシステム不備、東京や大阪という大都市で接種会場の電車や徒歩による事前確認などTVで映し出される光景は全く一般にはインターネット環境は普及浸透していない。

スマホを情報端末として最大限に有効利用している層とスマホは電話通話機能だけの層の格差がとんでもなく広がっている。ほんの少しの最大限に有効利用している層と大半が単なる電話通話機能だけを使う層ともいえる。

今後、医療情報のデータだけでなく、社会や生活に含まれる様々なデータがビッグデータとして分析、処理されていくことで生活を管理して人の健康をサポートしようという社会となってくるでしょう。

柔道整復師の我々はというとインターネット環境も整備されていないところが多く、おおよそ、世の中の流れとマッチ出来ていません。

これからの柔道整復師業界も医療や健康だけという視点でなく社会をイノベーションするという視点に立つことがスマート社会の一員として柔道整復師となることが大切だと思います。

特に5Gが汎用すると大量のデータがオンラインでつながりデータ同士がリンクすることでデジタルな世界が構築され健康管理ですらデジタル上で完結出来るようになります。

世の中の流れは、百貨店も小売店などもどの商品もサービスも様々な方法でオンラインショッピング出来る環境にシフトされています。あえて、従来通りのオフラインでつながる柔道整復や鍼灸、あん摩マッサージ指圧の施術所が今後も選ばれるのかもよく業界全体で考えなくてはなりません。

柔道整復施術所において患者さんに対してオンライン上で出来ること
  • 予約
  • 問診票(予診票):負傷年月日、発生機序、痛めた部位、様々な履歴
  • Webカメラなどによる問診や視診、動きの観察
柔道整復施術所において患者さんに対してオフラインでないと出来ないこと
  • 触診
  • 理学的徒手検査
  • 治療計画や確認の意味においての超音波観察装置取扱い
  • 骨折、脱臼においては整復固定
  • 捻挫、打撲、挫傷において、固定や電気治療など

これすら本当にオフラインでないと出来ないなんて決めつけられません。
AI(人工知能)、VR(Virtual Reality:仮想現実)が柔道整復師業界に必要ないなんて言っていると世の中から必要のない業界となります。

VRを利用しての整復操作や固定技術など柔道整復の授業や研修で行われてくるでしょう。

極力、出来ること行えることを試行錯誤しながら始めていかないと本当に取り残される業界となる。世の中の流れは私たちが考えているよりも明らかに早い。

 

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