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全国柔道整復師連合会 田中威勢夫会長から新年の挨拶が届く!

2014/01/16

社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会の委員でもある、全国柔道整復師連合会の田中威勢夫会長から、全国の柔道整復師に向けた新年の挨拶が届いた。田中威勢夫会長の業界に対する熱い想いがひしひしと伝わってくる内容となっている。

田中威勢夫会長

全国柔道整復師連合会 会長  田中 威勢夫

皆様、新年あけましておめでとうございます。

今年も皆様方のご発展と連合会の活動を祈念しつつ新しい年に向けた御挨拶をさせていただきます。

まずは、発端の話からになりまして恐縮ですが、柔道整復師の制度は、昭和11年の協定から始まった制度です。その後、変わることも変えることもなく、時代だけが先に進んでいったため、今や時代に取り残されて制度疲労ともいうべき事態を迎えていると思えてなりません。

時代は変わります、歓呼の声で迎えられた民主党への政権交代がひと時の夢であったかのように、自民・公明両党の政権奪取となりました。この状況において、私たち整復師会が取り組むべき問題は何か、新年にあたって、そこから話をさせていただきます。

 

まず第一に、保険請求に関して、近年、不正請求問題などがマスコミ等で取り沙汰されていますが、その起因というべき「傷病名問題」を解決しなくてはいけない、という思いを強くしています。

柔道整復師法に傷病名が全く記載されていないにも関わらず、なぜ療養費の支給基準が「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」に限定されてしまったのか、その原因や理由に言及すれば、昭和45年に柔道整復師法が提案された時の趣旨説明の中に、「骨折・脱臼・打撲・捻挫等」という文言が入っていることから始まっています。これが今の療養費の支給基準として、そのまま使われてしまっている、ということが全ての原因です。

この基準が今の時代と合っていないという問題があり、そしてこの問題は、柔道整復師の行為が医行為であるのか、というところにも行き着きます。柔道整復師の行為に関しては、「医業類似行為」であると規定する一部の解釈もあるようですので、まずは、行為の規定についての議論をしながら、しっかりした共通の認識を持つ必要があると思います。

 

我々の業界が一つになり、この、「<医行為>か<医業類似行為>かの問題」、さらには「非現実的な傷病名限定問題」を徹底的に議論し統一した見解にまでまとめ上げ、業界全体として交渉する力や態勢を持つことができれば、行政や政治も動かせると思います。

冒頭に記しましたように、政治状況の変化は、行政上の改革の大きなきっかけとなります。

現在、柔道整復術の対象傷病名は、いわゆる「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」という内容に保険請求上では定められていますが、例えば「腱鞘炎」や「変形性関節症」なども、実際には治療をしています。ただ、保険請求する上で傷病名を変えて出さなければならない訳です。この問題を解決するためには、今の制度を変えなければなりません。傷病名の限定がおかしなものであるからこそ、〝不正請求〟とされるわけです。傷病名問題だけではなく、根本的な問題の解決をはからなければ、この業界の先は見えてこないということです。

これを解決するには、保険請求のために傷病名をどう変えるか、という短絡的な話でなく、そもそも「柔道整復師法」には業務制限(第四章「業務」第十五条・第十六条・第十七条)しかないのです。5つの傷病名に限られるというのも、健康保険での取り扱い上で規定されているだけであり、柔道整復師法の制限とは矛盾しているのです。同じ傷病が、自由診療ならよくて、なぜ健康保険では扱うことができないのか。5つの傷病名に無理やり当てはめるのではなく、柔道整復師法に添った傷病名で診断し、それを健康保険でも取り扱えるように、規制の方を変えていくことで、未来が見えてくるのではないでしょうか。

これから協議する中では、いろいろ案が出てくると思います。もちろん、何でもやっていいという意味ではありません。細かく協議していくことが大事です。

 

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