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ビッグインタビュー:帯津三敬塾クリニック院長 板村論子氏

2014/06/01

―統合医療はエコであると皆さん言われておりますし、医療費を削減するとも広言されていらっしゃいますが、それは本当でしょうか?保険財政上とても良い医療であると思いますが、反面国民の自己負担は大きいのではないでしょうか?

自然に治癒するほうに目を向けてみると、過剰に投与されている医薬品が予想以上にたくさんあるのです。やはりそういうことから考えると、患者さんや病気の人の意識を変えていくことは重要です。なんでもかんでも病院にかかるのではなく、これくらいは自分で出来るんじゃないかと、病院に行く前にもっと別の方法があるんじゃないかと。直ぐに大病院に行って検査という考え方ではなく、もっと他に違う道筋があるのではないかということを示すのも統合医療です。統合医療を推進すると無駄な医療費はかなり削減できると思います。受け手にとってこういう選択肢があるということを統合医療学会は教育と啓蒙活動を行って、みんなに分っていただかないといけないと思います。

しかも、薬しか出せないという今の医療を変えていけたら、医師のほうも楽になります。例えばホメオパシーを行うことは薬を削減する方法でもあるのです。もうこれ以上の手段は無いということではなく、他にも手段があるという多様性があることで、選択肢が拡がる訳です。おそらく、今後の医療というのは個別性と多様性が重要なテーマになっていくと思います。勿論拡がっただけではダメで、その中から何を選択するかという教育が伴わなければなりません。統合医療のシステムの中で、治療を提供する側が先ず身につけないといけないため、結構大変な医療だと思いますし、やはり患者さん、受け手の人もある程度知らないといけない。それも統合医療学会が指導していかなければと皆さん考えていると思います。

地域医療のスタンスでは、国民の意識も変えていかなければならないということもあります。なんでもかんでも大病院に行って薬をもらって、極端に薬漬けの高齢者も問題となっています。もっとそうではなく、例えばヨーガをやることによって、薬が幾つか減ったり、食事を変えるだけで変わったとか、食を考えるという視点だけでも随分変わるんですね。あれをしろこれをしろと言わなくても食品に注目したり、食事は大切なんだと思うだけで医療費が変わると思います。とにかく食事と睡眠は重要で、睡眠が如何に大切かと思うだけで、自分でうつ病と思っていた人がうつ病じゃなかったりすることもある訳です。自分たちが直ぐ出来ることを〝みんな一緒に参加しましょう〟と言って医療をやっていくと当然エコになると思います。

 

―脂質とフットケミカルについてもご教授ください。また、色どりよく食べる意味についてもお願いします。

簡単に話すことは中々難しいことですが、酸素というのは体内で1~5%活性酸素に変換されます。活性酸素は免疫に関係していて必要だけれども、鉄が錆びるように過剰な状態になると酸化ストレスとなります。酸化ストレスがすすむと、いろんな遺伝子を傷つけたり、糖や脂質を酸化して炎症が進んだり体に不都合なことが起こってきます。体の中では、炎症がいろいろな病気の原因になることから、炎症に結び付く酸化ストレスの状態にならないためにも抗酸化が必要になるのです。色のある食べ物にその働きがあることが分ってきました。色があるということは元々日光に対しての防御があるため、抗酸化作用が強いことや逆に酸化しているモノを口の中から摂ると、それが刺激になってまた炎症を進行させてしまう。従って酸化しているモノを摂らないようにする、脂質の中でも酸化されやすい多価不飽和脂肪酸やトラン酸脂肪酸を摂らないようにしようということです。しかも多価不飽和脂質酸にはいろんな働きがあって、炎症を促進させる作用があるものと炎症を抑えるほうの作用があるものが2通りあります。今よく言われているオメガ3とかオメガ6です。オメガ6は炎症を促進させるから、急性期には良い。つまり、感染症の急性期は炎症が起こって治っていきます。ところが炎症が慢性になってくると病気の原因となっていくのです。その炎症を抑制するのがオメガ3のほうです。従って、体の中に入ってオメガ3とオメガ6がどのように働くかを理解して油の摂り方を考えたり、或いは酸化された油を摂ることは炎症のほうに進むというような、ちょっとややこしいんですが考えるというのが大切です。

実は、『続 かしこく食べる!』のシリーズをやる予定です。場所は、新宿ファーストウェストという所で、8月30日に川嶋みどり先生、そのあと10月4日に小山悠子先生で、私は11月1日に「色どりで食を考える」を開く予定です。3人3様で、前回は時間が短かったんですが、2回目は持ち時間2時間ずつで私も簡単なドレッシングの作り方などをお話しできればと思っています。女性の会の今年のメインイベントですので、よかったらいらしてみてください。

 

―最後に、柔道整復師(古来より骨接ぎ・接骨院の先生として親しまれてきました)は、高度診断機器、薬物を用いることなく医療先進国、日本で非医師として尚存在し続けており、その事から柔道整復学は世界的に多くの人々を救い得る有用な学問となる可能性を秘めております。更に「国際化」の可能性も大きいと思います。西洋医のみが医師で医療行為を行なうとする時代は過ぎ、伝統・相補、代替医療の一つとして、柔道整復は保険医療分野の改革に更に貢献が期待されます。柔道整復は、日本で歴史的に十分貢献してきましたが、現在、標準化されていないなど、いくつかの問題も抱えています。医学的な根拠とは異なりますが、国民のニーズが存在している現実があり、制度上の問題点を突いて柔道整復を見るのではなく、柔道整復が存在してきた事実から、もう一度見つめなおしてみることで、パンク間近といわれている医療経済の危機的状況を救える部分のある医療として大事な役割を持っているのではないかと考えますが、板村先生から見て、柔道整復(伝統・民族医学)は、今後どのように活用されていくべきであると思いますか?

運動器のリハビリの考え方というのはとても重要だと思うんですね。年をとった方が専門の人の指導を受けて地域で自分にあったプログラムをやることは予防にもなります。この分野において今後、柔整の方達が関わっている地域医療の中に理学療法士だけではなく、一緒に出来るようになるのが良いですよね。また、どんな医療もそうなんですけど、自分が手におえないなって思う時には、次の段階の先生に紹介する、自分が抱え込まない、それは医師も一緒です。自分の専門外のものを抱え込んだり、ちょっとまずいなって思う時はちゃんと医師に紹介する道筋みたいなものを、しっかり医師と連携していけると良いと思っています。しかも、柔整に行って治る病気も多々あると思うんですね。先程言いましたように"人"を中心に考えると、その人にとって自分はどの部分で関われるかというのを、医療にかかわるそれぞれの職種の人が協働することが必要だと思います。予防医学を行う先生もいらっしゃるけれど、生活の中から予防が生まれる訳で、そこの過程においてもっと様々な医療従事者が関わっても良いと思います。医療の分業化という中で、"人"がより健康に暮らせる、病気を持ちながらよりよく暮らせるためにも、柔整の方達が関わる部分、やはりスペシャリストは、スペシャリストとして何所で関わるのかというのが大切だと思います。"人"を中心とした医療システムである統合医療において柔整の方達の役割がこれからとても重要になるのではないかと思っています。

 

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