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『第3回 上手・適正な保険請求の為のセミナー』開催

2014/07/01

平成26年6月8日(日)に柔道整復師センター(東京都中野区)において、「患者と柔整師の会」主催『第3回 上手・適正な保険請求の為のセミナー』が開催され、所属団体を問わず東京・千葉・埼玉・神奈川などから大勢の柔道整復師が出席した。

最初に司会進行役の森崇史氏より〝本セミナーは保険者からの支払いが厳しい状況になっている中で柔道整復師が適正な請求、活動ができるようにと企画されたもので、団体に所属している方だけではなく、個人請求者も含め150名を超える申し込みがあった。討論会では皆様から忌憚のない意見を賜り、保険者とどのように交渉していくのか検討したい〟と開催にあたっての趣旨や当日の流れ、注意事項などの説明が行なわれた。

 

「患者と柔整師の会」患者代表の今城康夫氏は〝高齢化に伴い医療費が増大し、療養費受領委任払い制度を継続するために今まで以上に適正な請求が求められている。社会的に信頼される診療・保険請求について研修され、今後に生かしていただきたい〟と挨拶を行なった。また〝当会は有効である柔道整復治療を患者が受けやすくなるよう、柔道整復診療制度の改革に取り組んでいる。昨年からは慢性疾患に対する業界統一の施術ガイドラインを作成し、施術内容の明確化を図っている。柔道整復療養費は患者にとって必要な制度。ぜひ自信をもって施術を行なっていただきたい〟と、「患者と柔整師の会」の活動を報告するとともに参加した柔道整復師を激励した。

 

「レセプトの返却防止対策」
社団JB日本接骨師会 専務常任理事・保険部長 諸星眞一氏

諸星氏は〝柔道整復療養費の疑義請求・不正請求がマスコミや国会で取り沙汰されたことは記憶にも新しい。このようなことを無くし、柔道整復師一人ひとりが説明責任を果たし信頼を確立しなければならない。そのためにも施術録・支給申請書を正しく理解して記載することが重要。柔道整復師養成学校は全国で14校であったものが現在では100校以上となった。国家試験対策を重視する養成学校が増え、療養費受領委任払制度・療養費の支給基準については学習しないことも柔道整復師の質の低下を招く一因となっていると考えられる。平成23年12月には社会保障審議会にて、会計検査院から医療費の伸びを上回る療養費の増加を指摘され、療養費の見直しが必要とされた。特に「頻度が高い施術」「3部位以上の施術」「長期にわたる施術」は厚生労働省もシビアに捉えている。患者への聞き取り調査結果でも、患者の言う負傷部位と請求部位が異なる・負傷原因が柔道整復の適用範囲外であるなどの回答が多く得られ、会計検査院は多部位請求の適正化や領収書・明細書の発行、療養費支給申請書施術日記載を義務付けた〟と柔道整復療養費の審査・支払状況が厳しくなってきている背景を解説した。

 

レセプト返戻防止のポイントとして諸星氏は▽予診票、▽レセプト、▽施術録、▽負傷原因、▽来院簿の作成、▽負傷名告知書(確認書)、▽領収書、▽保険者・患者との価値の標準化およびコミュニケーション―の8項目を挙げた。

 

〝予診表には必ず患者に記入してもらい、施術者は筆を入れないこと。負傷原因は「痛みが走った」等抽象的なものではなく、保険者等が読んでも理解でき怪我をした様子がわかるように「いつ・どこで・なにを・どうして・どこを・どのように痛めたのか」を具体的に記載する。経過所見として負傷の程度の変化についても記載しておくことが重要となる。返戻された際、社団JB日本接骨師会では返戻されたレセプト・患者本人自筆の予診表のコピー・施術録のコピー・患者の陳述書等を添付して健康保険組合に提示している。来院簿や負傷名告知書等を作成しておくと、請求した来院日数や負傷名が患者照会結果と異なっていた際に確認できるため記録しておくべき。領収書は、患者が来院日や一部負担金額を把握できるだけでなく、金銭の授受が正しく行なわれたことの証明にもなるため、保険分と保険外分に分けて発行すること。患者の自署は申請書が白紙の状態の時に行なってもらっている現状だが、その理由を患者に説明し、そのうえで施術所内に内容閲覧に関する掲示を行なうなどして周知徹底を図る〟など、返戻されないレセプトの作成方法について具体例も交えて解りやすく解説した。

それでも返戻された請求に関して、諸星氏は〝縦覧点検等、今後ますます審査が厳しくなると思われるが、再請求を諦めてしまうと慢性疾患等を請求しているから再請求してこないのだと保険者に思われてしまう。保険者に誤った認識を与えないためにも、患者の情報を詳細に伝えることを心がけながら堂々と再提出してほしい〟とし、保険者にもよく状況がわかるようなレセプトを作成することの意義を主張した。

 

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