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第21回NPO法人JATAC全国活動報告会を開催!

2016/08/22

田中氏田中氏は〝スポーツには様々な側面があり、するスポーツ・観るスポーツ・支えるスポーツ・育てるスポーツがあり、支えるが我々の活動領域です。滋賀県は8年後に国体と全国大会を控えており、県でもスポーツ課を新設して、県の体協と障害者スポーツ協会が一体となって、パラスポーツにチャレンジしたい人達や支えていく人達を今の人員の5倍化計画を立てています。どこの地域もパラスポーツを支える人材が少ない。

私は第1期でJATACに入りました。1999年に滋賀県の障害者協会に直接出向いて意義を説明して、こういう資格を持ちながらスポーツ医科学を勉強してスポーツのサポートをしていくことを話しました。まず協力員として参加してください、そのためには地域で開催している初級の指導員認定講座を受けるようにと言われ、それを受けて2000年3月に初級スポーツ指導員の認定を受けて障害者スポーツ協会が行っている陸上競技、フライングディスク、水泳、卓球、アーチェリー、夫々の大会に補助係員として参画しました。各大会にドクター派遣はないので、急性の外傷対応については日赤から派遣されている看護師さんと協力しながら救護をしました。パラリンピックは競技スポーツと少し異なり障害者の社会参加の推進、国民の理解を深めるという理念に則り行われていますが、昨今、競技レベルがかなり向上して各県とも競技性がかなり重要視され厳しい選手選考になっています。パラリンピックを担当しているのはジャパラですが、日障協の傘下には視力障害や聴覚障害も含めて63団体あります。(中略)

日本障害者スポーツ協会のHP、今年の3月の時点で指導者の登録者数、各県政令都市で、スポーツドクターが全国で331名、スポーツトレーナーは113名。まだまだ各県0人というところもあり滋賀県も0です。どんどん増やしたいという考えが日障協もあるようです。日障協ではATという名称は使っていません。障害者スポーツトレーナーという公認の養成講座を開いていますが中々ハードルが高い。アスリートの競技力向上へ我々ATの技量そのものを上げていかなければと思いますし、底辺の部分を拡大していく、裾野を広げていくという意味ではATCの増員、活動域を拡大して認知を高めていってもらう。木から森へ繋げていくという意味では、関連業種ドクターやPT、或いは薬剤師など関連職種たちの連携、強化していくような活動が必要だと思います。ATを求めている人や社会がありますので、自らATを売り込んで柔整の独自性、有意性を保ちつつ他の関連職種と共通言語で活動できていくことが必要です。社会への貢献と責任、我々療養費を扱えるという恩恵を受けていますが、だからこそ社会への貢献と還元を目指していかなければと思っています〟等、提言した。

 

蛭間氏蛭間氏は〝長野オリンピックの時に原先生とJATACの事務局長をしており、長野のJATACトレーナーの方達と一緒に1カ月間オリンピックの選手村に入って、一緒にトレーナーとして仕事をさせて頂いた。長野オリンピックは72か国3200人近くの選手役員が参加。選手村には2500人位が滞在し開村の前、23日から閉村される22日までの1か月間大学に休みを頂いて参加しました。全てのチームがトレーナーを連れてきている訳ではありません。トレーナーがいない或いはメディカルスタッフがいない国の方達もいますので、そういう方達に対してサポート、ケアをするということで実はこれは長野オリンピック委員会が特別機関として作ったものの1つでした。

我々が長野オリンピックの選手村で行うのはテーピング、障害外傷のチェック、トリートメント、医師との連携等をメインに行いました。トレーナールームシートを英語で作り、私が確認をして、必要があればメディカルルームに行ってもらうようにしました。実際に選手、コーチ、監督、或いはメデイカルスタッフに対してどういうことをどういう目的で行うのか、実際どういう状況なのかを全部説明してインフォームドコンセントをとった上で、トリートメントに入りました。選手は144名、女性が70名、合計214名。その他スタッフ、役員、合わせて55名。年齢は選手は20歳以下が24名。一番多かったのは21~30歳位、多くの国に利用していただいてカザフスタン、日本、カナダ、アメリカ、スウェーデン、ハンガリーなど、一番多かったのはカザフスタンの24名。種目は、ボブスレー、フィギュアスケート、アイスホッケー、スピードスケート、ノルディック、多くの種目の選手達が来られ、腰背部、肩、大腿等下半身が多かった。アンケートにかける時間がないので簡単な質問のアンケートを行い、満足度、治療、サポートの仕方について実際どうだったかを確認。どの場合でも、ほぼ満足、大満足・満足を合わせると85%~95%を超えている。

私の経験等を踏まえて国際大会におけるAT活動の留意点は、インフォームドコンセントの必要性で世界共通の医療・治療・サポートレベルに基づいて行う。トリートメントシートの作成、言語力、共通言語が英語、必要な単語は覚えたほうが良い。イエス、ノーを明確にする。出来ること、出来ないこと、すること、しないことをしっかり選手、医療の方に伝えることが大切です。我々に出来ることには限界がありますので、メディカルセンターとの協力関係をしっかり得て行っていかなければいけない。また選手以外のサポートメンバーとのコミュニケーションをしっかりとる、選手に対してはどういうことを行っているかを説明し、それによってどういう結果が得られるというコミュニケーションをしっかりとることが重要である〟と締め括った。

 

原氏原氏は〝丁度4年後、パラリンピック・オリンピックにJATACとしてどちらに参加するのか。オリンピックという華やかな世界には出たいけれど、勉強はイヤだというのであれば、それは参加する資格がないとみられても仕様がない。長野は血の滲むような努力をオリンピック前にしました。参加するからには勉強しなければ相手の体を診る資格はないというのが私の信念です。参画までのキーワードとして、TOCOG(東京オリンピック組織委員会の略称)との接触:担当部署の確認、・当会のPR資料の作成、・参加形態:オフィシャル・活動形態:医療・AT・アプローチ:TOCOG組織委員会担当部署・活動方法:競技会場・選手村・選手村外、・ボランティア:登録(18年夏開始)・フィットネスセンター:コンディショニング、・医療棟:救護、治療、コンディショニング、・研修:メディカル・フィジカルチェックの統一等である。

医者もPTも看護師も居るところに柔道整復師が入っていく場所は殆どない。もしやるとしたら、競技会場でしょう。従ってATとして、柔道整復師というバックボーン、医療にたずさわっているATの資格を持っているATだということを前面に出すべきだと思います。競技会場でやるのか、それとも長野みたいに選手村でやりたいのか、もしそこで出来なかったら、選手村以外の何所かで行うのか。皆さんが共通認識をもたなければダメだということです。活動スタイルは3つありますが、夫々の体制を如何整えるのか。

東京オリンピック組織委員会のHPを見るとボランティアの登録は2年後の2018年からです。組織委員会と密に連絡をとってやっていくことが大事です。何はともあれ、アスリートファーストで、私ども組織のPRが出来る資料を携えて取り組んでいくべきと思います。口だけではなく行動で起こさないとダメです。オリンピック参画は、JATACのATCの実力発揮の場であり、業態周知の場です。これだけ知識と技能を持ってますと堂々と医者・PT・体育指導者・運動生理学者・アスリートにも説明ができて評価をしてトリートメントが出来るかどうかが問われています。其処で堂々とやれれば社会的評価を上げ、科学として認めてもらえます〟等、話した。

 

その後会場との意見交換ではJATAC理事・岩本氏から〝大部話も煮詰まってきていますので、参画するのかしないのかを決めて理事会なり総会で機関決定をして、そこからスタートする。但し、その時点からの準備では遅いので、もう一度計画案を練って、来年の4月の理事会に出して頂く形でプランを立てて頂くことをお願いしたい〟。JATAC理事長・片岡氏から〝国際的な大会になればなるほど政治的な配慮が多くなるのは事実です。小野会長も実績ということをよく仰っていました。出来るだけ早く今日のレポートを作成刊行して、いろいろなところに配布してJATACのこれまでの実績をアピールすべきです。我々は20年間という歴史を持っています。素晴らしい経験ですからそれを世の中にアピールしていくしかないと思います〟等、多数の意見が出された。

最後に原氏から〝オリンピックにだけ参加してもらってもダメなんです。オリンピックの前に皆さんのやることがいっぱいあります。各地域でスポーツ界を支えるということです。地域で積極的にスポーツのお手伝いをすることを実践してください。オリンピックに参画したその後をどうするかを真剣に考えて、そこから先をどう描くかということも大事なので柔道整復師という資格を持ったATとして如何活かしていくかを考えてもらわなければなりません。是非そこのところを頭に入れてオリンピックに参画して頂ければ有難いと思います〟等述べ終了した。

          
ピラテスエクササイズは、第一次世界大戦中に傷病兵を回復させる目的で、ヨーゼフ・ピィラティスが考案した運動である。主に、ダンサーやバレリーナが、体力向上やテクニックの向上、障害予防やリハビリに利用している。

 

 
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