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第2回柔整療養費検討専門委員会の詳細!

2013/04/04

日本臨床整形外科学会医療システム委員会委員・相原忠彦委員は討論の前提となる資料として、整形外科における初診患者数に対する外傷患者数および外傷部位数統計調査結果を発表。〝1回の外傷部位数は平均1.2部位で、2部位に達しない。およそ95%以内が2部位以下という統計結果であった。初診患者に対する初診の外傷患者の割合が約35%で、外傷部位数に特に地域格差は見られなかった〟と報告した。

 

これについて(公社)日本柔道整復師会理事・萩原正和委員は〝部位別請求としてかつては5部位や7部位といった形での請求が認められていたが、現在は3部位までで4部位以上は請求できなくなっている。部位に対する考え方が、医科と柔整では違うのではないか〟と反論。

 

続いて(公社)日本柔道整復師会副会長・松岡保委員は〝柔道整復師の質の向上と受領委任払いによる適切な施術と請求をしなければならない〟と業界の問題を認識した上で、〝審査会の権限が強化され、指導・監査を徹底的に行うことで適正化が図られると考えている〟と述べた。

 

池上委員からは〝柔道整復の施術の部位数は整形外科より平均的に1部位多いようだ。事務的に煩雑であるとは思うが、出来れば1部位のレセプトからどういった状態でどこを怪我されたのかを記載することを義務づけるよう検討していただきたい〟と提案がなされ、それを受け、相原委員は〝柔道整復師の施術録にはいつ、どこで、何をしたかは必ず書いてある。だから1部位からそれを申請書に記載すれば保険者はお金を払って外部委託までして患者照会をしなくても済み、手間も省ける〟と賛同した。

 

一方で田中委員は〝その接骨院が良くて行っているのに、2回も3回も照会文書を出されてしまうと良い接骨院も悪いように感じてしまう。受診抑制につながるのではないか〟と懸念を示し、近藤委員からも〝我々が専門としている急性、亜急性、繰り返しの外力については、原因が判らないものもあり、その場合患者に照会しても施術者の答えとは違う回答が返ってくることになる。そうすると業界が悪者になってしまう〟など、患者照会の問題点が訴えられた。

 

この意見に対しては、相原委員は〝亜急性とは病期を表す言葉であり、外傷というのは転んだりぶつけたり1回で起こるものだから『亜急性の外傷』は医学用語では在り得ない。厚生労働省の通達は誰もが理解できる言葉に改めていかないとさらに誤解が生じてしまう〟と厚生労働省による通知・通達の重要性を強調し、用語等を見直していく必要があるとした。

 

最後に、学習院大学経済学部教授・遠藤久夫座長より〝改定率は政府の責任で決定するものだが、ここでは当事者が平場で議論しているのだから、当専門委員会での考えを出来る限り反映させていただきたい。委員会として一致した意見になることが一番望ましい〟として厚生労働省事務局が提出した改定案について賛否が問われた。

 

施術者代表側は〝検討を重ねた結果の事務局案なので大枠認めたい〟〝今後、制度の抜本的改革をお願いしたいが今回は賛成する〟など容認する姿勢を示したが、保険者代表側は〝この場で事務局案を了解するとは言い難い〟と最後まで抵抗を見せ、終始意見は一致しなかった。最終的な判断は厚生労働省に委ねられる形となり委員会は終了した。

 

次回の専門委員会の開催日は未定だが、今度は中・長期的な視点に立った療養費の在り方の見直しとして、制度改正に深く議論が及ぶことを期待したい。

 

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