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本年5月28日衆議院厚生労働委員会質疑の真意について衆議院議員・大西健介氏にインタビュー!

2014/10/16

大西健介衆議院議員は、大学在学中に第一回国会議員政策担当秘書資格試験に合格。その後、京都大学法学部を卒業、 参議院事務局に入り、議員立法や議会運営の補佐として活動。外務省北東アジア課で日韓外交に取り組み、在アメリカ合衆国日本大使館二等書記官として連邦議会を担当するなど、海外でも幅広く活動されてきた前途有望な若手国会議員である。今年5月に衆議院厚生労働委員会で質問に立たれた大西健介議員にその真意や思い等、話していただいた。

大西健介議員

衆議院議員・大西健介氏

 

―5月28日の衆議院厚生労働委員会で大西議員は、大企業の健康保険組合のパンフレットを提示し、大きな文字で「接骨院・整骨院では全額自己負担が原則です。基本的に保険証は使えません」と記載され、片隅に「条件を満たした一部のケースでは保険証は使えます」と小さく記されていることに対し、あたかも柔道整復師は保険を使えない印象を与える内容で誤解を招くおそれがあるとして質問されましたが、大西先生はこのことを柔道整復師の先生から訴えがあり、質問に立たれたのでしょうか?差し支えない範囲で真意をお聞かせください。

柔道整復師の先生や団体の方からご要望があった訳ではありません。以前より大島九州男先生が中心になってされている統合医療を推進する会の中の柔道整復師小委員会とは別に民主党の中に柔道整復師の業務を考える議員連盟という議連がありまして、設立段階から私も関わっており、引退された中井洽先生が代表で、私も役員としてやってきた中で、様々な団体の皆さんからヒアリングをして厚労省の担当官にも同席いただいて、その機会に〝こんなのが出ているんですよ〟という資料を数多く拝見しました。直接その場で厚労省担当官に〝これちょっと酷いんじゃないの〟と。ここまで誤解を招くようなことはちゃんと指導して下さいと議連で申し上げてきた訳ですが、そういう経緯があって5月の厚生労働委員会で取り上げた次第です。

自治体のパンフレット等でも柔道整復師は保険を取り扱えないような誤解を招くおそれのある表現で書いたものが多数出回っていて、その後厚労省から回答が出される等、一応それなりの対応はしていただいてはいます。ただし、それが全てに行きわたり、是正されている状況ではありません。

 

―大西議員はもう厚生労働委員会には随分前から入られていたのでしょうか?

私はまだ当選2回目で、2009年が初当選です。選挙区で有権者の方達と話し合いをするにあたって、年金・介護・子育て・雇用等が最大の関心事ですので、やはりこの委員会というのは人気があります。与党の時は、今より枠は多かったのですが、中々希望しても1年生議員は入れてもらえない。運良く私は一年生議員の時から委員になることが出来まして、また今は5人しか民主党の割り当てがない中で、長妻先生、山井先生という厚労族の2人が入っていて、障害者福祉をずっとやってこられている中根先生、あと柚木先生と私で、厚労を担当しておりましたが、今国会より安全保障委員会の委員になりました。

 

―また、保険者が業務委託されている外部業者による患者照会などで支払が遅延したり不支給決定などの事例が増えていることにも触れられ、通達が拡大解釈された調査の行われ方についても指摘されましたが、その時の田村厚生労働大臣のお答えと大西先生のお考えも教えてください。

田村前厚生労働大臣は実情は分っていらっしゃると思います。しかしながら今起こっていることというのは、本来国家資格を持っている柔道整復師さんが患者さんに必要だとして行った処置を保険者が勝手に支払わないと決め、まかり通っています。柔道整復師の方も事業者ですから運転資金等も必要な中で本来入ってくる保険料が遅延して入ってこないということが当たり前の様にまかり通っている状況というのはあまりにも酷い話です。しかも、保険者の中には自分たちが判断するのではなく、民間の代行業者に丸投げして、その代行業者はどのように収益を得ているかというと「レセプト一枚につきいくら」といったかたちで行っている訳で、そんな民間の代行業者に大事な保険料の一部を渡すなんていうことは、本来あってはならないことです。しかもなんの権限があって、彼らがこれは良いとか悪いと言って判断し支給・不支給を決めることが出来るのか。

勿論、柔整師さんの中に悪徳な柔整師は居ない、不正はないと私も言いませんが、いやしくも国家資格を持って必要だと思った処置をされている内容について何の権限があって、代行業者がジャッジしているのか、其処がそもそもおかしい。真面目にやっておられる柔整師さんからすると、一部悪いことをしている人たちがいることによって、お前らも何か不正請求をやっているんじゃないかと疑われることは、心外だと思います。柔整師の仕事を誇りをもってやられている方からすると、やはりそういう不正請求が行われないようにしていかなければいけないという意識はお持ちだと思います。そこをどういう形でやるかです。

例えば、自主規制みたいな自浄作用を働かせて、業界の中でそういうことがないようにしていただくのが一つの道だと思っています。ただし、それについては現状をみると所謂保険請求団体がいっぱい乱立していて一本化されていない中で〝業界のほうで自主規制してください〟といっても、中々現実は難しいのかなと思います。という訳で、あの場で私が言ったことは、先程話したように保険者が「払う・払わない」を決めたり、保険者が丸投げした民間の代行業者が何の権限があって、これが良いとか悪いとか言えるのか。これはちょっと筋違いじゃないのかということです。

 

―拡大解釈や勝手な解釈もあるなど、保険者さんにも柔整師の方にもどちらも一致する基準がないように思われますが…

つまり、第三者的な審査支払機関みたいなものを作るのかどうなのか。或いはガイドラインが作れるかどうか。要は夫々の先生方は、患者さんにとってこの施術が必要だからとして行っているんだということであっても、それが本当に保険取扱いに値するものなのかどうなのかについて、今は共通のコンセンサスがない訳です。今の在り方を是正する意味でも共通のものを作らなければいけない。それが先ほど話したように業界がかなり一本化されていて、業界の自浄作用として〝こういうガイドラインで皆さんやってください、ここに記載されている内容に添ってやってください〟といったものが出されて、みんながそれに基づいて行うようになれば、多分そういう問題は起こらないでしょう。しかし、今は夫々の先生が自分の判断でやっている訳で、当然バラツキもあります。しかも、スタンダードな施術というのはこうなんです。保険の利く施術というのはこうですというものが今はない。従って、それを作る努力をするべきではないでしょうか。

それを作るにあたっては、より客観性の高いものにするために、柔整師さんだけではなく、保険者の代表、学識経験者も入れて標準的なものを作るべきでしょう。もし、そういうものが出来れば、それに添っている限りは基本的には認められるということになります。必要だから治療を行っている訳で、その必要性に対するエビデンスがあれば、保険者さんも支払うでしょう。そこのエビデンスをどこまで保険者に納得の得られるものが出来るのか。柔整師さんはその努力をする義務があると思います。

 

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