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調査票の実態【第11回:病院ではないから「保険適用外」!?】

2016/08/01

私たちの身体に生じる様々な疼痛、痛みについては、我が国の国民性として比較的ガマンされる方々が多くあったように思われます。昨今、シャープな鎮痛効果と共にいわゆる副作用が少ない鎮痛薬が市販化され、安易に鎮痛薬を服用される時代となりました。読者の皆様は柔道整復を駆使され、痛みに対して鎮痛・除痛処置を専らとされておられますが、昨今の痛みに対する国民性は、やや変化が見られるようにお考えでしょうか。

平成9年に「急性又は亜急性の外傷性の・・・」と通知が発令され、急性症状が柔道整復療養費特例受領委任の唯一の根拠である!と言い切られる保険者や一部の医師にあるようです。編集部において柔道整復の先生方を受診する場合を仮定してアンケートを実施したところ、身体の損傷や疼痛などを感じて直ちに受診する場合、或いはパップ剤や前述の鎮痛剤等を服用した後に受診する場合などあることが判明いたしました。
中には自力での回復を試みて、症状の改善が見られない後に受診するとの回答もあり、必ずしも受傷直後における初検受診ばかりでないことが考えられます。このような場合をも想定し、急性のみならず亜急性という文言が国民保護のもとに付記されたのではないかと推察されます。

JCOAに所属される整形外科医師の皆様は、異口同音に「柔道整復は医療でなく、単に施術行為である」と表現なされることが多いと耳にいたします。
ですが何故か?「亜急性」については、一般医療概念から「亜急性期」として定義すべきであると強硬に叫ばれ編集部におきましても、この大きな矛盾に首をかしげざるを得ません。読者の皆様はどのようにお考えでしょうか!?

「接骨院・整骨院は病院ではありません」
確かにその通りですが、病院ではないことから「保険適用外となる場合がある」というのは初耳です。 また、「柔道整復師による施術は長期で受診するものでなく」とあります。
では何故!?長期理由記載の規定が通知発令されているのでしょうか。

協定(取扱規定)では、『施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は濃厚な施術とならないよう努めること。』とあります。
柔道整復を受診される皆様の症状や体質により、負傷を繰り返される例や身体素因から長期や濃厚と言われる例もある筈です。そのような状況を鑑みて、長期に至る治療が必要な場合、濃厚と言われる頻回通院が必要な場合に不要な誤解を回避し、患者保護(治療を要する)の観点から申請書にそれらの理由を明らかにした簡潔な記述を要求されているはずです。

柔道整復療養費特例受領委任を取り扱う場合、受診者は勿論、保険者、そして柔道整復師の先生方がまず国民保護の観点から特例的に認められたこの方式を歪曲することなく理解しなければなりません。柔道整復師の皆様は、この特例を真摯に受け止め適正に扱うことが大前提であり、悪用することは認められません。

「今後、接骨院・整骨院での治療を受けられますと、保険適用外となります」とありますが、非常に厳しい職権乱用だと判断されます。
保険者におかれては、適正且つ通知に則った請求を単に保険者判断として抑制的対応をなさらないようにしていただきたいものです。

受診者におかれては、柔道整復療養費特例受領委任を正しく理解されることは勿論、この方式を認識され、初検時や月初の申請書署名の際には責任をもって実行いただきたいと願います。受診者用の啓蒙文書記述内容や、受診者調査票の設問内容など、温かく且つ正しい記述内容で表記されることを切に願います。

 

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