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調査票の実態【第24回:4課長通知の真意】

2018/10/01

いわゆる4課長通知(保医発0312第1号 平成24年3月12日)について、正しく運用がなされていない例を幾度も解説致して参りました。通知の趣旨として、「~多部位請求の適正化・領収証発行義務付け・明細書発行義務付け・申請書への施術日記載等、主に柔道整復師側への適正化を実施完了している事から、保険者側の適正化取組について、適切な実施を目的」として発令されました。加えて、患者調査の実施にあたり、「被保険者及び施術所等の負担の軽減」、「支給決定までの迅速化」及び「手続きの公平さ」が示されています

一部の保険者においては4課長通知が発令される以前から業務委託として、民間調査会社(返戻屋)に丸投げ状態で患者調査が行われていました。この通知は、患者調査をより安易に行いやすくする、不適切な表現ですが「返戻屋奨励通知」だと言えます。
調査手法には、医学的知識の乏しい受診者が回答を誤るような誘導的質問も散見されます。治療を受けた部位や負傷の原因について、柔道整復施術療養費支給申請書と受診者の回答に僅かでも不整合があれば、オートマチックに返戻扱いとなる場合が殆どです。
通知を遵守すれば保険者や返戻屋は、まず疑義の解消に努めなければなりません。つまり迅速な疑義の解消を目的に、受診者への再調査や施術者への照会を行うことが基本です。4課長通知の真意は、不正な請求を認めないことに尽きます。

4課長通知発令から6年を経て、平成30年5月24日「柔整療養費の被保険者等への照会について」として4課事務連絡が発出されました。ですが多くの柔道整復師の先生方から寄せられる情報では、これまでの調査とは名ばかりで受診抑制を惹起し、すでに患者の来院が途絶える例が多発しているようです。我が国の厚生労働行政の行く先を予測し、適切な行政手腕を発揮される官僚の皆様には、この受診抑制となる結果が読めなかったのでしょうか!?

あくまでも疑義のある請求に対して、疑義の解消を目的とする確認であり架空請求や付け増し請求など、不正の疑いのある施術についての調査でなければなりません。
長期施術には長期施術理由書・頻回施術には頻回施術理由書が必要であり、それぞれに逓減計算を行わなければなりません。これら柔道整復による治療が必要であるからこそ守るべき規程です。
やや下品な文言ですが、「部位転がし」や「架空・付け増し請求」が調査対象であるべきです。
これまでに編集部へ寄せられた患者調査の内容や同封される啓蒙用チラシの記載には、被保険者や加入者を保護する精神から作成されているとは言えず単に網掛け、いわゆる悉皆調査です。
1部位や2部位で月に数回程度の通院請求(月に1度だけの通院でも調査対象となる例がある)でも調査の対象となり、適切な理由(負傷原因・長期理由・頻回理由)が記載されている請求例であっても、返戻屋の餌食となっているのが現状です。

この事務連絡の発出を得るために、受診抑制を生じている窮状を訴え凛と対応されたであろう柔道整復業界の担当者には頭の下がる思いです。

  • 調査目的は、あくまでも不正の疑いのある施術所についての被保険者への確認
  • 受診抑制となる方法は厳に慎むこと
  • 多部位・長期・頻度が高い傾向がある場合や部位転がしに対する調査
  • 被保険者の記憶を考慮し適切な時期の調査
  • 不支給や返戻の実施件数に対するインセンティブ委託の排除
  • 厚労省に不適切な調査事例の相談窓口設置

事務連絡の内容は、不適切な調査手法を禁めるようこれらの点について言及されています。
しかし、4課長発令から3年後には柔道整復療養費の総額は約300億円もの減少が見られます。即ち不適正な請求のみならず、適正な治療と算定をされている柔道整復師の先生方も大迷惑をされている証拠ではないでしょうか?

今更ながらの感も無きにしもあらずですが、返戻屋による受診抑制的患者調査手法には厳重注意が示されました。柔道整復師の先生方におかれましては、臆することなく国民保護を第一に適正な施術と算定を励行いただきたいと願います。

 

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