高齢心不全患者の予後予測に「握力」。退院後の死亡リスクとの関連を確認

2025.12.24ニュース

順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の研究グループは、高齢心不全患者を対象に、退院前に測定した握力と退院後2年間の全死亡との関連を検証した。
その結果、握力の低下は従来の臨床的リスク因子とは独立して、退院後の予後不良と有意に関連していた。

既存の死亡リスク予測モデルに握力の情報を加えることで、死亡リスクの分類精度（リスク層別化）が向上することも確認された。

研究者は「握力は簡便で再現性の高い筋力指標であり、診察室を含め日常診療の場に容易に取り入れることができます。今回の結果を踏まえ、多くの医療従事者が握力測定を積極的に活用し、高齢心不全患者のリスク評価や診療方針の検討に役立てていただければ幸いです。」とコメントした。

この研究成果は、Journal of the American Heart Association 誌のオンライン版に、2025年12月18日付で掲載された。

ソース：PR TIMES（2025/12/23）
高齢心不全における握力低下の予後的意義：簡便な筋力指標の予後予測における有用性を検証