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長妻議員と井坂議員、厚労委員会で柔整について質疑

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平成26年4月9日(水)、衆議院厚生労働委員会において民主党・長妻昭議員と結いの党・井坂信彦議員が質疑に立った。その中で、自賠責保険の不正請求と管理柔道整復師について言及し、関係省庁に対し鋭い指摘を述べた。

以下、両氏の発言内容を抜粋し掲載する。

長妻昭議員(以下、長妻議員):
自賠責に対する不正請求ですが、これは先月の朝日新聞の3月22日の朝刊の記事です。「自賠責 接骨院の請求急増、審査ずさん、不正横行」と記事がありますが、自賠責に対する不正請求の件数はどのくらいですか?

内閣府副大臣兼復興副大臣・岡田広議員(以下、岡田副大臣):
不正な保険金請求については、被害者が保険会社をだます意思を持っていることから正確な件数の把握は難しいという面についてご理解をいただきたいと思います。一方で、自賠責保険は自動車の所有者から義務的に徴収した保険料を財源としていることを踏まえると、不正請求の防止等の徹底を図り、適切な支払の確保を図ることが不可欠であると考えております。金融庁といたしましては、不正請求の防止を進める中で不正請求件数の把握についても引き続き検討するよう保険会社を指導してまいりたいと思っております。

長妻議員:
驚く答弁だと思うんですよね。自賠責保険は特別会計ですが、これを所管するのは国土交通省でありまして政府の事業でもあるわけで、そこに対する不正請求が何件あるか概数もわからないというような答弁だと思うのですが、朝日新聞の報道によると、接骨院による自賠責への請求が増えた一因には交通事故患者を巻き込んだ不正・過剰請求があると記事があって、そのあとに「生後6か月の乳児が腰の痛みを訴え、歩行困難になった」と診断したと。生後6か月の方はもともと歩けるのか?と。川崎市の患者が40キロメートルも離れたさいたま市の接骨院に半年間1日も欠かさず通院した。そうした虚偽の疑いがある請求が増え、厳密な審査もないまま保険金が支払われていると、記事にはあります。これについて、先ほど岡田副大臣からお話がありましたが、年間不正請求が何件あるのかさっぱりわからないということなのか、概数はわかるのかということをもう一回ご答弁いただいて、全然わからないのであれば政府として把握する必要があると思いますが、把握するように今後調査するというようなご答弁をいただければと思います。

岡田副大臣:
再度のお尋ねでありますが、不正請求につきましては正確な件数の把握が難しい面があるという答弁をさせていただきましたが、警察庁の統計によりまして保険金詐欺の摘発件数という数字は出ております。しかしこれは交通事故に絡む保険金詐欺の摘発総件数であり、接骨院に対する摘発件数というのは公表されておりませんのでご理解を賜りたい。

長妻議員:
自賠責に対する不正請求の件数が政府は全然わからないと。調べるつもりもないと。これは三省にかかわると思います。厚生労働省・金融庁・国土交通省ということで、金融庁に今代表してお答えいただいているのですがぜひ調べてください。おかしいじゃないですか。さっぱりわからなくて今後も調べない、把握しないというのは。

岡田副大臣:
不正請求の件数につきましては先ほども答弁をさせていただきました通り、不正請求防止の取り組みを進める中で、不正請求件数の把握についても引き続き検討するよう保険会社を指導すると答弁させていただきました。金融庁としても昨年11月に日本損害保険協会が立ち上げた保険金不正請求防止対策勉強会にオブザーバーとして参加をしているところであり、本年度の保険会社向け監督方針におきまして不正請求等による保険金支払いを排除するため、保険会社に支払管理体制等の強化を求め、当該体制等が機能しているか重点的に確認をすることとしております。今後とも関係省庁・関係機関と連携して適切な保険金の支払いの確保に取り組んでまいりたいと考えております。

長妻議員:
ぜひ件数を調査していただきたい。これは厚労大臣にお伺いするのですが、さっき申し上げましたようにこの問題は厚生労働省・金融庁・国土交通省の三省にまたがる問題だと思いますが、ぜひ担当者でチームを作ってこれに対してどう対応するのか、検討会を立ち上げていただきたいと思いますが如何でしょうか。

田村厚生労働大臣:
この件は新聞等でも報道されていますが、柔道整復師の施術所で交通事故専門だというような広告をされること自体が広告可能事項に該当していないのでできませんから、全国都道府県の担当者を集めた会議で指導するようにとお願いいたしました。これからも周知徹底をしっかりやって参りますが、数という意味からいたしますと、そのような形で指導をした数に関してはこちらのほうで把握できるようにしてまいりたいと思います。あわせて関係省庁とどのような形で協力をするかということは検討いたしますけれども、まずは各都道府県でしっかり指導していただいて、そういうこと自体ダメだということを各施術所にご理解いただくということが重要ですので。そもそもそういう広告がなければ行かないわけですので、そういうことも含めて対応してまいりたいと思います。

長妻議員:
ぜひチームで対応していただきたいと思います。

井坂信彦議員(以下、井坂議員):
管理柔整師についてお伺いをします。柔道整復師では施術管理者という保険のレセプト請求ができる柔道整復師を1人置くことで、普通の保険診療とお金の流れが同じように自己負担分だけをお客様にお支払いいただく受領委任というやり方があります。そこで参考人にお伺い致しますが、柔道整復師の施術に係る療養費について受領委任の取扱規程という書類がありますけれども、この中に複数の施術所の施術管理者になる場合は各施術所に勤務する曜日と時間を明確にすることという規程があります。ところがこれは複数経営しておられる方の話であって、単一の診療所をやっておられる方についてこれは当てはまらないというのを事前に事務方からそういうお話は頂いているのですが、どうもこの規程をもって単一の施術所の管理者まで勤務日時を記録報告するように当局から求められる例が現場ではあると聞いております。実際、この規程をもってそのような指導運用があり得るのか参考人にお伺いいたします。

厚生労働省保険局・木倉敬之局長(以下、木倉保険局長):
原則は1か所の施術所の管理をしてくださいとのことなのですが、やむを得ず複数やられる時、これは本当に管理が出来るのかということで日時等を記載していただくということです。ご指摘のように、一つの所だけを管理しているのに細かく日時等を確認しながら指導するということは、我々は地方厚生局などには指導しておりませんので行き過ぎの点があれば正していきたいと思います。

井坂議員:
もう一点重ねて伺いますが、管理者ですから全くそこに来ないというのは大問題でありますけれども基本的には毎日来てちゃんと全体を管理している、たまたま日によっては風邪でお休みするとか早退するとか遅れて現場に入るという事は別として、ずっといる間しか保険適用は出来ないということは一切ないという理解でよろしいでしょうか。

木倉保険局長:
管理者の方には、協定において受領委任、保険請求について責任を負っていただきたい、管理をしていただきたいという事をお願いするわけですので、やはり管理上支障のない形、できる限りその施術所に目が届く形で勤務をいただきたいと思いますけれども、やむを得ず他の都合でそこを外されることも当然あるわけですから、その時の請求書について確認をできる体制を取っておくというようなことをやっていただきたい。物理的にずっと同じ時間帯にそこに顔が出せないということでは困りますが、実態に合わせてその全体の施術状況の管理ができる体制を現実的にとっていただければいいと指導してまいりたいと思っております。

井坂議員:
ありがとうございます。

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