患者様インタビュー第1弾:JB日本接骨師会『患者相談ダイヤル』運営委員長・阿部正幸氏
柔整ホットニュースでは、国民の声、患者様の意見が何より大事であるとして、患者様インタビューを掲載していくことにしました。第1弾は、JB日本接骨師会『患者相談ダイヤル』の運営委員長である阿部正幸氏にインタビューさせていただきました。

『患者相談ダイヤル』 運営委員長 阿部 正幸 氏
―これまで接骨院には何度くらいかかられましたか?また、何が原因で受診されたのでしょうか?
子育て世代の頃にギックリ腰で、接骨院にかかりました。僕は地元の中野に住んでいますので、接骨院が出来た頃からです。また僕は料理人で、会社に長く勤めていた頃に腱鞘炎になりました。他にも趣味がランニングで走っていましたので、鼠径部筋膜炎で通っていました。接骨院の先生は勤務されていますので、定期的に何年かに1度、先生が替わられます。先代の先生をはじめ今は何代目かの先生ですが、施術を受けてきました。その時々に自分の判断で治療を受けながら治して頂きました。そういう経験をしています。
昨今というか、コロナの前くらいからはそんなに自分に負荷をかけないように仕事をするようにしています。自分は自営業なので、つまり自分一人で仕事をしていますし、それが段々分かってきましたから、大きな怪我というか接骨院にかかるようなことはしていません。ただ最近は、自由診療というか、保険外適用であるマッサージや体のストレッチ、疲れをとるために受けても良いかなと。今まではそういう自由診療みたいなものは接骨院では行っていませんでしたが、新しい若い先生が始めていらっしゃるような1時間で6千円位のマッサージです。
―接骨院の在り方が様変わりしてきているということでしょうか?
この辺の接骨院の個人事業主の方は、自由診療を前面に出している感がありますが、保険治療もありますし、両方を行っている個人の接骨院はかなり増えたと思います。また接骨院ではないけれども、マッサージ屋さんが、ほぼ金額的には自由診療と同じような感じのお店もあります。つまり接骨院というのは、怪我とか肉離れ等ですけど、僕もスポーツをやっていたから、肩の痛みとかもありましたし、フライパンで肘の痛みがありましたから、それは怪我だと思って、先ず接骨院さんに行きました。接骨院さんにはエコーがあるのと、その痛みが筋肉なのか筋なのか骨なのかというのがありますし、本当はいけないんでしょうけど、あまり治らない時には整形外科に行ってレントゲンを撮ってもらって、撮ったら今は直ぐにパソコンで見て、その場で先生とやり取りが出来ますので、骨には異常が無いということで安心する訳です。足底筋膜炎の時には痛かったので、やはりレントゲンを撮ってもらって、大丈夫だという風になったので、だんだん緩和してきたという記憶があります。
―何故、接骨院に行かれたのか、その理由を教えてください。
痛みですね。痛くて、例えばフライパンが持てなくなってしまったとかです。今はどうなのか分かりませんが、テーピングをしてくれました。テーピングは、僕は経験したんですが、痛みが出ている時は、動かさないようにするためには、それで良いと思います。しかし、僕は肌に合わないし、剥がすと痛いからテーピングはあまり好きじゃなかったです。要は動かないように固定をしてしまうから、痛まないのだろうと思いますが、足底筋膜炎の時にもテーピングをしたら、足首が動かなくなるから、痛くなくなったという経験があります。
―何回くらい受診されましたか?
20年前、会社勤めをしている時には1週間に1回位通っていました。ギックリ腰は、通う回数で段々治りが早くなってきますね。その時は未だ若かったからなんですが、今はもうギックリ腰になりません。疲れが出てきて〝あヤバイな、これはなるな〟という前にもう体を休めてしまいますし、マッサージとかも解っているので、あとそれ以上の負荷をかけないように出来るようになってきましたので(笑)。
―最近、接骨院にかかられたことは?
コロナって一つの節目なので、コロナの前位から記憶にありません。でも昨今、今年に入ってから疲れが抜けなくなってきていましたので、マッサージにいきたいなって思って探してるんですが、見つからないです。なので温泉に行って、お風呂に入ったり、電気のマッサージ機でも良いんでしょうけど、何かほぐれないなっていうのはあります。スキッとしないというか…。
―整形外科でレントゲンは撮ってもらったのでしょうか?
なんでもそうなんですけど、自分の考え方として、お医者さんに相談に行っているだけであって、症状等を鑑みて、こうで良いかなと思って、自分で判断しています。つまりお医者さんのせいにしないで自分で判断して、いろんな病院、歯医者にしろ眼科にしろそういう風にやっています。痛みが酷い時に整形外科の場合は、レントゲンを撮るじゃないですか。その後で、痛み止めの処方で、薬を出します。本当に痛い時に飲んで一日か二日痛み止めを貰って、それ以外に電気治療をあてるとか、リハビリ室みたいなのが整形外科にもあります。それと接骨院さんのやり方の内容に関して、自分に合っているかを比較してから選んでいます。
―引き続き整形外科に通うように言うお医者さんも居るようですが
そういう整形さんの場合は、忙しくて回らないから、この部分の範囲であったら接骨院さんでも良いんじゃないのって言う話だと思います。整形には理学療法士さんやスタッフがいっぱいいらっしゃるから、結構早く終わりますが、殆どの接骨院さんは一人でやっているから患者さんがつまってきてしまうというのもあります。内容を見ていて同じだなって思ったら、自分で選択していました。
―超音波で診てもらったことはありますか?
エコーは接骨院でやってもらいました。説明は受けましたが、やはりレントゲンのほうが分かりやすい。エコーは分かりにくいですね。妊娠して赤ちゃんがこんな風に動いていますよ、というのであれば理解出来るんですけど、どこを怪我しているんだろうみたいな感じで、僕にはよく分かりませんでした。それでも未だ痛いからレントゲンを撮っておいた方が良いのかなと思って整形外科に行きました。
―治癒するまでにどの位の期間かかりましたか?
痛い痛いって言ってられなく働いていましたから、2週間位で、ああもう痛みがとれたからいいやっていう話です。でも今だと多分一回やっちゃうと動けなくなってしまうから、結構かかるんじゃないかと思います。ちょっと打撲というと変ですが、痣が出来てしまうと、痛いのがずっと続いて段々年をとると治りません。だから無理をしないようにという感じで意識をしています。なんていうのか、こなすというよりも長く続けられるようにというような気持ちで働いています。そうしないと長く続かないので(笑)。年齢がいけばいくほどリスクを如何に負わないで、少しずつ生活とお金が稼げれば良いなって思っています。
―保険組合から保険調査の用紙が届いたことがありますか?
僕は、一度も経験ありません。整形外科さんだと、先生が聞いて、ちょっとレントゲンを撮ってみましょうねっていうのですが、また〝肩の何所が痛いですか?なんで痛めましたか?〟等々、チェック項目が多すぎるというのが、患者さんからするとあると思います。というような訳で、保険医療でかかる高齢者の方が接骨院には多い。結局、保険組合のお金の問題もありますので、いろんなものに負担がかかってくるのではないでしょうか。つまり、年金制度もそうですが、稼ぐ世代よりも受け取る世代のほうが増えてしまって、貰う世代の人達はみんなが若くて稼いでいたから平気なんです。そのままずっとスライドしてしまって仕事をしなくなって、今度はコストがかかるような生活になってしまっているから、いま政治もそうなんでしょうけど、今までの日本の仕組みじゃないことで経過していく必要があります。あと10年位は大変ですが、30年後にはそういうのが無くなりますし、必ず新しい何かが生まれてきますので、これからの人は平気なんです。経済も、今までの日本とかアメリカとか国単位云々ではなく、インターネットみたいに世界になっていきます。さあどうしようというのではなく、新しい仕組みに変わっていくと思っています。
―接骨院に対して率直な意見などありましたら……
患者さんのツボを掴んでくれないというか?〝自分はテーピングをするとかぶれてしまうから、テーピングはいいです〟と伝えましたが、先生はテーピングにこだわっていて、技術のほうが専門すぎて、患者さんよりも人生経験が少ないので、僕なんかは満足しなかったんです。僕も商売をやっていてお客様の意図をカルテではありませんが、自分の頭の中にたたき込んでいます。これだけは嫌われるなとか、例えば僕がテーピングでかぶれてしまうって言った場合、カルテがあるんですから、もうテーピングの話はしませんよ。そういう経験はありました。気持ちはわかるんですけど。従って、良い接骨院の先生というか、いま2パターンがあると思うんです。先生たちが組織的に接骨院を経営されていて従業員というか柔道整復師が何人も居て、保険治療で高齢者に評判が良くて、凄く朝から混んでいる接骨院と、もう1つは自由診療が凄く上手で4千円、5千円という高額を支払っても良いから其処でリラックス出来るような保険外治療もやっているという、どっちかのパターンだと思います。そういうことで毎日通っている高齢者の方が居るじゃないですか。僕は接骨院の目の前に居りますので、その方は多分保険治療で15分、30分でやっているから毎日通えます。そういう方は保険治療で良いのでしょうし、所得の高い方や、体のリフレッシュをしたいような方は、鍼灸もそうですけど、別にお金を気にしない方は、治療室に観葉植物が飾ってあったり、適度なクラッシック音楽が流れていたりとか、そういった演出をしているような、医療ではない、つまり癒しなんですが、マッサージを専門にしている所に通われていると思います。
回数券の問題もあります。ただ所得の低い方達や、或いは年金生活の方などは、やはり保険適用の施術で電気をあてたりする等、ただそれが1部位何週間とか、何日かで負傷名を変えなければならないとかがあるようなので、お金も払いますよっていう人と、今は二極化になってしまっています。今日の議論も二極化の保険適用の中で議論していかなければいけないと思いますが、それが出来る先生と付加価値を高単価で取れる先生がいますので、患者さんをそれで分けるべきでしょう。クレームが多いのはやはりあまりお金を支払えない方や、社会経験があまりない人とちょっと若い人が多い。僕は最近つくづく思うんだけど、世代によって生活レベルと情報の取り方がみんな違います。これから選挙があるんですけど、政治の考え方もインターネットの世界の中でみんな判断してしまう世の中になってきてしまっています。それで真実はアナログで良い先生に巡り合おうって、自分で行く分には良いんですけど、ネットの情報だけだと、危険じゃないのか危険なのかということを体験して自分が判断するという判断能力が欠けている人が多くなってしまったという風に感じます。情報を自分の能力で的確に判断をして出来るという人は中々居ないのではないでしょうか。こういう接骨院さんのお仕事は、やはり口コミとか評判で、良い先生だろうと思って行ってみたら、実際に〝そうだね〟っていう所じゃないとはじまりません(笑)。
―他にも何かエピソードや意見等ありましたら教えてください。
僕は個人事業主なので、個人事業主として考えるのであれば、もうちょっと患者さんの立場になった会話とかを勉強したほうが良いのではないかと思っています。あまりにも専門的なことを言われても分かりませんし、ちょっと安心させるようなというか。相談ダイヤルに寄せられる相談内容の活字を読んでいると、やはり患者さんが不安に思うということは、其処の院長がインフォームドコンセントというか説明が上手ではないのかなと思ってしまうんですけれども。その場で対処できる、患者さんの体に触った時に〝良い先生なんだな〟って印象をもつような話し方が大事です。つまり、二極化になっているように感じます。また治療の金額にもよります。経済的な面で保険を使ってというと其処まで読んで施術して理解してあげないと。あまり不安をかきたてないように施術を出来るようにしていただくと、〝あの先生は安心します〟とか、そうやって若い子達も安心すれば良いし、子どもがスポーツで怪我した時などにも、接骨院に連れていくのではないかなと感じています。
―『患者相談ダイヤル』の運営委員長になられて、どの位経ちましたか?印象に残った相談等ありましたら教えてください。
4年位です。専門的なことは分からないんですが、そういう相談をダイヤルしてくるということは、あまり評判の良くない接骨院の先生なのではないかと、一つの接骨院として町の看板をしょっている訳ですから、其処で対応できるのではないかなって思うんですよね。不安だから、弁護士さんに聞いてどうのこうのというのは如何なんでしょう。お医者さんにクレームやハラスメントみたいな、例えば外科とか心臓の手術、うちの母親も手術をしましたが、手術をするにあたって署名する項目がいっぱいあります。つまり、手術後に何かがあった時に訴えられるということもあるからだと思います。やはりそういう時代になってきたんだと思います。アメリカのように。しかし、このダイヤルにかかってくるのはなんとなくその場で対応できるようなケースが多いような気がしますし、接骨院の先生がもう少し患者さんを守ってあげるくらいの気持ちでやれば、その接骨院は繁盛するのではないでしょうか。分からないけど、安心を売るということも大切じゃないかなって思います。
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