☆柔道整復師業界の今後を考える!『業界が危機に瀕している今こそ、強いリーダーシップが求められています!!』

全国柔整鍼灸協同組合会長、
宝塚医療大学理事長・学長
岸野 雅方 氏
全国柔整鍼灸協同組合(会員数4千人)の会長であり、宝塚医療大学の理事長・学長も務める岸野雅方氏に本邦初のインタビューをこころみた。
岸野氏は、今後の業界の在り方を明確に定め、目指すべき方向を指し示してくれた。果たして、低迷する現在の柔整業界を変えることが出来るのか?岸野氏の手腕に期待したい。
―岸野会長は今の柔整業界の状況をどのように捉えていらっしゃいますか?
この業界が一番大変な時にちゃんとリーダーシップを取ってくれる旗が見えないです。社団さんが、どういう訳なのか引っ込み思案というか、厚労省の言いなりみたいな方針というか。しかし本来は厚労省に交渉したり、しっかり対応をして、我々の要望を通して頂かなければならないんです。厚労省の予算はこれだけだから、この程度で我慢しなければいけない等、立場の違いはあったとしても要望書を提出したりすることが求められているんです。本質的な問題は保険者さんと真っ向対立している案件についてもっと力強く主張しなければいけないのに、途中で引っ込めたりするのであれば、何のために出したのかが全く分かりません。
我々は一時的であったとしても4千億ありました。その時に整形外科は8千億でした。先日の厚労省の発表で、整形外科は1兆円を超したそうです。一方、柔整は過去に4千億あったのが今は3千億を切って、2千億位になっています。以前、整形外科は柔整を潰したがっていましたが、正に潰されかけています。本当は、患者さんの健康を重視している整形と接骨とは同じ立場なんですが、柔整は療養費で行っていますので、今は3千億からどんどん減っているかもしれないけれども、それだけ貢献していますし安い訳です。かたや既に1兆円です。医療費が高騰しているので、なんとか抑制しなければいけないとして行っている中で、軽微な医療、命にかかわらない医療を外していこうという運動がどんどん起こっています。そういう中にあって、何故抵抗の旗を降ろしてしまうのだろうと思っています。
―柔整の業務範囲について、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷等とありますが、それらについて岸野会長はどのようなご見解をお持ちでしょうか?
挫傷という言葉は最近です。最近といってももう14、5年経ちます。米田一平先生が柔整業界の会長だった時に厚生省とやり合って「挫傷」を入れて欲しいと。一方、厚生省は、エビデンスが無いじゃないかと。それまでは「骨折・脱臼・打撲・捻挫」だけでした。米田一平先生が「挫傷」を学校のカリキュラムの中に入れたんです。結局3年位かかって殆どの学生達が挫傷を勉強しているということで、それで入れろという話が出来て、「挫傷」が入ることになりました。つまり、そういう運動をしなければダメなんです。
我々は患者さんに〝どうされましたか?〟って尋ねて、〝はい捻挫です〟、〝はい打撲です〟なんていう患者さんは誰も居ません。施術者は患者さんの症状を聞いて、それからこれらの病名に当てはめているんです。患者さんは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷を治してくださいということではないんです。いま、自分が感じている苦痛や痛み、動かしたら痛い。或いは、場合によっては何所かを打ったとか、こんな運動をしたらこうなったとか、症状に対する痛み、そういうものを治して欲しいんです。従って、僕は部位痛とか症状痛とか、そういうものを本来入れるべきだと思っています。患者さんが訴えること、そこのところから類推するのは資格者・柔整師であって、患者さんが治して欲しい症状を先ず的確にカルテに書いて、その患者さんの訴えている症状がどういう風にとれていったかというところを点数にする。或いは治療費に変えていくということをしなくてはいけないと思っています。
―日整で元理事をされていた先生が、地元の国会議員の先生に健保連等によるあまりにもしつこい調査等について日整の保険部が厚労省と意見交換等を行っていると思っていたが、厚労省の役人はこのところそういった意見や陳情を聞いたことはないと話したそうです。岸野会長はどのように思われますか?
国のほうも、健保連さんや保険者さんに指導をしている機関を作っていると思います。いずれにしても被保険者の上にいる健保連からの調査、或いは保険者さんの調査、ただし保険者さんは患者さんの症状を何も分かっていないんです。その上で、治療した施術者に調査を行う。その時は、患者さんから聞いて、腰痛、腰が痛いというけれども、腰痛はどうやってやったの?と。たまたま患者さんが〝昔から私は腰が弱いので、持病です〟みたいなことを言ったとしたら、それをもって保険者さんは、これは急性の腰痛ではないと。患者さんの発言の一部しかとらずに判断して、施術者を犯罪人扱いにしてしまう。一方、施術者は患者さんが腰痛だという症状を一生懸命聞いて、自分の治療で治せるかどうか判断をして施術をしている訳です。その過程の中で、負傷原因等について、どうした時に痛いのか等を聞いて、負傷原因を書いて保険者に送っています。つまり患者調査そのものに大きな齟齬があるんです。患者調査が、何であるのかというと、その裏に不正請求があるんです。これは柔整師側が8割、そういう疑いを持たれるようなことをするからです。要するに、日数の誤魔化し、いま交通事故等で捕まっているのは殆どが日数の誤魔化しです。その辺はやはり柔整師側が本当に反省をしなければいけないと思います。それが皆無になった上で、保険者と正々堂々と話が出来ます。患者さんはこういう症状で、困って治療に来ているんですと。そのために保険料を払っているんですよというような主張が通るようになると私は思います。同じ土俵の上に立って、保険者さんと柔整側が話をする。その間に患者さんが居るというような土俵を作らないとダメです。この問題は、片方はお金を払いたくないから何らかの理由をつけようとします。もう片方は、患者さんが困って治療に来ていると。初めからその過程に大きな隔たりがある訳です。
―日医総研のようなシンクタンクとなる組織を持って、継続して対応するようなことは、柔道整復業界では、無理なのでしょうか。
無理なことはないと思います。やったら良いけど、作ろうという人が居ないんじゃないでしょうか。先日も柔整師さんを再教育して、なんていうのか選ばれた柔整師、ステータスのあるような会というか集団を作ったら如何だろうといった意見も出ていました。
これまで柔整には客観的な学術のエビデンスが出来ていません。ただし、今は5,6万人の柔整師が居る訳です。しかも骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷に総括されていますので、患者さんを治したというデータはいっぱいあるんです。そのデータを集積して、日医総研とかそういう所にデータを出して、例えば、腰痛に対してどういう治療法が効いているというような、何万人、何十万人のデータが正確に出れば、これはもう完全なエビデンスです。少なくとも同じ腰痛でもどういう治療をしたのか、どういうやり方をしたのかをある程度パターンを決めて、こういう腰痛についてこういうやり方をした時には治験率はこれだけで、こうした時にはこうだと、そういうデータの出し方を教えなければいけないんです。まあ我々学校でも一生懸命今やっていますけれども。
しかも一番はカルテを統一させなければなりません。柔整師の皆さん、自分のカルテはお持ちだと思いますけれども、そのカルテというのは百人居れば百通りのカルテがあるんです。せめて2つか3つくらいのカルテにしなければならないと思います。そうすればそのカルテの整理はデータの専門家がしてくれます。そういうリーダーが未だ業界にはいらっしゃらない。良いことは言うけれども、〝だから俺は偉いんだよ〟と言って終わってしまうから、みんな相手にしないんです。
―自由診療に切り替えられた方が増えているようにもお聞きします。それでは国民皆保険制度が成りたたなくなりますし、患者さんのためにはなっていないと思われますが、お考えを聞かせてください。
今の自由診療というのと、僕の思っている療養費の中の自由診療というのは、ちょっと違います。療養費というのは元々患者さんの実費費用弁償から始まった、正に自由診療なんです。ただ人によって1万円や3千円や値段がマチマチだったら困るので、療養費という支給基準の中に骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷について、これ位が適当だという金額を決めた訳です。それが原点です。もう少し柔整師も原点を考えて、いま違反をしたら償還払い、療養費の原則に戻しますよと言われています。ペナルティ的に違うんです。療養費の原則は、患者の償還払いが原則です。ただニーズが高いから特例的に、国のほうが保険適用という形にしているのです。従って今、療養費の保険扱いがしんどいから自費というところに逃げ道をこしらえるというのは、僕に言わせたら間違いです。基本的に療養費である以上は、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷については必要な治療で、これについては保険料で決められている料金を守るのが柔整師の良心だと僕は思っています。ただ骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷以外の症状であったものについては、自費をもらっても良いと思います。
先般、上野で話しをした時に歯医者さんの例を出しました。歯医者さんで、金歯を入れたい、それは全部保険です。ただし特殊な金歯、或いはダイヤモンドを入れたいというのは、有償です。今は保険の中でも保険上、必要な金歯と保険外とを並療してもらえるのです。要するに保険診療はこれとこれで、自費診療はこうです、と。同様に療養費も柔整の中でも、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷は、この料金です。それ以外については、例えば今、肩こりは保険の中に入っていませんが、肩こりの治療をしました、これはいくらですと料金を貰って良いと思うんです。そういう運動をやらなければいけない。 肩こりで国民が何十万人、何百万人もが実費を払っています。僕はこれを保険に適用すべきではないかと考えています。これまで肩こりが万病の元なんて言われており、しっかり治療を行うことで、他の病気の予防効果があるというようなことが証明されたり、それこそデータで出すことが出来たら保険適用の道が可能になるように思います。なにしろ「肩こり」というのは病名でもなんでもありません。俗にいう表現法です。結局、「肩こり」というのは、実際はどのようになっているのか?ということをちゃんとエビデンスされていない。頭を前に屈めるだけでどれくらいの力が首にかかるのか?そのようにグッーと緊張していると、血行がどんどん悪くなって硬くなって体温が下がります。その時にちょっと振り向いたりすると段々痛みが入ってくる。私に言わせると、捻挫現象が起こっているのです。それを「肩こり」と書かないで、堂々と捻挫現象であると。ただ急性か亜急性かは話が別です。そこの戦いもしていかなければいけないのではないかと思っています。お風呂に入ったら治るということは、治るんです。もう少し医学的に言うべきだと思いますし、柔整がやるべきことだと思っています。
―日整の長尾会長は「例えば超音波の治療器を使用して疼痛管理が出来て普通の低周波治療器よりも痛みが通常より早くとれる等、エビデンスを説明して患者の求めに沿って、これは柔整療養費の支給項目にはないため、一律700円いただきます、或いは1000円いただきますというような、日整の会員だけではなく全国統一をしていく必要があります。私が思っているのは、「保険」という柔整療養費の部分と柔整療養費の支給基準に無いもので「保険外」というものの料金体系をキチンと作れば良いと思っているんです」等、述べられていますが、岸野会長はどのようにお考えでしょうか?
超音波については、僕とは考えがちょっと違います。超音波の治療器は確かにあります。しかしながら、超音波というのはあくまでもお医者さんに言わせたら、診断装置です。我々から言えば状態を把握する映像です。昔からあったレントゲン代わり、或いはもう少し科学が進んでいますから軟部組織の損傷とかそういうものを自分の治療に使う道具です。それを更に進んでお医者さんと同じような診断装置にまで超音波を発展させるのは賛成です。しかし、超音波を使ったから500円とか1000円とかいうのは、あまりにも単純すぎます。要するに根底には、所謂検査装置なのか、治療装置なのかで大きな齟齬が入っている筈です。それを議論せずに、超音波を使っているから700円等言ったら、ペケにされます。あくまでも今認められているのは自分の治療のために使う器具というような扱いにしておかなければいけないと思います。やっと超音波は我々も使用が可能になりました。原点は無害であるということですから、それを逆手に取るのは良いけど、こういう取り方をしたら超音波がダメになってしまいます。保険外については賛成です。
―更に長尾会長は「日整が早急にやるべきことは全国約6万人の柔道整復師に対する柔整業務の中での療養費請求の適正な運用と理論武装です。全国6万人の柔道整復師に対してきちんと日整が全国の柔道整復師に啓蒙活動をして、又、患者さんには解り易く捻挫・挫傷とは何か?という事を丁寧にインフォームドコンセントをしていく事が重要です。日整がやるべきことは会員・業界の未来の為に何を為すべきか‼です。日整の存在価値が問われています」とも仰られています。これに対するご意見をお願いします。
この点については半分位は良いけども、考えはちょっと薄っぺらいですね。6万人と書いてあります。いま日整は、1万3千人とか4千人しか居ない。今、個人は3万人です。団体に入って、どういうメリットがあるのか?というところをもう少し追求しなければならない。残念ながら日整という1つの組織にしているけれども、47社団だから中身はバラバラです。従って纏まるとしたら、コンピュータ屋さんです。いま、5万人の柔整師が居るのか分からないけれども、90%はコンピュータを使っています。そのコンピュータ屋さんのデータとか、やり方を纏めることです。コンピュータ屋さんが一つになってしまえば、直ぐ出来ます。まあそうはいってもコンピュータ屋さんも簡単ではないでしょうね。ただ言えることは、いま医療DXがどんどん進んで、間もなくお医者さんのデータが統一される筈です。要するにこうなる前は医療のコンピュータ屋さんは何十社もありました。それが医療DXが進んだら3つ4つになるでしょう。我々柔整の業界もコンピュータ屋さんは団体ごとにありますし、今4,50あると思います。コンピュータ屋さんも自分達の将来がかかっていますから〝集まれ〟って言ったら集まります。それで自分達で良い方法を計算して、こういうシステムでお願いしようと纏まったら厚労省も保険者もある程度は聞くと思います。ただし、ウチはこれだ、ウチはあれだとなると、もう面倒くさい、〝じゃこれにしましょう〟という話で、国から出てきます。それがお医者さんの世界で、ほぼそっちに集約されてきました。結果的にコンピュータ屋さん何十社が潰れました。つまり、今が最後のチャンスかなと思っています。点検会社も今コンピュータを入れていますから、そこのほうがもう既に柔整業界の作っているコンピュータよりも数段上のレベルの点検をしていますので、それを当然採用するでしょう。そういう時代になると思います。要注意です、本当にもう危ない。
―全国柔道整復師統合協議会の統一したスローガンや具体的な取組みについてお聞かせください。
スローガンは「大同団結」です。業界の危機を救おう、と。誰が聞いても反対する内容ではありません。しかし、その実は、無理でしょう。47社団が1つになれないのと同じです。北海道には北海道の社団、青森には青森の社団、東京には東京の社団、全柔協は北海道も青森も東京も会は1つです。基本的に今、どの団体も金ヅルというのは療養費のマシーン作業、手数料だけ、或いは会費だけで運営していますから、どんどん会員が減っていきます。安い会へどんどん移っていきます。また、どこの会にも入らなければお金は要らない。そういう世界になっています。会の運営母体がそうなる以上は、余程大きな目的とか、理念がない限り纏まりきれないでしょう。要するに今は、柔整の審査料が3%とか、2%とか1%、みんな安いほうに群がっていきます。基本が手数料になっている以上は、どうしてもお金の集まりになってしまいます。其処に、柔整師としての理念というものが何も無いんです。如何にお金を節約しようかということだけです。業権の拡大とか、病名を増やせとか、保険者さんや厚労省との折衝だと言われるけど、結局はお金相手を目的としている集団です。大切なのは理念なんです。もう少し業界の理念とか、業界を何のために作らなければいけないのかというようなことを考えなければいけないし、もしそれを失うことになってしまえば、柔道整復師という資格そのものが疑われるようになります。理念を掲げることです。療養費から審査料をピンハネするというのは、本当は法律違反に触れると私は思います。元々患者さんの保険の治療費、患者さんに対するバックなんですから。もう少し療養費を原則的に研究をしたら、そういう世界ではなくなります。もっと言えば、例えば国から柔整師に、何人治療したらこれだけ払う、或いは何人治したらこれだけ払う、というような制度が出来て初めて、療養費は生き返ると思います。療養費の原則は、あくまでも患者さんに対するバックなんです。患者さんは、自分が将来病気をするかもしれない、怪我をするかも分からない。そのために保険料を払っています。それで怪我をしたら、保険で診てもらうために積み立てていたお金から返してくれるんです。自分のお金なんです。それを国が税金等で補助を入れているだけのことです。その中でちょっと国の税金が入っているにも関わらず、審査料とかを、今は全部がこれを認めていますけれども、もし変な人が居て、そこのところおかしいじゃないかというような人が出たら、大きな問題になってくるような気がします。医療費は医者が請求しますけれども、療養費は患者が請求するんです。柔整師じゃないんです。患者が請求する医療費というのが一番の原則です。
―そういった話を各団体の集まりの会議で話されたことはありますか?
2月6日に上野で、療養費の原則について話しました。日整の理事、役員全員14、5人、かたや個人請求の各団体みんな居ました。でも各団体の長は、お金儲けと言ったら言葉が悪いですけど、やはり収益のことを考えていますから、どうしても1つにならないですね。意見はみんな良い意見を言います。大同団結をしなければいかん、政治家を使って、柔整師のために、其処は皆さん一致しています。じゃ具体的に何をやるのか?どこを如何するのか?いうことに対しては誰も、建設的な意見は持っていない。今、当面やらないといけないコンピュータ化にしてもです。いまコンピュータをどういう風な形にもっていけば、患者さんが喜んで、国も保険者も納得するかという話は、全然話が進まない。国が今回の改革で方針について、保険者から払われる資金は直接治療をしてくれた施術者に支払うこと、真ん中で団体等がピンハネをしたりしないように、直接支払うことを原則にするということをしているんです。結局、原則とするというからには、例外があっても良いのではないかという話で、しかも団体には委任払いも認めてくれるのではないか?それは交渉次第で可能なのではないのか?と。まあ一番良いのは、日整さんと個人さんがまとまったら、柔整師の60%はいるから、国もその方針を認めてくれるのではないだろうかという方針の下で、今話し合いの場を持っているところです。要するに委任払いを認めろという声は一致していますけれども、その実行役は如何するかという話は一向に進んでおりません。結果的にお医者さんの時と同様に、国の方針はこうしますから、これに従ってくださいみたいなことになろうかと思います。それは大きいです。ここ2,3年に決められる話です。
―保険組合の執拗な調査の影響を受けて全国の接骨院の年収は300万以下になったとも言われておりますし、廃業する接骨院も後を絶たないとされている現状について、今後どのような策が望まれると思いますか?
やはり料金の値上げでしょう。実際にかかった費用。患者さんがそのサービスに対してどれだけ負担をしているのかというようなことを、但しこういうことは我々の手を離れて客観的に、第三者委員みたいな人達が決めることです。今までは、医者の半分だとかいうような決め方をしています。しかしながら、そういうこと自体が我々の労力に対して患者さんのコストパフォーマンスというのか、それを正確に判断しなければいけないと思います。現実の問題として患者さんが減っているという問題と、それから一人の患者さんに対する費用の差というのは、また別問題だと思います。実際に患者さんを増やすためのニーズは如何したら良いのか。つまり、もっともっと社会のニーズ、患者さんのニーズを発掘しなくてはならない。患者さんのニーズは何所にあるのかということを知らなければいけないと思います。
1996年(平成8年)の裁判で負けた話ですが、あの時に手技療法、マッサージ師は絶対もっと必要になるからもっと増やさなければいけないと言って訴えたりしましたが、結局は障がい者の雇用を守らなければいけないということで、マッサージを障がい者の職業にしてしまいました。いま世界各国を見ると手技がどんどん出てきています。そういうことは僕が言うべきことではないかもしれないけれども、業界のトップやリーダー達はこの辺のことを如何考えているのか。やる術が分からないのでしょうね。
もう1つは、現在の予防と介護です。僕に言わせると、これだけ介護が盛んになる前は、接骨院は午前中は大賑わいでした。実際に今までは我々も行っていた訳です。ところが、介護福祉士などの専門職が出来たことで、そちらに任せてしまう。介護福祉士が居なかった時は我々が行っていたんです。そういう制度を作られてしまったお蔭で、国はその費用が安いと言っていたけれども、今はもう介護保険が破綻寸前です。昔、柔整が4千億までは行ったかもしれないけれども、所詮4千億です。今や介護保険は何兆円になった。だから国の制度のやり方によって患者の満足度を満たしながら、もっと新しい制度が出来るのではないかと思います。単に自分達の年収が300万を割ったからどうのということではなく、お金のために仕事をするのではないという精神の下にもっと費用を増やす方法は必ずあると思います。それは今とは違う何か、我々自身が何かに投資をしなければいけない。投資をしないところには、利益は生まれませんから。特に今言う介護予防、その分野に積極的に取り組んでいくべきだと思います、費用は別として。費用は後で返ってくるものだという認識の下に、始めれば良いのではないかと思います。
―健康保険組合が企業に健康指導を行って効果を上げたように、柔整も企業の健康指導を行っていくというのは如何なんでしょう?
そのように制度と仕組みをちゃんとオープンにして、みんなが出来るようにすれば良いと思います。企業さんは、健康指導をやらなければ健保組合さんが罰金を取られるので、必死なんです。そういった企業の健康指導に参入すれば良いと思います。但し、これは一つの施術所が食いついたとしても無理です。要するに、しっかり仕組みを作って、日整さんをはじめ、各団体がまとまってそういう話を国に持っていって、それから下ろさなければダメだと思います。これだけ健康ブームですから、まさに今がチャンスだと思います。
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