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『「匠の技 伝承」プロジェクト2026年度第1回指導者養成講習会』が開催

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2026年4月12日(日)、日本柔整会館において『「匠の技 伝承」プロジェクト2026年度第1回指導者養成講習会』(指導者評価確認講習)が開催され、滋賀県から沖縄県までの各県から代表2名が対面にて受講した。

「匠の技 伝承」プロジェクト2026年度第1回指導者養成講習会』

公益社団法人日本柔道整復師会・長尾淳彦会長は〝本プロジェクトについては以前より様々なご意見をいただいている。固定材料についても近代的なものにしてはどうかとのご意見もあるが、先人たちが使用してきた技術の「伝承」として講習を行っている。必ずしも皆さんに現場で使ってほしいというわけではなく、良いものは良いとして継承しつつ、現在の療養費の支給基準ではなかなか使用が難しい材料についても、取り入れることのできる環境を作るため尽力していく。今日一日、少し長丁場になるが、ぜひ皆さんがこの技術を持ち帰り、各地域で継承していただきたい〟と述べた。

竹藤敏夫副会長は〝遠方よりご参加いただき感謝申し上げます。「匠の技 伝承」プロジェクトも新たな年度を迎えた。本日は橈骨遠位端骨折及び肩甲上腕関節脱臼の整復固定・エコー観察を行う。以前にも取り上げたテーマではあるが、より確実に柔道整復術を次世代に繋げていきたいという想いから繰り返し講習を行っている。さらに精度を高め、自県にて伝えていただきたい。また、柔道整復の認知度を高めるためにエビデンスに基づくガイドラインの作成が不可欠であり、データを積み上げていくことで療養費の料金改定、支給基準の見直しにまで繋げていきたいと考えている〟とした。

徳山健司学術教育部長は〝本プロジェクトは、日本全国の日本柔道整復師会会員が平準化された施術を行えるようになることを最終目標としている。重点8部位の講習が一旦終了したが、復習してさらに高みを目指していただきたい。柔道整復術はエビデンスがある施術だと証明することが必要。エビデンスを持って、国民の健康に寄与しているということを一人一人が胸に刻んでいただきたい〟と改めてプロジェクトの目的を説明した。

続いて、川戸典知講師・山口登一郎講師の両名より実技評価のポイントが解説された。

橈骨遠位端骨折

エコー

プローブはつまむような感じで持つ。プローブだけを患肢に当てると滑りやすいため、必ず第4指、第5指を支点にして当てる。この持ち方もポイントになる。まず長軸でリスター結節を描出する。尺側寄りになると長母指伸筋も映る。描出しにくい場合は、一旦短軸でリスター結節のポコッとなっている部分を描出してから長軸に切り替える。次に橈側から観察する。一部だけではなく全体が線状高エコーでしっかり描出されているかというところが評価ポイントになる。続いて、掌側から舟状骨と橈骨、尺側から月状骨と橈骨の関係を観察する。実際の評価では、長管骨の場合は短軸操作で末梢骨片が縦に割れていないかどうかも評価しなければならない。

整復固定

整復

患者は背臥位とし、膝は屈曲位とする。上腕はバスタオルで覆い、そのタオルの両端を踏むように術者が立つ。牽引を有効に患肢に伝えるために、リスター結節を両母指で挟むように把持することが重要。力は要らない。骨折した肢位のまま把持し、末梢方向に牽引する。滑ってきたら手繰るようにして手の位置を変える。そして、そのまま回内する。少し位置を変えて、橈側に転位している骨片を外側より圧迫する。末梢骨片が中枢に合ったら、今度は前後面の整復を行う。その際、両示指を中枢骨片の遠位端に、両母指をリスター結節に置いたまま、末梢牽引を加えながら対向圧をかける。そして、さらに回内を加えて手関節を掌屈・尺屈し、整復を完了する。

固定具の作成

クラーメル金属副子の端をペンチで切断する。MP関節を曲げたところまでを1本とする。これが掌側となる。背側にはそれよりも少し長めのものを用意する。新聞紙を割いたものを対角線上に、副子が中央に来るようにして巻いていく。クラーメルがしっかりできていないと患肢をしっかり固定できない。

4裂包帯で縦に2往復、さらに親指で押さえながら横向きに変えて巻いていく。端を紙絆創膏で止める。掌側の副子は母指球のカーブに適合するように採型する。

固定

固定は後療がしやすいように前腕の近位端を留める。この際、血行を保持するため必ず肘関節は90度に屈曲した状態で固定する。カナルシーネを使用すると凹凸により血行の途絶を防止できるため、患者にとってより有益となる。そして背側に金属副子を当てる。橈骨にぴったりと金属副子を沿わせるようにすることが重要。最後に三角巾で提肘する。三角巾によっては伸びる辺と伸びない辺があるが、その場合は伸びないほうを体側とする。結び目が首にあたると痛みを生じるため患側に来るようにすると良い。提肘したら指先の血流を確認して完了とする。

肩甲上腕関節脱臼

エコー

肢位は座位とし、患者の両手は太ももの上に置いてもらう。

まずは肩関節前方から観察する。結節間溝、小結節、大結節が観察できる。結節間溝内は上腕二頭筋長頭腱の評価を行う。若干下からすくい上げるようにプローブを当てると高輝度に描出できる。プローブの角度が変わってしまうと描出されないため注意する。そして、このまま外へスライドさせて大結節の短軸像を描出する。次にプローブを90度回転して、大結節レベルでの上腕骨の長軸像を観察する。

最後に、肩峰と大結節、そこにある棘上筋腱を描出していく。

野球などの経験者の場合、上腕骨の後捻角が強くなっていて結節間溝が上手く描出されない場合もある。そういった場合は少し外旋するなど臨機応変に調節することも重要。

整復固定

整復

ヒポクラテス法の踵骨法にて整復を行う。末梢牽引を行うため、腋窩にタオルを装着し、踵骨を中心に腋窩に当てる。ただ、フラットに当ててしまうと、内転・内旋したときに肋骨損傷を起こす可能性があるため、少し煽り気味に、上腕骨側に足底がくるようにする。 そして、脱臼肢位で末梢牽引して外転・外旋する。ポイントは、骨頭を体幹から引き離すように、煽るような動作をする。それと同時に、術者の身体ごと内転・内旋する。

固定

固定は上方麦穂帯にて行う。患者は座位とし、患側が右側であれば術者は全体が見渡せるよう患者の右側に立つ。まず湿布を当て、その上から腋下枕子を挿入する。そして、後方に厚紙副子を当てながら、腋下を回って固定する。肩関節の麦穂帯の場合、肩甲骨の上角と胸鎖関節が包帯で被覆されることを基本とする。見栄え良く巻くことも重要だ。綺麗に早く巻けるようにトレーニングを積んでいただきたい。最後に三角巾で提肘する。

指導者評価確認

講師による評価ポイントの解説に続き、都道府県別の指導者評価が実施された。受講者は、個々の動作について説明を交えながら、整復・固定および超音波画像の描出を行う。総合評価は「整復・固定技術」と「超音波画像描出」の2項目に区分してA・B・Cの判定が下され、C評価となった受講者に対しては、後ほど再確認(補講など)が実施される仕組みとなっている。

講習会の締めくくりにあたり、徳山学術教育部長は〝実技評価に関しては、エコー観察において各受講者が非常にスムーズに観察を行っていた。また、日頃は他者から客観的に評価される機会が少ない整復・固定技術の評価においては、緊張感が見られたものの良く出来ていた。その上で、現状に満足することなく、さらに高い技術を目指して精進してほしい〟と総括した。

なお、本日の総合評価において再確認の対象となるC評価の受講者は皆無であり、参加者全員が優秀な成績で本講習を修了したことが報告され、金子益美理事の閉会の辞により終了した。

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