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第10回柔道整復師団体情報交換会 開催

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平成30年1月31日(水)、衆議院第2議員会館多目的会議室(東京都千代田区)において『第10回柔道整復師団体情報交換会』(以下、情報交換会)が開催された。

第10回柔道整復師団体情報交換会 開催

今回の情報交換会では、同日に開催された『第13回柔道整復療養費検討専門委員会』(以下、検討専門委員会)で議論された内容に関する事項を中心に、質疑応答や意見交換が行われた。

主催者挨拶である全国柔道整復師連合会(以下、全整連)・田中威勢夫代表理事は初めに出席者を紹介し、〝本日の検討専門委員会では亜急性の問題や白紙署名、施術管理者の要件、負傷原因の1部位目からの記載、電子請求について等、話し合いが行われた。どれも結論に至らなかったので、今後も引き続き議論していく。特に電子請求が進んだ際、業界が一体化していないとピンチを招くことになる。日本柔道整復師会とともに対応を進めているが、数多くいる個人請求者も含めてひとつにまとまっていきたい〟として、出席者に協力を仰いだ。

今回は公益社団法人日本柔道整復師会より、森川伸治理事、伊藤宣人理事、藤川和秀氏の3名が来賓として出席した。
森川氏は〝現在進められている改革が国民にとってプラスとなるよう、柔道整復師業界全体が手を取り合って進めていきたい〟と挨拶。続いて、伊藤氏は〝検討専門委員会では業界の利益のために適切な発言をしていきたい〟、藤川氏は〝皆さんの協力をいただき、自分たちの背中を見て後輩たちがついてきてくれるような業界にしていきたい〟と述べた。

第13回柔道整復療養費検討専門委員会で議論された内容について

意見交換に先立ち、全整連・田畑興介常任理事より検討専門委員会での議論の概要が解説された。

田畑氏は〝亜急性の文言の見直しについては、保険者側から改正案をリセットするよう要望があり、全く議論がかみ合わなかった。施術者側は、亜急性の定義は閣議決定文書で出たものであり、改正案もそれを踏襲しているため、検討専門委員会で議論するものではないと反論した。加えて、亜急性を時間軸で捉えるよう主張する有識者委員に対しては、それならば「慢性に至っておらず内科的疾患ではない、原因がはっきりした外傷」としてはどうかと提案した。そろそろ結論を出したいが、施術者側の認識も少しは理解していただかなければ前に進まない、という印象だった。

白紙署名については、保険者側は毎回署名するようにと強硬に主張しているが、施術者側としては柔整審査会が権限強化したばかりであるのでしばらく様子を見てはどうか、という見解だった。これも議論が進まなかった。

次に、平成30年4月から施術管理者になるには研修受講や実務経験が必要となるが、平成30年度においては受領委任の届出から1年以内に研修を受講すれば良いとする経過措置については、出席者の誰からも反対意見が上がらなかったため、このまま導入されると思われる。指定保険医療機関での従事期間を実務経験と認めるか否かについては、有識者は認めないという一点張りだった。施術者側としては、研修や実務経験の目的は職業倫理や患者との接し方、社会人としてのマナー、適切な保険請求などを学ぶことにあるので、反対される理由はないと考えている。さらに厚生労働省が示した実務経験証明書の様式についても、医師である有識者は『柔道整復師の施術に従事したことを証明する』と記載されている点を指摘し、指定保険医療機関で従事した場合にはこの様式では署名できないと異議を唱えた。しかし厚生労働省は、指定保険医療機関での実務経験の証明には別のフォーマットを用意するという旨の説明を行なった。

不適切な広告については現在、厚生労働省により実態調査が行われている。医科向けには広告ガイドラインが策定されており、柔道整復についても検討会が立ち上がると、厚生労働省より報告された。ガイドラインが策定されたら、全整連を通してお知らせしていきたい。

負傷原因を1部位目から記載する事については、施術者側からは柔整審査会の権限強化の効果を測定するためにも先送りすべきではないか、1部位目から記載することで不正が減るという根拠はあるのかという意見があった。保険者側は、1部位目から記載する事は法律上定められた当然のことであり、患者調査との齟齬を見つけるためにも必要だと主張した〟と説明した。

その後、会場からの質問と全整連に寄せられた質問に対し、厚生労働省担当官から回答が行われた。

質疑応答

施術管理者の要件となる研修について、開催頻度はどの程度なのか?

研修実施法人が研修計画を策定してから示すことになるため現在は未定であるが、全国で研修を実施できるよう検討している。都道府県ごとに柔道整復師数が異なるので、柔道整復師が多い都市部については複数回行われることを想定している。なお、実施スケジュール等については、研修実施法人が決めることになるが、決まり次第、公表することとしている。

研修への参加費用の目安はどのくらいか?また、施術所における実務経験はボランティアなのか?

料金は研修実施法人で決定するため、具体的には回答しかねるが、負担にならない金額を想定している。実務経験に関しては、医療に携わる者として倫理観や適切な保険請求等をしっかり身に付けるためのものであるので、ボランティアではなく正規な雇用をお願いしたい。

平成30年3月に資格取得し施術管理者になろうとする者に対し、特例措置として合計7日間相当の実務研修を課しているが、連続した7日間ではなく複数回に分けて研修を行った場合にも、正規雇用が必要なのか?

特例において必要な実務経験は、通知上では「実務研修」としている。したがって雇用ではなく研修として、要件を満たす施術所において研修を受けていただくことになる。

施術管理者の要件の限界事例に関して、現在養成施設1年生、2年生が卒業する平成31年、32年についても対応していく考えはあるか?

実施状況を見つつ、対応していきたい。

不適正な広告の是正について、医療系ガイドラインに従って策定していくのか?

広告に関する検討会に向けて、現在準備を進めている段階でまだ何も決定していない。医療広告に関しては進んでいるので参考にはしていきたいと考えているが、検討会での意見等を踏まえ検討していきたい。

広告のガイドライン策定に関して、不適正な広告の是正の見通しを教えていただきたい。

現在検討会に向けて準備を進めている段階であるので、その後の是正についてはまだ決まっていない。しかしルールを決めたら、それが守られるようにしていく必要があると考えている。

柔整審査会の権限強化について、誰が何を見て審査しているのかわからない。

審査会委員には、有識者や施術者などを公平に選任するよう通知している。どのような審査をするかは、審査要綱を厚生労働省でも示しているが、各審査会で審査基準を設けて行っている。その運用について、見直しの必要であれば検討しなければならないと考えている。

現在の施術管理者が事故等で急遽不在となった場合はどうするのか?

今後疑義解釈にてお知らせすることとして検討している。

「協定」と「契約」に違いはあるのか?

基本的に相違はない。違うのは、請求を行う際に協定の場合には各都道府県の柔道整復師会が取りまとめ、個人契約の場合には各施術管理者が行うということ。また、従来は「協定」の場合は原則1か月単位での請求、「契約」の場合には原則は1か月単位だが複数月まとめての請求も可能とされていた。しかし様式の統一に伴い、平成30年4月からは「契約」の場合も原則1か月単位の請求に統一される。

後療料の定義を示していただきたい。

療養費として支給できる後療料としては、骨折等に関しては初回が整復料、以降が後療料とされている。捻挫、打撲についても初回が施療料、その後が後療料となっている。
また、留意事項通知において、外傷性のものであること、単なる肩こりや筋肉疲労に対する施術、治療を完了して単にあん摩のみの施術は支給対象外とされている。しかし判断するのは施術者であり、適正に鑑別していただくことが必要であると考える。

今後電子請求へと移行していく中で、柔道整復も医科同様、国保連や社会保険診療報酬支払基金等へ紐づけされるのか?

電子請求の導入に当たって、現行の療養費支給申請書の流れや電子請求の導入に当たって検討すべき具体的な事項を把握するために調査を実施し、電子請求に向けて進めていきたいと考えている。本日の検討専門委員会においても審査支払機関の活用について意見もあったことにより、様々な意見を踏まえて検討したい。

柔道整復の施術の給付に係る医師の同意の取扱いについて、施術を希望する者に対して一律に医療機関を受診した上でなければ施術を受けられないと、指導を行っている福祉事務所が一部見受けられる。事案によっては医療機関受診を勧めることや、適正化を図ることが必要であるとは承知しているが、一律に医療機関を受診するよう指導するのは不適切ではないか。

そういった事例があることは承知している。判明した場合には是正するよう指導するとともに、こういった事例が生じないよう全国会議や研修会を通じて周知していきたい。

最後に、全整連・近藤昌之理事は〝全整連は、柔道整復業界の正しい情報を皆さんにお伝えするということと、柔道整復師の意見を厚生労働省や保険者、あるいは検討専門委員会に伝えるという役割を持っている。情報交換会や全整連に直接でも構わないので、ご意見があれば提示していただきたい〟と積極的な参加を呼びかけた。

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