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スポーツ・コンプライアンス教育振興機構発足記念会が開催

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平成29(2017)年6月29日 一般社団法人 スポーツ・コンプライアンス教育振興機構発足記念会が東京プリンスホテル・鳳凰の間にて正午より開催された。

発起人を代表して理事長・武藤芳照氏は、〝本機構は4月12日に発足したばかりでまだまだ成長途上の組織です。例えていえば上野動物園のパンダ・シンシンから生まれた赤ちゃんパンダの目と耳、胴に黒い毛が少し出てきたばかりの白黒ついてきたような状態で、幸い関係者の皆様のご支援とご協力のお蔭でなんとか体制を整えつつあります。
既にご承知のように、今年の3月に文部科学省から提示された第二次総合基本計画の中に、「クリーンでフェアなスポーツ精神によるスポーツの価値の向上」が謳われており、コンプライアンスの徹底、スポーツ団体のガバナンスの強化等が明確に示されています。

昨今、まことに残念なことではありますが、わが国のスポーツ界では様々な社会的事件、不祥事、コンプライアンス違反の事例が続いておりスポーツの価値が損なわれようとしております。各競技団体組織は、その対応に苦慮しているのが現状です。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前にしてIOC国際オリンピック委員会が提示した「40の提言」の中にもコンプライアンスの徹底は含まれ、今やスポーツ界のコンプライアンスの充実と強化は喫緊の重要課題と位置付けられています。
そうした背景と状勢をにらみ、昨年4月より私どもは各専門家を集めスポーツコンプライアンスに関する研究会を立ち上げ、スポーツ庁からご指導を頂きつつ勉強と議論、検討を積み重ねて参り、今般の機構発足に至りました。

本機構の目的は、スポーツ界のコンプライアンスの強化を図るため、コンプライアンスの教育の充実を図り、より健全なスポーツの普及振興に資するところで、その基本理念は、「ルールとフェアプレイ精神を守り、スポーツを愛する人々とスポーツの価値を守り育むこと」であります。

最大のポイントは「教育」の二文字です。

「十年樹木、百年樹林」という中国の言葉がございます。1年で実るようならば、穀物を育てろ、10年で実るようなら枝葉を、百年で実るようであれば良き人材を育成するという教育の本質の大切さを示す言葉です。
私どもはその理念に従い、IOCの提言に示されているスポーツコンプライアンスフォスターという、コンプライアンスの推進役、コンプライアンスの指導的立場に立つ良き人材を育成することに主眼を置きつつ、スポーツ庁のご指導を仰ぎながら関係団体の皆様方と連携・教育関係を構築して、今後の事業を進めていきたいと考えております。

全国各地の様々な競技団体様々なスポーツ組織、その中にスポーツコンプライアンスフォスターが生まれ、しっかりとしたネットワークを形成して活躍することにより我が国のスポーツ界のコンプライアンスの充実・強化が図られ、より健全なスポーツの普及・振興とスポーツの価値を保ち高めることに尽力して参ります。 私は元々整形外科医であり、スポーツ医学を専攻し、様々な教育・研究、実践活動を行って参りました。
学会活動としては、「日本転倒予防学会」の理事長を務めており、高齢者が4人に1人を超える超高齢社会となった我が国の高齢者の転倒による骨折や頭部外傷、寝たきり、要介護等を予防するための学術研究を推進すると共に予防に勝る治療はない、まさしく転ばぬ先の杖の社会啓発、教育活動を行っています。

井上ひさしさんの言葉、〝難しいものを易しく、易しいことを深く、深いものを面白く伝える〟をモットーに、例えば、転倒川柳を公募し表彰する事業を行っています。

幾つかご紹介すると、〝滑り止め つけておきたい口と足〟〝つまずいた 昔は恋で今だんな〟〝消えてゆく 足の感覚 妻の愛〟傑作だと思いますが、因みに最後の句は15歳の中学生の女の子の作で、将棋の世界同様、中学生恐るべしです。そうした滑ったり、躓いたり、転んだりしないように、大きな愛が消えることがないように、本機構は身の丈にあった形とスピードで、慌てず、焦らず、あきらめずに前に進んで参ります〟と開会の挨拶を行った。

スポーツ庁長官・鈴木大地氏は〝一般社団法人 スポーツ・コンプライアンス教育機構の発足、まことにおめでとうございます。
発足にあたりご尽力された関係の皆様に心から敬意を表します。スポーツは人々を励まし、夢や希望を与える力があります。一方で注目が集まるスポーツの世界には、残念なことにその価値を台無しにする様々な誘惑が忍び寄って参ります。
昨今、スポーツ選手による賭博、大麻使用、八百長等、総ての人を落胆させるような事態が続きました。一時の気の緩みがスポーツ界全体の期待を損ねることを常に意識し、二度とこのようなことが繰り返されないようにしなければなりません。
今年3月に策定された新しいスポーツ基本計画2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて我が国のスポーツインテグリティを高め、推進して参りたい。スポーツ庁としても、スポーツ行政の重要な課題であり、メダルの色や数だけではなく、スポーツインテグリティのチャンピオンを目指す等宣言、関係の皆様と一体となって取り組んで参りたいと思います〟と挨拶。

続いて、女優・水谷八重子さんは〝スポーツは、真実。人が自分の持てる力を思いっきり出して、感動を私たちに与えてくれます。私たちは、芝居を愛する人々と芝居の価値を守り育んで参ります。負けないように頑張って参ります〟等スピーチ。

引き続き、理事25名・監事1名の紹介が行われ(内、女性7名で28%の比率)、理事の有森裕子氏は〝スポーツを通して社会に何ができるか。この組織に関わらせて頂くことで、少しでもスポーツを通して私自身がやってきたことを活かし皆さんと育める、そういった役割が出来ることを楽しみにしています〟。

長野県選出の参議院議員・羽田雄一郎氏は〝スポーツを愛する一人として、また私は保育士の資格を持つ議員で、子どもたちに夢や希望を育んでもらえるようなスポーツにするためにもこのコンプライアンス、そして教育マナーをしっかり守って頂けるように努力して参ります〟。

(一社)日本パラリンピアンズ協会会長・河合純一氏は〝スポーツ科学センターで専任理事をしており、オリンピック・パラリンピックを含めていろんな研究等にも関わらせて頂いています。皆さんと一緒にスポーツの価値やルールを守っていきたい〟。

(公財)日本体育協会専務理事・泉正文氏は〝日本体育協会は47の都道府県、中央競技団体、関係団体合わせて126の団体が加盟しています。しっかり連携をとりながらコンプライアンスに取り組んで参りたい〟。

(公財)日本オリンピック委員会専務理事・平岡英介氏が〝スポーツの持つ力、高潔性、コンプライアンス、ガバナンス、一生懸命取り組んでおります。来年2月のピョンチャン、そして2020年の東京大会を目指し、この機構と連携しながら進めて参ります〟。

(公財)日本障がい者スポーツ協会強化部長/日本パラリンピック委員会事務局長・中森邦男氏は〝我々消費者スポーツの振興する中で私の仕事は日本代表選手の成績を上げること、東京2020年には金メダルランキング7位を目指して頑張っていきたい〟。

(公財)日本障がい者スポーツ協会常務理事・高橋秀文氏は〝日本障がい者スポーツ協会には63の競技団体・統轄団体が加盟しております。ようやく皆様のお力で少しずつパラスポーツに対するご理解が国民の方々の中に増えて参りましたが、失墜してしまうことがないように63の団体と共に頑張って参りたい〟。

独立行政法人日本スポーツ振興センター・ハイパフォーマンスセンター長・国立スポーツ科学センター長・勝田隆氏は〝ハイパフォーマンス、国際競技力向上の立場から国にフェアなスポーツを国民の皆様にしっかりと届けるということだけではなく、世界に日本のスポーツ、クリーンでフェアなスポーツをしっかりと発信できるように頑張っていきたい〟。

欠席の理事・鈴木徹さんからのコメント〝7月のロンドンで開催される世界パラ陸上選手権に向けて強化合宿のため出席出来ずに申し訳ありません。この活動に少しでも役に立てるように頑張って参ります〟を紹介。

最後に司会進行役・早稲田大学教授・間野義之氏から〝理事の一人としてスポーツビジネスコンプライアンスの観点から仕事をして参ります。以上、幹事理事26名で運営致します〟等述べた。

この後、前文部科学大臣/衆議院議員・馳浩理事は〝スポーツ・コンプライアンス機構は、2020年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして活発な活動をされていくことは理事の皆さんや今日出席の皆さん方との約束にしなければいけない。スポーツ・コンプライアンス機構発足にあたりみんなで団結を誓い合い乾杯!!〟と高らかに乾杯の発声を行った。

ロゴマーク
手と手、5本の指と5本の指とで握手し合う姿。
ルールとフェアプレイ精神を守ることが真のスポーツの勝利(Victory)に結びつくこと。
競争し合う一方、共に生き共に栄えることを表現している。

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