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「柔道整復師の業務を考える議員連盟」総会

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平成30年7月10日(火)、衆議院第2議員会館(東京都千代田区)において、「柔道整復師の業務を考える議員連盟」(以下、柔整議連)総会が開催された。

「柔道整復師の業務を考える議員連盟」総会

柔整議連発足にあたり、8名の議員が役員として選任され、出席議員が挨拶を行った。
会長代行である羽田雄一郎参議院議員は〝野党で柔道整復師の先生方を応援しようということで、要請に応え、本日「柔道整復師の業務を考える議員連盟」を発足した。一刻も早く立ち上げて、皆さんの想いを国政に届けていくのが我々の使命であると考えている〟とし、同時に地方からの意見の吸い上げも行っていくと述べた。

団体代表として出席した、(一社)全国柔道整復師連合会(以下、全整連)の田中威勢夫代表理事は〝柔道整復師の制度は昭和11年度に始まり、昭和45年に柔道整復師法が制定された。本来であれば制度は、国民・患者のために時代に合わせて変わっていかなければならないが、柔道整復師の制度は今でも変わっていない。柔道整復師業界には、公益社団法人日本柔道整復師会(以下、日整)を中心にたくさんの団体が存在しており、各団体が会員のことを想って行政に要望を出したり保険者と話し合いをしたりしているが、それぞれ主張することが違っていては要望も通らない。そこで平成23年に、多くの団体に声をかけ、同じ方向を向いてやっていこうということで全整連が立ち上がった。日整とも共同歩調を取って、改革を進めている。まだまだ清浄化していかなければならない部分がたくさんある。今後ともご指導いただきたい〟と挨拶した。

厚生労働省からのヒアリング

続いて、厚生労働省保険局医療課・都竹克宜療養指導専門官より、昨今の柔道整復療養費に係る見直しや平成30年の料金改定等についてヒアリングが行われた。

柔道整復療養費に係る見直しについて

療養費の支給対象となるのは外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉離れ等(慢性に至っていないもの)。原則は償還払いであるが、急性の患者がお金を持って来院するというのは現実的ではないということで、昭和11年から一部負担金相当額のみ支払って施術を受けることができる療養費受領委任払い制度が認められている。

療養費の推移として緩やかな増加傾向にあったが、平成24年度より減少に転じている。詳細な調査は行っていないものの、患者調査が行き過ぎており、受療抑制になっていることが減少の要因ではないかと考えられる。

平成10年の柔道整復師養成施設不指定処分取消請求事件の判決において、国が敗訴して規制が緩和されて以来、養成施設は平成10年には14校程度だったものが平成21年には100校以上に激増した。養成施設が増えることにより、平成10年には約29,000人だった就業柔道整復師数も、平成28年には倍以上の約68,000人となっている。柔道整復師が急増している現状を受けて、養成施設のカリキュラムも改正された。

療養費検討専門委員会(以下、専門委員会)は平成24年に設置され、第3回までは料金改定を中心に議論されてきた。しかし平成27年11月に発生した不正請求事件を踏まえ、平成28年3月より中・長期的な視点に立った療養費の在り方に係る検討も行われるようになった。具体的な内容として、支給対象の明確化や不正請求の疑いのある請求に対する審査の重点化、施術管理者の要件強化、審査会の権限強化等を議論した。

療養費改定について

医科の改定率0.63%に対し、柔道整復療養費は改定率0.32%となった。内容としては、柔道整復運動後療料を新設した。運動機能の回復を図るために運動を行った場合に算定できる。また、金属副子等加算の包括化、2回目、3回目の新設を行った。金属副子等を使用した場合、整復料又は固定料に950円を加算できる。また、交換が必要な場合、2回まで後療料に950円を加算できる。

その他

患者調査に関して、先日事務連絡を発出した。月1回しか施術を受けていない患者に照会を行う、あるいは患者にわかりにくい照会文書を大量に送付する等、適切でない調査を行っている事例があったため、多部位・長期・頻回等の不正の疑いのある施術に関して患者に照会を行うことが本来の目的であり、受療抑制となるような執拗な調査は慎むよう通達した。また、患者に分かりやすく負担とならないような調査とするようにと改めて周知した。同時に、保険局医療課に相談窓口も設定した。不適切な被保険者への照会があれば、具体的な照会内容等の情報提供をお願いしたい。

質疑

その後、厚生労働省が行った説明に関する質疑が出席議員より挙げられ、厚労省・都竹療養指導専門官が回答した。

平成30年5月24日発出の患者調査に関する事務連絡について、「施術者団体や請求代行を行っている者の子会社等に委託することは、自らの関係施術所について異なる取扱いをする等の疑義が生じるため適当ではない」とされているが、実態はどうなっているのか。また「子会社等」とは何処までを対象としているのか。

実態調査についてはかなり難しい。例えば請求代行を行っている会社が別法人を作り、その法人が患者調査を行っている場合、役員が同じだったり親族が役員であったり、関係性が強いと思われる。子会社の範囲の限定が難しいが、そういった関連性があるところを含めて対象としたい。委託する保険者も、外部委託業者を選定する場合には適正化の観点を踏まえてお願いしている。

柔整審査会の構成は公正なものになっているのか。地域によっては医師が含まれている等、偏りがあると聞くがどう認識しているか。

委員の構成を把握するため、国保連合会等と調整を進める等の準備を行っている。有識者に医師がいて公正な審査ができていないのではという意見もある。そういった点も含めて、委員の資質等にも踏み込んで見直しを行いたい。

療養費の支給対象として「外傷性が明らかな骨折、脱臼…」とされているが、文言に違いはあるものの今までと支給範囲に違いはないように思われるが、どう認識しているか。

ご指摘の通り、亜急性の問題は文言は整理したが支給範囲は変わらない。

最後に全整連・田中代表理事から柔整議連・羽田会長代行に対し、要望書が提出された。
田中代表理事は〝適正化ということで、業界全体が健全化の道を進むことができるようになった。しかし骨折・脱臼等の同意を出さない一部の医師や、受診抑制を招く一部の保険者及び保険者が委託する民間業者の不適切な調査で、真面目にやっている柔道整復師に被害が及んでしまっている。柔道整復師に診てもらいたいという患者の想いがあるのにそうならず、自由に接骨院に行けない。また、一部の医療機関が大量に薬を処方することで療養費支給が認められないケースもある〟と窮状を訴え、是正を要請した。

全整連・近藤昌之理事も〝我々柔道整復師は古くから運動器系の疾患への施術を生業としている。柔道整復は医療費が安いうえに副作用もほとんどないため、高齢化が進む社会において寝たきり防止等にも有用である。現在「柔道整復師が悪いことをやっているのではないか」というネガティブな情報が非常に多いが、先生方にご理解いただいて、柔道整復師もいい点はたくさんあるのだから上手く使っていただきたい〟と熱く要望した。

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