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『第83回社会保障審議会医療保険部会』が開催

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平成26年10月29日(水)、ホテルグランドアーク半蔵門において第83回社会保障審議会医療保険部会が開催され、市町村国保、国民健康保険組合の2点に関して議論が交わされた。

市町村国保について

市町村国保は被用者保険と比べて年齢構成が高いため、医療費水準は高いにもかかわらず所得水準が低く、保険料負担が重いなど財政上の構造問題を抱えている。市町村間の格差も大きく、市町村は一般会計繰入により決算を補填する状況が続いており、問題解決を図るために平成26年1月以降、国保基盤強化協議会において協議が進められてきた。平成26年8月に同協議会より中間整理案が出されたが、保険料負担を軽減するための更なる追加公費の投入や、財政リスク分散を目的とした財政安定化基金の創設などが盛り込まれている。

構造問題の解決を前提として、今回の部会では都道府県内の保険料負担の平準化を進めるために都道府県と市町村の役割分担の方向性が提案された。具体的には、▼都道府県は国保の医療給付費等の見込みを立て、都道府県内統一の標準的な保険料算定方式や市町村規模別の収納目標率などを市町村に対して示し、都道府県に各市町村が収める額(「分賦金」の額)を決定する、▼市町村は都道府県が定めた分賦金に基づいて、保険料の賦課・徴収を行なう、▼分賦金は市町村ごとに医療費実績(年齢構成の相違による差を調整したもの、複数年平均)や所得水準を勘案し定める、等の案が示された。これらに対し、委員からは検討を重ね段階的に進めるべきとの慎重な声が多く上がっていた。

また地域での医療介護連携の推進や地域包括ケアシステムの構築の観点から、保健事業に関しては住民と身近な市町村が担い、国や都道府県が積極的に支援するよう提案がなされ、概ね委員の賛同を得ていた。

国民健康保険組合について

国民健康保険組合は所得水準の差が大きく、社会保障制度改革国民会議報告書(平成25年8月6日)には、保険料負担の公平の観点から、所得の高い国民健康保険組合に対する定率補助の廃止に向け取り組むよう記載されている。これを受けて、平成25年12月5日に制定された社会保障制度改革プログラム法には、「保険料に係る国民の負担に関する公平性の確保」「被保険者の所得水準の高い国民健康保険組合に対する国庫補助の見直し」が明記された。今回の部会では、定率補助の廃止あるいは補助率を下げた場合の財政的影響について、平成22年の事業仕分けで結論とされた見直し案に基づく試算が提示された。

委員からは所得調査の頻度を改善し、現状をしっかりと把握した上で段階的に進める必要があるとの意見が上がった。

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