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第5回柔道整復師養成施設カリキュラム等改善検討会開催

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平成28年9月16日(金)、厚生労働省共用第6会議室(東京都千代田区)において、第5回柔道整復師養成施設カリキュラム等改善検討会が開催された。

はじめに事務局から、検討会発足の経緯について〝指定規則については平成12年にカリキュラムの弾力化等の見直しを行って以降、大きな改正は行っていない。その後、養成施設は大幅に増加しており、平成28年度における全国109施設の定員数は約8,600人であるが、平成10年度と比べて約8倍となっている。また、柔道整復師の療養費の不正受給事件も発生しており、柔道整復師の質の向上が求められている〟と養成施設における臨床実習の充実等を通じ、質の高い柔道整復師を養成するためと説明した。

具体的な改正の内容については、〝総単位数については現行の85単位から99単位以上に引き上げる。最低履修時間は2,750時間以上と設定する。また、各養成施設における独自のカリキュラムを追加することが望ましいとする努力規定を設けることとする。臨床実習施設については学校養成施設附属の臨床実習施設、柔道整復を行う施術所を基本として、整形外科や救急を行っている医療機関、スキー場等における救護所等のスポーツ施設及び機能訓練指導員を配置している介護施設等に拡大する。尚、臨床実習において実習生が行うことができる行為については、予め患者の同意を得たうえで臨床実習指導者の指導・監督の下で、当該指導者が主体的に行う施術の介助は行うことができるものとする。専任教員については、5名以上から6名以上とする。また要件として、資質向上のため実務経験年数を3年以上から5年以上とする。その他としては、基礎分野14単位のうち7単位を超えない範囲で通信教育等の活用が可能となるよう規定を追加する。養成施設に備えるべき備品等については、超音波画像診断装置を活用することは有用との意見がある一方で備えるべき備品に加えるには時期尚早であるとの意見もあり、今後改めて検討すべきである〟などと説明し、平成30年4月の入学生から適用することが適当だとした。なお、専任教員の見直しについては準備期間として新カリキュラムの適用から2年程度の経過措置を設けることを提案した。

この内容を受け、北村座長は〝追加カリキュラムについて、「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」という項目には超音波画像診断装置が含まれるがどう考えるか〟と意見を求めると、釜萢構成員は〝超音波画像診断装置については、厚生労働省からの通達において『施術に関する判断の参考』と位置付けられており、それについて本当に患者への説明材料としないことが在り得るのかという懸念が、医師側から寄せられている。カリキュラム改正にあたって、再度認識し直す必要がある。また超音波画像診断装置は習熟した医師であっても結果の判断が難しいこともあり、使用する場合にはその危険性についても留意しなければならない〟と、超音波画像診断装置の使用方法を指導する際には、その難しさも含めて指導すべきとした。福島構成員は〝超音波画像診断装置に限ったことではないが、画像の理解を深めることは患者の状態を理解することにもつながることであり、医接連携を進める上では必須〟としながらも、〝論点は超音波画像診断装置を備品として導入するかどうかではなく、画像の理解を深めることが重要だということだ〟と念を押した。

臨床実習施設についてはその要件として「過去1年間の施術日の平均受診者数が30名以上であること」とされている点について、長尾構成員は〝20名以上とするのか30名以上とするのかで施設数が大幅に変わってしまう。2名もしくは3名ずつ実習生を受け入れる場合、3000か所前後の施設が必要となり、30名以上とすると施設数が足りなくなるおそれがある。20~30名と幅を持たせるか、間を取るかという審議が必要〟とした。西山構成員は〝人数よりも内容の担保が重要。救急外傷の症例数や部位別の症例数のほうが条件としてふさわしいのではないか〟と提案し、成瀬構成員は〝ある程度実習施設の選択は学校が行うため、要件としては20名以上でもいいのではないか〟と述べた。

これらの意見を受け、北村座長は〝要件としては20名以上として、実習期間中に様々な施設でバランスよく経験できるように目標として盛り込みたい〟とまとめた。

また、樽本構成員は臨床実習施設での実習生の扱いについて〝柔道整復の施術所は個人経営が多いため労働基準が非常に曖昧であり、トラブルになりやすいと思われる〟と、実習先で単なる労働力とみなされてしまうことへの懸念を示した。しかしながら福島構成員は〝例えば施術所の掃除は実習範囲外かと考えると、それも業務のひとつであり学習であると考えられる。実習生は見ているだけというような状況を防ぐために、臨床実習指導者講習会がある。規定を設けるよりも指導者講習をしっかり行い、学校も学習内容を点検し、学校が主体性をもって行うことが大切〟とし、施術に関することに限らず掃除等の患者貢献も含めて経験させることも重要だと主張した。北村座長は〝施術の技術以上に患者への思いやりや挨拶なども大切にしなければならない〟と、改めて実習前に基本的な礼節に関する教育をしっかり行う必要性を述べた。

改正後のカリキュラム適用時期については、北村座長が〝平成29年4月には学生募集があり、平成30年4月には新しいカリキュラムを導入していただきたいが間に合うのか〟と問うと、事務局は改正内容を年内に確定させる意思を示した。

今後の課題として、北村座長から〝平成12年からカリキュラムには手を付けてこなかったが、その間に定員数は増え社会情勢も大きく変化してきた。事務局から、今後は「定期的に改正の必要性について検討を行うことが望まれる」との意見が出ているが具体的な年数を記載するか〟との指摘があったが、5年を目途とするとして意見が一致した。

最後に、北村座長は〝大枠は了承いただいたので、本日の議論を踏まえて細かな修正を加え、最終的な報告書をまとめたい〟と締めくくった。

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