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柔道整復師と介護福祉【第118回:障害福祉サービスの基礎知識ver6】

柔道整復師と介護福祉 特集

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定

就労移行支援は事業所の利用定員を現行の20人以上から「10人以上」に変更となります。

就労移行支援事業では、利用者の安定的な確保が事業運営の課題になっています。そのため、より小規模でも事業所運営ができるよう、定員が現行の20人以上から10人以上に緩和されることになりました。標準利用期間を超えて利用したい場合は、更新前に就労選択支援を原則利用(令和9年4月~)となります。

具体的には、本人の就労ニーズや能力・適性とともに、就労に必要な支援や配慮を整理し、個々の状況に応じた適切な就労につなげるため、2年間の標準利用期間を超えて就労移行支援を利用したい場合は、令和9(2027)年4月以降、原則として就労選択支援を利用することになります。

休職中の就労系サービス利用について

障害のある人が休職期間中に就労系障害福祉サービスを利用することに関して、以下の方針が示されました。

  1. 「職場や医療機関などによる復職支援が見込めない場合」などの現行の利用条件を改めて周知する
  2. 支給申請の際に、利用条件についての雇用先企業や主治医の意見書などの提出を求める

サービス内容、個別支援計画について

指定基準に意思決定の支援に配慮する努力義務を明記されています。

事業者は利用者の意思決定の支援に配慮するよう努めなければならない旨が、指定基準に明記されることになります。また、併せて意思決定支援ガイドラインの内容(意思決定支援に必要なアセスメント、その結果を反映した個別支援計画の作成や記録など)が指定基準や解釈通知に反映されます。

個別支援会議への本人参加を原則化

個別支援会議や相談支援事業所のサービス担当者会議について、本人の心身の状況などでやむを得ない場合を除いて利用者本人の参加を原則とし、会議で本人の意向などを確認する旨が指定基準に加えられます。

相談支援事業所に対する個別支援計画の情報共有を義務化

相談支援事業所が対象者の状況を踏まえたサービス等利用計画を作成できるよう、各サービスの個別支援計画について、相談支援事業所への情報提供が義務化されます。

人員基準について

令和7年度開始の「基礎的研修」、就労支援員の受講が必須になります。

具体的には、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の「基礎研修」が令和7(2025)年度から「基礎的研修」に変わります。これに伴い、就労移行支援の就労支援員と就労定着支援の就労定着支援員については「基礎的研修」の受講が必須となります。

ただし、基礎的研修を受講していない場合でも、令和9年度までは経過措置として指定基準を満たすものとして取り扱われます。現在の「基礎研修」は受講必須ではなく、就労移行支援事業所の就労支援員が受講すると「就労支援関係研修修了加算」の対象になりますが、今回の研修受講義務化により、この加算についても令和9年度までの経過措置を経て終了することが検討されています。

治療と両立する時短職員を週30時間以上で常勤扱い

「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設けた短時間勤務制度を利用する職員については、週30時間以上の勤務で「常勤」として取り扱えることになりました。常勤換算上も、週30時間以上の勤務で常勤換算1として取り扱えます。

テレワークの人員配置基準上の取り扱いを明確化

障害福祉サービスでのテレワークを人員配置基準上どう取り扱うか検討され、管理者については管理上支障が生じない範囲内でのテレワークが可能と明示されます。また、今後、管理者以外の職種や業務についてもテレワークの具体的な考え方が示されます。

業務効率化について

施設外支援での個別支援計画見直しが1か月に1回に変更となります。

具体的には、施設外支援の要件の一つである個別支援計画の見直しが、現在の「1週間ごと」から「1か月ごと」に変更されます。

施設外就労についての実績報告書の提出義務を廃止

事務負担軽減の観点から、施設外就労を実施した際に毎月提出する実績は提出不要となります。代わりに実績記録書類を事業所で保管し、必要に応じて自治体が確認できるよう配慮が必要です。

申請書などの各種様式の簡素化・標準化

現在、自治体ごとに差がある障害福祉サービスの指定申請や請求関連の書類などについて、令和6年度以降に標準様式の使用の基本原則化。その他、電子申請・届出についての調査研究の実施もされます。

職種間の賃金配分ルールの統一

職種間の賃金配分ルールは「福祉・介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事務所内で柔軟な配分を認める」に統一されます。

職場環境等要件の見直し

職場環境等要件についても、より実効性のある内容を目指して取り組むべき項目数を増やす、項目を見直すなどの検討が進んでいます。なお、一本化にあたっては就業規則や賃金規程などを変更しなくてはいけない事業所もあるため、経過措置期間を設けることが検討されています。

就労移行支援の基本報酬

就労移行支援サービス費といいます。算定できる単位数は「定員」と「直近2か年度(前年度・前々年度)の就労定着者実績」の2つの要素で決まります。

定員区分

行政に届け出ている定員により5段階に分かれています。

定着率区分

直近2か年度に、定員の何%に当たる人が就職後6か月を迎えたか(就労定着率)で7段階に分かれます。「就職」でなく「就職後6か月」で判断するのは、就職だけをゴールとせず利用者が長く働けるような就労支援を促進するためです。 

就労定着率の計算方法

  1. 前々年度の就労定着者数を出す
  2. 前年度の就労定着者数を出す
  3. 1と2を合計する
  4. 前々年度と前年度の定員数を合計する
  5. 3を4で割ると就労定着率が出ます

例:(8人+12人)÷(20人+20人)=就労定着率50%

就労定着者を数える際の注意点

その年度中に就職した人ではなく、その年度中に「就職後6か月を迎えた人(6か月以上働き続けた人)」の人数です。例えば2025年10月1日に就職した人は、2026年3月31日まで働き続けると就労定着者になります。ただし、労働時間延長や復職のため一般就労中に一時的に利用した人は、労働時間の延長であれば「支援終了の翌日」、復職支援であれば「復職した日」を1日目として6か月以上働き続けた人を就労定着者とします。

開業から2か年度間について

開業から2か年度間は、原則として就労定着率30%以上40%未満の区分を算定します。ただし初年度の定着率が40%以上となる場合、2年度目はその実績に応じた区分を算定できます。

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