柔道整復師と介護福祉【第129回:介護保険サービスの基礎知識ver6】

介護保険(訪問介護)令和6年度報酬改定とは?
業務継続計画未策定減算の新設
感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。


考察
QAに示されているとおり、業務継続計画未策定減算は、BCPの周知や研修、訓練を実施していなくても減算対象となりません。ただし、減算対象にならないだけであって、これらは基準省令により義務付けられているものですから実施しておいてください。
また、減算要件に「業務継続計画に従い必要な措置を講ずること」とされていることから、BCPの発動基準に適合した状況が発生した場合、正しくBCPが実行されているか否かを確認されることになるはずです。ですので、その証明として記録を残しておくことが重要になります。加えて、業務継続計画は、「感染症発生時」と「自然災害発生時」の2つを作成する必要があり、一方のBCPしか策定されていない場合は、令和7年度以降減算対象となりますので注意しておきましょう。(双方を一体的にまとめて作成することは可)
高齢者虐待防止措置未実施減算の新設


高齢者虐待防止措置未実施減算は、業務継続計画未策定減算とは異なり、過去にさかのぼって減算が適用されることはありません。
運営指導で未実施の事実が発見された日の属する月の翌月から減算措置が開始され、改善計画にもとづく改善が認められた月まで継続することとなります。
身体的拘束等の適正化の推進
訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売及び居宅介護支援について、利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないこととし、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録することを義務付ける。

記録の保管期間は、基準省令上は2年間ですが、自治体によっては条例により5年間としている場合が多いため確認しておきましょう。ちなみに、訪問介護については身体拘束廃止未実施減算は適用されませんが、訪問系障害福祉サービスについては令和5年度より適用が開始されています。
認知症専門ケア加算の見直し
訪問系サービスにおける認知症専門ケア加算について、認知症高齢者の重症化の緩和や日常生活自立度Ⅱの者に対して適切に認知症の専門的ケアを行うことを評価する観点から、利用者の受入れに関する要件を見直す。

口腔連携強化加算の新設
訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び定期巡回・随時対応型訪問介護看護において、職員による利用者の口腔の状態の確認によって、歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる観点から、事業所と歯科専門職の連携の下、介護職員等による口腔衛生状態及び口腔機能の評価の実施並びに利用者の同意の下の歯科医療機関及び介護支援専門員への情報提供を評価する新たな加算を設ける

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