柔道整復師と介護福祉【第9回:地域支援事業の参入方法】
地域支援事業とは、2006年4月から開始、要介護認定が“非該当”の対象者に対して実施する介護予防サービス事業を指します。
市区町村が運営主体となって支援しており、この事業の目的は、地域住民が要介護・要支援状態になるのを予防することを主観としております。実施に当たっては、“地域包括支援センター”が、地域住民の心身の健康維持や生活の安定、保健・福祉・医療の向上、財産管理、虐待防止などの課題に対して総合的なマネジメントを在宅訪問して行います。
主な事業は、大きく次の3種類があります。
- “介護予防事業”として、“特定高齢者”向けの介護予防プログラムの提供、一般を含むすべての高齢者に対する健康診査の実施(年1回)
- “包括的支援事業”として、高齢者に対する総合相談や権利擁護の実施。
- “任意事業”として、地域の実情に応じた独自の制度やサービスの実施。
二次予防対象者(旧:特定高齢者)
二次予防対象者とは、“非該当”に認定された人のうち、要介護・要支援状態になる恐れがある人のことです。
二次予防対象者と判断された場合には、“通所型介護予防事業”や“訪問型介護予防事業”が実施されます。
二次予防対象者スクリーニング方法
基本チェックリスト25項目に該当された高齢者が2次予防対象者として認定されます。
日常生活に支障があるか否かを判断する指標として活用されております。
- 生活機能全般について
- 運動機能について
- 栄養状態について
- 口腔機能について
- 閉じこもり傾向について
- 認知症の疑いの有無について
- うつ病傾向の可否について
地域支援事業の参入方法について
介護予防事業(運動教室・口腔教室)
市町村主体の事業のため、参入方法の多くは公募・委託形式がとられています。
申請時に必要な条件・書類一覧
- 教室運営に伴う事業計画
- 教室を行う上で必要な㎡数の確保
- 介護予防プログラムの作成
- 教室実施に伴う人員の確保
運動教室:機能訓練指導員・看護師・介護職員・送迎員(兼務可)
口腔教室:歯科医師または歯科衛生士・看護師・介護職員・送迎員(兼務可) - 教室参加者に対する送迎範囲
- 安全管理マニュアルの作成
- 予算の範囲内での収支計画書
- 提出時に必要な書類一式(決算書・登記簿謄本・印鑑証明・資格証明書・市税納税所・誓約書等)
※公募後、面接で採用される
事業体制と事業の流れ
事業体制
例:計12回もしくは20回の運動教室
口腔機能教室はおおむね1カ月に2回
第1クール:5~7月(新年度から開始)
第2クール:9~11月
第3クール:1~3月(年度末に終了)
事業開始までの流れ
- 基本チェックリスト該当者
- 地域包括支援センター自宅訪問
- 本人の意向を確認し運動教室、口腔教室をご案内する。参加意向を確認後、主治医に参加可能か意見を仰ぐ
- 主治医の参加承諾後、本人の日常生活状態を実調する
- 地域包括支援センター職員が地域支援事業プラン作成
- 地域包括支援センターが委託事業者に依頼をかける(送迎範囲の確認と参加者人数の確認をする)
- 委託事業者、地域包括、ご本人含めた事前サービス担当者会議
- 教室開始
- 初回:アセスメント(身体機能検査)
- 最終回:身体機能検査
- 数値の評価と実績報告書まとめて地域包括支援センターに提出
- 実績報告を市町村行政に提出
- 事業完了
地域支援事業参加者のその後
参加者は、下記の地域活動を紹介される。
- 地域包括支援センターの介護予防教室
- 地域の自主グループ
- 運動教室
- 歌謡教室
- ウォーキング教室
- 体操教室
- 編み物教室
- 市町村主催の健康運動教室など
原則的には、一度地域支援事業を参加した該当者は続けて参加することはできないが、1クール空けての参加は認められている市区町村が多い。市区町村によって参加方法の規定はまちまちです。
平成29年度から改正される地域支援事業
平成29年度から、総合事業に移行され、さらに柔軟な対応が市町村の事業として期待されています。
Visited 19 times, 1 visit(s) today
PR
PR