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柔道整復師と介護福祉【第104回:介護保険制度の基礎知識ver5】

柔道整復師と介護福祉 特集

科学的介護とは?

令和6年度法改正で大注目の科学的介護とは、科学的裏付けに基づく介護のことで、より効果的で質の高い介護サービスの提供に向けてその普及・実践が望まれています。医療分野においては1990年代以降、「根拠(エビデンス)に基づく医療」が実施されており、介護業界にもその波が到来。科学的介護の基盤となる介護データベースの整備が進められてきました。そのデータベースとなるのが、「VISIT」「CHASE」「LIFE」です。

VISIT:2017年度から運用を開始!

通所・訪問リハビリの効果を科学的根拠に基づいて分析するためのデータベース

CHASE:2020年度から運用を開始!

科学的介護の実践を目指して、利用者の状態やケア内容を集積するデータベース

LIFE:2021年から運用を開始!

「VISIT」・「CHASE」の一体的な運用に向けて名称変更。

LIFEの前身、科学的介護データベース「CHASE」とは?

2019年度にデータベースの開発を行い、2020年度から運用を開始した「CHASE」。その概要や運用目的をご説明します。介護にかかわるケア・リハビリテーションなどのエビデンスデータ 「CHASE」とは、高齢者の健康状態・ケアやリバビリの内容等を収集するデータベースのことをいいます。「CHASE」のデータを利用し、介護サービスの充実を図ることが運用の目的です。「CHASE」により科学的介護が提示されることで、利用者様がどういったケアやサービスを受けることが自身にとって必要なのかを客観的に判断できるようになります。それにより適切な介護方法を選択できるようになり、主体的な生き方につながっていきます。

利用者様が分析データに基づいたケアやサービスを主体的に受けることで生きる喜びが湧き、肉体的にも精神的にもADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の向上が期待できます。 利用者様がどのようなサービスやケアを望んでいるのかデータから把握することができ、サービスの向上につながります。効率の良いサービスを提供することは職員の業務負担を減らすことになり、人材の定着も期待できます。また、「正しい介護方法」がどういったものなのか、根拠を示して介護に携わることができるようになり、職員の質的向上にも寄与します。ただし、データはもちろん大切ですが、コミュニケーションこそがケアの要であることを忘れてはいけません。業務の負担が減った分、利用者様と向き合う時間を増やしていくという意識を全職員で共有していくことが必要です。

科学的介護情報システム「LIFE」とは?

科学的に効果が裏付けられたケアやサービスの提供を推進するために運用が開始されたのが「LIFE」です。2021年4月からスタートしていますが、その取り組みと新設された加算方法を分けて紹介します。

「CHASE」のデータをもとにした業務改善の取り組みの推奨

「CHASE」と、リハビリ情報に特化したデータベース「VISIT」を一体化して運用するのが「LIFE」です。事業者単位で「LIFE」を活用してPDCAサイクルの質の向上を目指し、業務の改善に取り組むことができます。

科学的介護推進体制加算の新設

「LIFE」の運用開始とともに、「科学的介護推進体制加算」が新設されました。対象は通所サービス、施設・居住サービス、多機能サービスとほぼすべてのサービスで適用されます。算定要件に関しては細かな設定がある上に、「LIFE」の利用申請手続きが必要だったり提供する情報が多岐に渡ったりするなど複雑。管理者がしっかりと理解することが求められます。

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