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柔道整復師と介護福祉【第68回:療育手帳の手続きと流れvol.2】

2020/06/16
障害手帳の1つである「療育手帳」判定基準や取得の流れ vol.2
(1)障害の判定基準

多くの自治体が知能障害の判定基準に知能指数IQを使います。IQの数値が低ければ低いほど障害が重いと規定しています。

幼児は知能指数の代わりに発達指数DQを判定材料にしながら、日常生活の能力とあわせて、総合的な知能障害の判定をします。

しかし、知能障害に対する法的な定義はなく、判定基準や判定方法には、重度かどうかを区分するために知能指数がおおむね3.5以下と記述されているだけです。都道府県の検査基準も用いる検査もバラバラなので、自治体によっては療育手帳の対象外になり、手帳がもらえないこともあります。

 

(2)知的検査に用いられるIQとは

知的障害があるかどうかの知的検査で用いられるものに、知能指数があります。知能指数という客観的な情報から得られた結果の知能指数IQで知的障害があるかどうかの判断になります。

知能指数IQで知的障害の程度が区分され、WHOが定める知的障害の程度・判定基準としての利用と厚生省が定める知的障害の程度・判断基準としての利用があります。

 

WHOは、知的障害の程度の区分を下記のように定めています。

厚生省の知的障害の程度の区分は下記のように定めています。

 

(3)発達障害に用いられるDQとは

発達検査とは、0歳から使用できます。主に乳幼児や小学生の知的能力や身体運動能力などの発達状態を調べる心理検査で、直接子供を検査したり観察したりして、評価をします。日常生活や対人関係などの子供の基準を数値化したものを発達指数DQといい、ひとりひとりの子供の状態を知るために使われます。算出式は「発達年齢÷生活年齢×100」です。平均値は100、標準偏差は15または16です。

 

(4)療育手帳の申請の流れ

療育手帳は、知的障害を持つ人の家族の経済的、物理的負担を軽くし、サポートをしてくれる手帳です。手帳を取得しておくと、社会生活における困難を軽減できます。

療育手帳を取得するには、現住所の市町村の障害福祉窓口(福祉事務所や福祉担当課)や児童相談所に相談します。申請に必要な書類は、療育手帳交付申請書、顔写真、印鑑を準備します。

 

療育手帳の申請の流れ
市町村の障害福祉担当窓口か児童相談所で申請をし、障害の程度の判定の申し込みをします。
心理判定員、小児科によって面接をし、聞き取り調査をします。
(母子手帳や幼稚園、学校などの記録があれば、あらかじめ準備をしておきましょう。)
心理判定員や小児科による判定に基づき、精神保健福祉センターで審査を行い、知的障害の程度の区分が決まります。
面談後、障害福祉窓口から連絡があり、結果が郵送で通知されます。その後、認定を受けたら障害者窓口で手帳を受け取ります。

 

療育手帳の更新手続き

療育手帳それ自体に有効期限といったものは特に定められていませんが、自治体によっては

所定の年齢に達した時
障害程度が変化した時

などのタイミングで更新手続きが必要になる時場合があります。

例)東京都の場合

「障害程度が変化した時」
「更に年齢が満3歳・6歳・12歳・18歳になった時」

に判定を申請するよう、定められています。
お住まいの自治体で療育手帳の更新手続きが必要かどうか、必要であればどのタイミングで、どのような申請方法で更新手続きを行えばよいか、「療育手帳、更新」といったようにネット検索をすることで確認ができますので、ぜひ一度確認してみてください。

 

(5)メリットの多い療育手帳を活用しよう

療育手帳は必ず取得するものではないので、取得するかどうか悩んでいる方は多いと思います。知的障害を持っていると、毎日の日常の社会生活にも困難な事が多くあり、特に教育面や金銭面では大きな負担になります。

療育手帳を取得するとたくさんのメリットがあり、在宅サービスや社会参加、就労などの様々なサービスを受けることができます。

特に知的障害をもっていると就労が難しく、軽度の知的障害でも一般雇用として民間の企業に就職するのにとても難しくなります。このような就職活動のときに、療育手帳をもっていると、障害者雇用の採用にも応募できるので選択肢も広がり、就職活動も進めやすくなります。

療育手帳をもっていると、一貫した指導や相談・援助を受けやすくなります。療育手帳をうまく活用して障害を持っていても自立して暮らしていけるように、手段と目的を違えず活用をお勧めします。

 

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