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「第27回柔道整復療養費検討専門委員会」が開催

2024/01/31
各委員からの主な意見・要望

厚生労働省からの説明を受け、専門委員会各委員より意見や要望等が挙げられた。

 

保険者:
「保険者による受領委任払いの終了手続きを含めた取扱い(保険者単位の償還払いへの変更)についても検討し結論を得る」とされているが、検討状況によっては受領委任から脱退するということを厚生労働省としても認めるということか。
厚労省:
保険者単位で償還払いに変更するというのは極めて重大な変更であり、患者単位での償還払いとは次元が違うと認識している。保険者単位での償還払いへの変更を認めるということはない。
保険者:
長年委員を務めているが、保険者の意見や要望が殆どと言っていいほど通らない。4年前に受領委任から脱退し償還払いとする意向を示したが、それも実行できていない状態。前回改定で先述の文言が入っていたから留保していた。多くの健保組合が受領委任からの脱退を希望している状況であり、これ以上待たされると健保組合も黙っていない。
施術者:
受領委任を辞めたいという気持ちが前面に出ているように思うが、受領委任は柔道整復師のためではなく国民のためにある。もっと国民目線に立って考えていただきたい。
保険者:
受領委任払いは施術者のためのものだと理解している。受領委任だから不正の温床となっている。もともと療養費は償還払いが原則であり、原則に戻し、不正の対策を取るべきと考える。
施術者:
先ほどの調査報告で、施術者側としては明細書発行義務化対象外の施術所も頑張って発行しているという印象を受けたが、厚労省はどう認識しているか。
厚労省:
あくまでもサンプルの調査ではあるが、実際に多くの施術所で明細書を無償交付しているという実績が上がってきていると認識している。そういった点からも明細書発行義務化の対象拡大を提案している。
施術者:
ある程度評価いただいているということだと思う。それであれば、償還払いの話が出るというのは流れとして違うのではないか。明細書をしっかり発行すれば施術の透明性が担保され、保険者も納得するという認識だった。その点も考慮いただきたい。
施術者:
施術者側としても明細書発行には基本的には協力していきたいという共通認識はある。ただ、明細書発行はもともと患者の求めに応じて発行するということになっていた。さらに発行の義務化を進めていくためには、それに見合った改定が必要ではないか。一部の不正を働く柔道整復師を炙り出すために、真面目にやっている柔道整復師を犠牲にするわけにはいかない。
保険者:
厚生労働省の調査結果で、協定・契約施術所数が46,000件以上ある中で、明細書の無償交付を届け出た施術所は18%程度にとどまっている。調査結果によれば常勤3人以下の施術所でも明細書を発行している施術所も多いし、レセコンを設置している施術所は人数要件なしで例外なく発行義務化すべきではないか。
施術者:
明細書の発行により通院日や料金の内容が明確化でき、健全化できて良いと考える。ただ、現場の不安や不満も解消したうえで実施していただきたい。例えば明細書発行ごとに10円を加算する等の改定を行うことで義務化が進められるではないか。
また、償還払いへの移行については、不正は施術回数や期間ではなく特定の施術管理者やオーナーの問題と考える。慎重に検討していただきたい。
施術者:
常勤1人施術所の場合、明細書を一枚発行するのにかかる時間は短くても、その分患者を診る時間が減ってしまう。そういった負担・リスクが度外視されているように感じる。
保険者:
明細書の算定回数、算定額の拡大については財源も示していただきたい。交付回数については、患者が何を希望しようが毎回発行を原則とすべき。今回の改定で取り入れていただきたい。
施術者:
施術者の大半は、長期・頻回となる例では適切に医療機関への受診を進めており、そのような指導も行っている。誤った取り扱いとならないよう、柔整審査会で調査し個別に指導していくべきと考える。
有識者:
整形外科から見て、3ヶ月以上の長期施術には捻挫・打撲などの外傷ではなく内科的疾患が含まれているのではないかと思う。あはきは受領委任を行うにあたって医師の同意が必要なのに、柔道整復では必要とされていないのは、外傷性で負傷原因が明らかだからである。柔道整復も医師の同意を必要とすべき。
施術者:
再検料は1回だけしか算定できないが、柔道整復師は毎回必ず、前回施術の評価を行ってから施術している。再検料の複数回算定を可能としていただきたい。
施術者:
物価や電気料金等の高騰の影響を強く受けており、非常に苦しい。電療料についても検討していただきたい。

 

今回挙げられた意見を踏まえて、厚生労働省により令和6年改定にかかる具体策の検討が進められる。
なお、次回検討専門委員会の日程は未定となっている。

 

 
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